Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

台風の目となるか All Whites…..

2010-06-05 | 夏季五輪

All Whites win greatest ever, says Hebert
29.May Serbia 0-1 New Zealand

28年振りワールドカップ出場を決めた、今大会唯一 Oceania Football Association から本大会出場を決めた New Zealand 代表 All Whites の調整は順調の様だ。
5月29日、 オーストリアのKlagenfurt で行われた Serbia 戦は 1-0 で勝利を収め Ricki Herbert 監督は “歴史上最高の勝利”と勝利を賞賛した。

“我々は常に自分のパファーマンスを行うがしかし、Serbia の様なトップクラスのチームからの勝利は大変なボーナスだ。”
New Zealand が欧州の地で勝利を上げたのは史上2回目だった。そしてこの勝利は1982年 Auckland でメキシコを破った試合と並ぶ快挙だとの事。
All Whites は Vice-Captain の Tim Brown を24日のオーストラリア戦で負傷で欠きFW Chris Killen が結婚式の為に合流できなかった。
一方の Serbia は FW Pantelic 、 GK Stojikovic を始めワールドカップ予選での中心メンバー7人を含むほぼべストメンバー。地理的な事もありスタンドは殆どが Serbia サポーターで埋まっていた。 

試合は開始から地力に勝る Serbia がすぐに主導権を握るが All Whites も Blackburn の Nelsen を中心としたタフなDFで対抗。GK Mark Paston も好セーブでゴールを許さない。そして22分 Winston Reid からロングボールを受けた Rory Fallon が DF Nemanja Vidic を振り切り Smeltz に渡し Antonio Rukavina をかわしてシュートに持ち込み GK Stojikovic を破り先制ゴールを挙げた。
Vidic は Manchester United , Rukavina は 1860 Munich そして Stojikovic は Wigan Athletics 。みな欧州でもトップクラスのクラブチームでレギュラーを張る選手達だが、彼らを破って得点を決めたのが A-League Gold Coast の Smeltz だからたまらない。



先制ゴールから2分後、Fallon が GK Stojkovic と1対1に追加点のビッグチャンスを掴んだがここは Stojkovic がセーブ。リバウンドから放たれた Smeltz のショットも Stojikovic の正面に飛び追加点はならなかった。
そして以降再び Serbia が主導権を奪い返す。FK から Neven Subotic が Jeremy Christie のルーズなマークを掻い潜りフリーでヘッドを放つがゴール枠は捉えられない。後半に入り更に攻勢に出る Serbia に対し All Whites は可能な限り守備に人数を掛けて防戦。47分には Marko Patelic のシュートを Simon Elliott がブロック。
そんな中でも57分と60分に All Whites はチャンスを掴むが Fallon のヘッドはクロスバーを越え、 Reid は Fallon のクロスをシュートに持ち込めない。
Valencia 所属の 203cm の Nikola Zigic の至近距離からのショットは Reid が身体を寄せて充分威力が発揮できずGK Paston がセーブ。交替出場の All Whites のJeremy Brockie が Fallon, Smeltz と繋がれ受けたパスから放ったシュートは左サイドネットを直撃した。終了直前の Zigic のヘッドも得点には至らず、 All Whites は強豪 Serbia を完封し歴史的な勝利をワールドカップ前に手にした。
世界ランク 78位の New Zealand が15位のSerbia を破ったが 63位もランク差のあるチームの戦いで下位のチームが勝利したのは18年前に FIFA Ranking が施行されて以来最大の“番狂わせ”となった。

試合終盤、ふがいない Serbia 選手のパフォーマンスに憤りが爆発したSerbia サポーター席から物が投げ込まれ Austria人の審判団達は試合中止を示唆するも Serbia 代表主将の Vidic が何とか審判団とサポーター達を説得し試合を成立させる一幕もあった。






 
“我々にとってはファンタスティックな結果だった。歴史上最高のゲームだった。11月14日(バーレーンとのプレーオフ)の素晴らしさが霞んでしまいそうだが、ここでこれだけランクが上のチームに勝利できるとは素晴らしい結果だ。これで世界に少しばかりのメッセージを送る事が出来ただろう。 (フルメンバーで無いのに勝利を収められた事に就いては。) チームの層の厚さを見せる事が出来た。 我々は誰でも点を取れると言う事だ。 ( Tommy Smith と Winston Reid に就いては。) 私はこの2人が欧州のトップクラスを相手にどこまでやるかを見たかった。 得点を挙げただけでなく、失点を許さなかった事も素晴らしい。 彼らのオンザボールに対する能力は、本当によく耐えしのび、その忍耐から攻撃に繋げられていた。もしワールドカップでの物差しがあるとすればこの日の Serbia 戦がそうだ。この日は確かに誰もセルビア人選手に気後れしていなかった。”Herbert監督は自信を持ってコメントしていた。

ゴールを決めた殊勲の Smeltz は “ファンタスティックな結果でワールドカップに向けてもう一つのステップを踏んだ。 選手達は大変ハッピーだ。 我々はこれで多くの自信を得た。 ホームからアウェーでそしてトップクラスのチーム相手に。 しかしまだ終わりではない。ただもっとハードにやらねばならない。我々はバックスに守備を強いたが恐らく数人の人達にはショックを与えただろう。セルビア選手達がハッピーだったとは思わない。 彼らは我々からは勝利を期待していただろう。 2,3のチームが我々に対する考えを改めるだろう。”

調整試合でも良いからわれらが代表もこれくらいやってくれていればなぁ…
そして試合翌日の30日チームは次の Slovenia 戦が予定されているBad Waltersdorf に向かいチームの多くは Graz で行われた England vs Japan の試合を観戦したそうだ。 あぁ、俺も南アフリカでなくスイス、オーストリアに行けば良かったなぁ…

New Zealand 1 (Shane Smeltz 22) Serbia 0 Klagenfurt, Austria 

New Zealand: 1-Mark PASTON (GK), 3-Tony LOCHHEAD, 4-Winston REID, 6-Ryan NELSEN (captain), 7 Simon ELLIOTT, 9-Shane SMELTZ, 11-Leo BERTOS,
14-Rory FALLON, 19-Tommy SMITH, 20-Chris WOOD (22-Jeremy BROCKIE 61), 21-Jeremy CHRISTIE.
Substitutes not used: 2-Ben SIGMUND, 5-Ivan VICELICH, 12-Glen MOSS (RGK), 13-Andy BARRON, 15-Michael MCGLINCHEY, 16-Aaron CLAPHAM, 17-David MULLIGAN, 18-Andrew BOYENS, 23-James BANNATYNE (RGK), 8-Cole PEVERLEY Cautions: Leo Bertos, Tony Lochhead

Serbia: 1-Vladimir STOJKOVIC (GK /23-Andjelko DJURICIC 46), 2-Antonio RUKAVINA, 5-Nemanja VIDIC (Captain), 20-Neven SUBOTIC, 16-Ivan OBRADOVIC (3-Aleksandar KOLAROV 21), 22-Zdravko KUZMANOVIC (21-Dragan MRDJA 59), 11-Nenad MILIJAS (4-Gojko KACAR 46), 7-Zoran TOSIC, 18-Milos NINKOVIC, 15-Nikola ZIGIC, 9-Marko PANTELIC (8-Danko LAZOVIC 66). Substitutes not used: 10-Dejan STANKOVIC, 12-Zeljko BRKIC (RGK), 13-Aleksandar LUKOVIC, 14-Milan JOVANOVIC, 17-Milos KRASIC, 19-Radosav PETROVIC, 24-Bojan ISAILOVIC (RGK).

Not much MCG-whizz as Socceroos struggle to victory
24. May Australia 2-1 New Zealand

5月24日 All Whites は Melbourne Cricket Ground でSocceroos と対戦。ロスタイム Brett Holman のゴールで惜敗した。
1982年スペインワールドカップ予選では隣国オーストラリアを退けアジア・オセアニア地区最終予選に進出。プレーオフで中国を破り見事ワールドカップ出場を決めて以来常に後塵を拝していた Socceroos の胸を借りて合宿地の欧州そして現地南アフリカ入りをする事になっていた All Whites だがここでは試合結果以上にチームに暗雲を漂わせるアクシデントが起こった。
世界ランクでは20位( Australia ) と 78位 ( New Zealand ) , Rugby Union, Rugby League , Net Ball では常に激戦を演じる両国だが football はこの様に差が出ている。 掛け率でも Australia $1.33, New Zealand $8.50 。
それでもこの巨大オーバルには 55,655人の観衆が集まった。(前の週の金曜日の AFL の試合で Collingwood vs Geelong の試合は 88,000 人が集まったらしいが。)

この試合 Verbeek 監督はGK Schwarzer と Chipperfield そして Kewell を外して試合に臨んだ。 余裕を見せる?Socceroos であったが先制ゴールは All Whites . Chris Killen のミドルが Australia ゴールに突き刺さり Kiwi サポーター達を狂喜乱舞させた。



さらにその直後の Simon Elliot からのクロスに合わせた Shane Smeltz のショットはポストを叩いた。そして前半は 1-0 で終え、1998年以来オーストラリアがホームで All Whites に敗れるかもしれないとまで思わされた試合内容だった。Herbert 監督も
“ハーフタイムでは 2-0 か 3-0 で勝てるかもしれない。”と思ったそうだ。

All Whites ペースで始まった試合は先制ゴール後激しさが増し、親善試合らしからぬ荒れ模様となった時間帯があった。27分、 Bertos が Grella に蹴飛ばされピッチの外に運び出される。アメリカ人のRicardo Salazar 主審はイエローカードを出す。
そして Bertos がピッチに戻った直後、今度は Cahill が Bertos を蹴飛ばし、Bertos はそのまま立ち上がれず交替で控室に下がった。 このプレーにも当然イエローが出されたが、 All Whites の選手達は“レッドを出せ。”とばかりに Salazar 主審を取り囲む。Herbert 監督は “私はこの2つのタックルに大変失望している。普通ならイエローカードどころか我々は9人のチームを相手に試合をするところだ。”
更に Tim Brown が Grella のファールで倒れピッチを後に。そして翌日 Brown は肩を骨折した事が判明。チームの精神的重鎮は何とか手術を施し6月15日の初戦、Slovakia 戦に間に合わせるとか….. それにしても Grella は相変わらずこういうファールを繰り返すのか……



後半に入りBrett Holman ( Tim CAHILL )  Carl Valeri ( Vincenzo GRELLO ) Mile Jedianak ( Mark BRESCIANO ) ら3人の Field Player が投入され、徐々にリズムを掴みだす。そして57分波状攻撃を掛け、最後は Killen のタックルのこぼれ球を拾った Daril Vidosic が押し込み Socceroos がようやく同点に追いついた。
All Whites は後半投入された 左サイドバックのTommy Smith が入れたクロスに Rory Fallon がヘッドで狙うが GK Brad Jones がクリアー。そして試合はそのまま 1-1 で終わるかと思われたロスタイムに交替出場の Holman が決勝ゴールを決めて MCG は大歓声に包まれ翌日両チームはメルボルンを後にした。

試合翌日のオーストラリア地元紙ではこの日のラフプレーに言及。 
試合はSocceroos が後半過度な選手交替を行い勝利をものにしたが、 New Zealand の競技的な精神と組織と空中戦が何度も彼らより自信を持っていた相手を混乱させた。 ”  Herald “ 

つまらない、率直に行って見苦しく退化した前半は Verbeek 政権ご最悪の45分間。 タスマニア海峡を隔てた競技は常に瀬戸際の要素があるが、この日の Vince Grella と Tim Cahill は All Whites の Leo Bertos をピッチ上に倒したファールに就いて責任がある。 Grella は不要な両足タックルを Bertos に見舞、これはレッドカードであるべきであった。 3分後今度は Cahill が Bertos の右足にタックルを入れGrella の始めた事完遂した。“     The Australian

Socceroos は本当に前半は酷いプレーに終始し Tim Cahill と Vice Grella の2人は Kiwi MF Leo Bertos へのプレーがレッドカードとならずに本当にラッキーであった。 Courier-Mail

Australian coach condemns his players for bad tackles

このプレーには Verbeek 監督も言及。
“Vince のタックルは Timmy のそれよりも酷かった。なぜ彼ら二人がそういう事をしたのか理由が解らない。 私はすぐに2人をベンチに下げたかったが、こういうゲームなら少し注意せねばならない。 もし私が相手チームなら頭にきて何か報復をしただろうが New Zealand の選手達はそうはしなかった。彼らはプロフェッショナルで我々はプロフェッショナルでは無かった。 これは良いレッスンで、彼ら2人がした事は受け入れられない。 これは試合でやってはいけない事だ。
もしこれがワールドカップならレッドカードが2枚出ていただろう。”

New Zealand 1 (Chris Killen 16) Australia 2 (Dario Vidosic 57, Brett Holman 90+4) Melbourne Cricket Ground Crowd: 55, 659

New Zealand: 1-Mark PASTON (GK), 2-Ben SIGMUND, 3-Tony LOCHHEAD
(19-Tommy SMITH 59), 5-Ivan VICELEICH (18-Andrew BOYENS 51), 19,
6-Ryan NELSEN (captain), 7 Simon ELLIOTT, 8-Tim BROWN (15-Michael MCGLINCHEY 46), 9-Shane SMELTZ (22-Jeremy BROCKIE 67), 10-Chris KILLEN (20-Chris WOOD 67), 11-Leo BERTOS (4-Winston REID 33), 14-Rory FALLON.

Substitutes not used: 12-Glen MOSS (RGK), 13-Andy BARRON, 16-Aaron CLAPHAM, 17-David MULLIGAN, 21-Jeremy CHRISTIE, 23-James BANNATYNE (RGK). Cautions: Andy Boyens 66

Australia: 1-Adam FEDERICI (GK/18-Brad JONES 46), 2 Lucas NEILL (captain), 3-Craig MOORE, 4-Tim CAHILL (14-Brett HOLMAN 46), 5-Jason CULINA,
10-Dario VIDOSIC (22-Tom OAR 79), 13-Vincenzo GRELLO (16-Carl VALERI 46), 17- Scott MACDONALD (11-Nikita RUKAVYTSYA 71), 20-Mark MILLIGAN,
23-Mark BRESCIANO (7-Mile JEDINAK 46).

この試合後、Scot MacDonald, Jade North そして Nick Carle がメンバーから外されたと発表された。MacDonald の落選は少なからずサプライズであったが理由は“ 彼は典型的な2トップタイプのFWで1トップタイプのストライカーでは無いから。”
そして所属先の Middlsbrough でここ16試合得点がない事も理由の一つらしい。

Carle はやはりと云うべきか?来シーズンは Sydney FC 入りが報道されるが。

Socceroos は前回に続いて決勝トーナメントに進めるだろうか……
そして バーレーンとのプレーオフで活躍をしたBrown の奇跡の回復を本当に心から願った。