6月14日。カタールのドーハに乗り込んだ Socceroos は地元カタールを 3-1 で一蹴し最終予選進出を決めた。
2月に Telster Dome で開催されたカタールとのホームゲームでは 3-0 と快勝したがその時からメンバーが大幅に替わった。 メルボルンではスタメンであったDF Lukas Neil, Craig Moore, MF Tim Cahill, FW Josh Kennedy, Scot Macdonald, ら5人がこの日のスタメンからは外れ、DF には Beachamp, Jade North, MF には Carl Valeri そして FW には Bretto Holmn とエース Harry Kewell が名を連ねた。 DF,FWの要が総入れ替えと言った感じか?
一方のカタールも2月のオーストラリア戦ではプレーしなかったストライカーのSebastian Quintana をはじめ Rizik Abdulmajid, Mohamed Rajab, Mesaad Ali Amm Alhamad Yusef Ahmed M Ali の5人の選手が入れ替わったが何と言っても Quintana が最も注意せねばならない危険な選手であった。14分には最初のピンチを招く. 中央をスピードあるドリブルで突破されシュート体勢に入られたがそこは Beachamp がタックルで防ぐ。すると17分、 Bretto Holman から左に開いた Bresciano にボールが送られ完璧な Low Cross が 中の Kewell に出されるがそれを Kewell がミスキック。しかし首尾よくボールが Emerton の前にこぼれそのまま Emerton がカタールゴールにけり込んで先制点を挙げた。それは2005年 Sydney でのワールドカップ予選のウルグアイ戦で Kewell のミスキックを拾ってゴールを決めた Bresciano のゴールを彷彿させたらしい。
その後カタールは Quintana ,もう一人の南米からの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin の二人が攻撃に絡み再三ピンチを招くが守護神 Schwarzer がそこに立ちふさがる。 前半を 1-0 で終えると56分にはセンターサークル付近にまで飛んだ Schwarzer のGKを Kewell が受け、フォローに入った Holman に送るとカタールDF陣の裏に走り込んだ Emerton にピンポイントのロブを送り2点目を演出。 この日の Holman は Socceroo としては最高のパフォーマンスを見せ、間違いなく Man of the Match であった。(こういう表彰この試合であったかな?) 更に75分にも Holman は右サイドからカタールDFを外して絶妙のクロスを送ると Kewell がさすがワールドクラスと言わせるボレーシュートをカタールゴールに叩き込み3点差とした。
カタールは70分に Quintana がPA内にドリブルで侵入。そこを David Carney がマークに入り Quintana は転倒、PKをアピールするが韓国人 Lee Gi Yong 主審の判定はノーファール。これがPKと判定されていれば流れは変わったかもしれない。 カタールは89分“ようやく”PKを貰いそれを Khalfan Ibrahim が決めて1点を返したに留まった。これでオーストラリアは最終戦を待たずに3次予選突破を決めた。そしてカタールは勝点7のまま、天津で中国を破り勝点でならばれたイラクと6月22日にドバイでの直接対決に臨む事ととなった。
6月のワールドカップ予選はこれで3連戦目となるが試合を追うごとにチームの熟成度が上がっている様に見える。それは日本も同じ事で徐々にではあるが力の差が表れているのではと思わせられた。ここに Lukas Neil, Tim Cahill, Josh Kennedy さらに噂される Mark Viduka が加わればさらにパワーアップ…..とは思えない。この一連のワールドカップ予選は同じメンバーで3連戦を行う過程でのチーム力アップではなかったか?
そしてGK Schwarzer の神懸かり的なファインセーブ連発も見逃せない。
その Schwarzer はカタール戦でイエローカードを貰ってしまい次の中国戦には出場出来ない。しかしそれは少し不可解な判定。 2-0 とリードした74分、観客席から投げ込まれた多くのプラスティックバックを拾っていた行為が遅延行為とみなされたもの。確かに ゴールキックを蹴る前にそれをすると遅延行為と取られても仕方ないがプレー中にもそう言う事は出来ない……..
更に Wilkshire, Carney が警告を受け翌週の中国戦には出場出来なくなった。
既に次のステージ進出を決めたオーストラリアだが Pim Verbeek 監督は最後の中国戦をMichael Petkovic, Michael Beauchamp, Jade North, Harry Kewell, Carl Valeri そして Brett Holman.を含んだベストメンバーで臨む事を公言している。ただ GK は誰が Schwarzer の代役を務めるのだろう…….. Lukas Neil, Josh Kennedy の合流は確実視されているらしいが…..
Verbeek 監督の最大の収穫は何と言ってもエース Harry Kewell の復活だろう。カタール戦でも85分間プレーをし1ゴールを決めその存在感を示した。 Kewell のこんな元気な姿は2006年のワールドカップクロアチア戦以来ではないだろうか? 来シーズンはどこのクラブチームでプレーをするのか?代表でのコンディションも考えて A-League のチームというサプライズは………
また Socceroos には直接関係ないが見過ごせないニュースが。3月ドーハで行われたイラク戦に出場したブラジルからの帰化人選手 Marcio Emerson Passos がかつてブラジル U-20 メンバーとして1999年南米ユース選手権に出場していたので FIFA の国籍ルールに抵触しているとの疑いがあり勝点3マイナスされるというニュースが飛び込んできた。もしそうなれば最も恩恵を受けるのは現在勝点7で並んでいるイラク。6月22日のイラクとの直接対決では引き分けても……とおもったけど既に得失点差で上回っているので( イラクが得点 4 失点 5 カタールが得点 4 失点 6 ) カタールは勝たねばならない試合だ。中国は現時点で勝点3しかないのでどう転んでも2位にはなれない。 カタール協会はその疑いを試合後察知し Emerson Passos を“とりあえず”メンバーから外している。
その Marcio Emerson Passos こそ誰あろうかつて浦和レッズで活躍したあのエメルソンだ。 2004年のさいたまシティカップのインテル戦で決勝のPKを決めたエメは試合後のインタビューで “私はイタリアだろうが、ブラジルだろうがどこでもやっていく自信がある。しかし今はさいたまスタジアムに来てくれる子供達の為に頑張っている。”と殊勝な事を言って泣かせてくれたあのエメルソンである。
息子の8歳のクリスマスプレゼントがエメルソンのレプリカユニフォームだった。
でもエメルソンの国籍問題は今に始まったことではないと思うんだけどなぁ....
こんなところで記事を見るとはそれこそ“サプライズ”でもあった…………
どうも体調が優れない。6月5日夜私はウェリントンからトランジットで立ち寄ったシドニー空港にいた。今回の出張期間は短かった。行程は殆ど Brisbane Gold Coast 地区で時差も全く気にならない+1時間。更に東の時差+3時間のニュージーランドにも移動したが滞在はわずかに2泊のみ。あとは一路東京に飛んで翌朝に到着したらその日はゆっくり休んで翌日金曜日に会社に顔を出し、週末はまたゆっくりとワールドカップ予選でも楽しもう…そうそう EURO2008 も開幕するな…….と思っていた。しかし電気系統の Technical Problem との事で出発できず航空会社が準備したホテルで一晩過ごすことに。ホテルは結構豪華だったがチェックイン出来たのが午前1時過ぎ、翌朝は午前7時半にバスが迎えに来る。宿泊を楽しむどころでは無い、そのままベッドに直行。豪雨と突風の残る翌朝、迎えのバスに乗って空港に再び戻るが航空機が飛び立ったのは予定時間より更に1時間半遅れ、結局当初の予定時刻から13時間半程度の遅れ、そしてようやく家にたどり着いたのが木曜日の午後11時頃。木曜は爆睡して金曜に顔を出して週末再びゆっくり休んで…と言う目論見は崩れてしまい、その上翌週は強烈な忙しさ、翌週末は土曜日が朝5時起きの出社で慢性的な睡眠不足が続き、ようやく土曜の夜まとまった睡眠にありつけた……….
6月14日。日本がバンコックでタイを一蹴しワールドカップ最終予選に大きく前進したあと、私は天津で開催されたワールドカップ予選のグループ1の中国対イラク戦をAFCのサイトを通じてネット観戦した。前回のワールドカップ予選では最終予選にすら進出出来なかった中国代表は今回もグループ分けの不運もあり大苦戦。前節はホームに迎えたカタール戦では Sebastian Quintana の1発に沈みグループ最下位に転落。最終予選進出には残りのイラク(ホーム)オーストラリア(アウェー)に連勝する事が最低条件。自力での3次予選突破はかなわなくなっていた。
苦戦の原因は色々あるのだろうが、4試合で1得点と言う得点力不足に他ならないだろう。得点力不足と言うよりの中国の歴代FW陣の決定力不足は“伝統的”ともいえる。1987年瀋陽での五輪予選、1992年北京でのダイナスティカップ、それぞれ日本が中国を破っているが共に立ち上がりの日本は中国の猛攻に徹頭徹尾押し込まれていたというよりも練習のハーフマッチの様に日本のコートで試合が進められていた。そして何度も決定機を外してくれたおかげで日本はともに完封勝ちを収めた。 今予選会も4試合を終えた時点でアウェーのイラク戦で Charton Athletic でプレーする鄭智が同点ゴールを決めたその1得点のみ。3月26日の昆明でのオーストラリア戦は終了直前にPKを貰いながらブンデスリーが Energen Cottbus 所属の途中出場選手、邵佳一がSchwarzer に止められて勝試合を引き分けてしまっている。
中国選手の個々の実力は低くは無いとおもうのだが……...
中国は完封負けを喫した前節のカタール戦から韓鵬、杜震宇を入れるなどスタメンを6人入れ替え攻撃力をアップして来た。そしてこの試合最初の決定機は中国だった。右サイドからイラクゴール前に送られたクロスに走り込んだ韓鵬がつま先でボールを浮かせたボールはイラク GK Noor S. Hassan と DF Bassem Gatea を破って正にイラクゴールに吸い込まれ様としたその時に 必死に戻ったMF Hawar Taher がヘッドでクリアー。絶好のチャンスを逸した。それでも先制したのは中国。 32分にイラク選手のバックパスをGKが拾い上げたとの事でPA内絶好の位置で間接FKを得てその鄭智が蹴ったFKは一旦壁に当たったがこぼれ球をそのまま周海浜が放ったショットがイラク選手に当たりコースが変わってボールはイラクゴールに吸い込まれ先制点を得た。中国の得点は4試合ぶり。
しかしそれまでチャンスらしいチャンスを造れ無かったイラクが同点に追い付く。41分、Sader Salih の右からのクロスに張耀坤の裏に走り込んだ Emad Ridha がそのまま頭で押し込み同点とした。 Ridha はこれでオーストラリア戦に続いて連続得点。後半に入っても主導権を握っていたのは中国。しかし最終戦を“ホーム”で迎えるイラクに対し、アウェーでオーストラリアと戦わねばならない中国は勝点3が必要だった。どうしても前がかりになってしまう。孫祥、曹阳の両サイドバックがよく上がって来る。だが、その裏を突かれた。
65分、カウンター攻撃からまたも Sader Salih に右サイドを破れられクロスを入れられるとそこには Nashat Akram が。Akram はDFラインに戻った-孙祥、-徐云龙そして張耀坤の動きをよく見てその間を狙って放ったショットが GK宋振瑜を破りゴールネットに突き刺さる。ここ天津にも訪れた多くのイラク人サポーター達が(まさか在留ではないやろなぁ….)大歓声を上げる。
中国に残された時間は25分。しかしラインを引き出したイラクに果敢に攻めに行く。 右からのクロスをゴール前で待ち構える朱挺が頭で折り返し韓鵬が再びヘッドで狙う。今度こそゴールと思われたがイラクDF Ali Hassein Rhema がヘッドでクリアー。 さらにその後の右からのクロスに合わせた韓鵬のヘッドは今度はGK Noor S Hassann がパンチングでクリアー。韓鵬はこの日何度の決定機を止められたのだろう…… 残り時間あと15分程度になった時、なぜか画面は止まってしまいしばらくして再開された時は何と女子バレーボールのフランス対ロシアの試合前の様子がずっと映し出されてた……..金返せよ……..
結局試合はそのまま 1-2 でホームの中国が敗れ、最終予選を前に敗退が決まってしまった。 オーストラリア戦に続いて連勝を飾ったイラクの Adnan Hamad 監督は”この勝利で我々はまだワールドカップ出場戦線に残る事が出来た。中国は強いチームだったが何故彼らが勝てなかったはコメントできない。“…と言い残し翌週大一番となるカタール戦に向けて”ホーム“のドバイに戻った。
Vladimir Petrovic 中国代表監督は試合後“幸運はスポーツにおいて究極の部分だ。この日の幸運は我々を避けて続けていた。我々には2回の決定機があったが共にゴールライン上でクリアーされてしまった。イラクは効率の良さを見せたった2回の決定機を得点に結びつけた……..中国選手達はよくやったと思う。ピッチ上では良い動きを見せてくれたし数人の若い選手達は新しい活力をチームにそそいだ。… “ と言った内容のコメントを残した。
しかし著名な元中国代表選手范志毅は自身のブログでこの日の監督采配を批判した。まず先制してからラインをすぐに引いてしまい、前半を 1-0 で逃げ切ろうとした事が返って同点ゴールを導いてしまった戦術。そして五輪世代は北京五輪の為に温存するのでは無くもっと使うべき。地元開催とは言え五輪代表をフル代表より優先させるのが理解できない。と予選会に臨む体制を批判。そして61分、まだ 1-1のまま左サイドの杜震宇が下がって刘健が投入されたが何故左サイドを効果的に突破していた杜震宇をさげたのか?これでサイド攻撃は右からにしか選択肢が無くなってしまっい、いよいよ攻撃は鄭智のゲームメークのみに頼る事となったがこの日の鄭智は調子がいまひとつ。そして曲波を最後まで使わなかったことに、この大事な試合でこう言う采配をした Petrovic 監督に怒りの矛先を向けている。
アテネ五輪ではセルビア=モンテネグロを率い、2005年には上海実徳を指揮し中国には“慣れて”いたはずなのだが…… 高い金を払って外国人監督を雇う必要があるのか…..とも述べている。 前節でも試合後Jorge Fossati 監督が “中国は選手を交代させてもシステムは変わらない..”と述べているがそれが敗退の理由の一つともいえるだろう。
またこの試合、ベンチにいながら退場処分を受けたベテランDF孫継海の出場停止も痛かっただろう。そして東アジア選手権で”有名に“なったあのDF 李玮峰も累積警告でいなかった。Manchester United と契約している董方卓がこの3次予選1度も招集されていないけど怪我でもしていたのかな??イラクの2得点をお膳立てしたのが前節のオーストラリア戦では途中出場だったがこの試合はスタメンに起用された MF Salih Sader Salih のクロス。選手起用の明暗が現れた。
ネットの書き込みも壮絶だ。協会、選手達を批判する球迷達。
すぐに死んでしまって。私達あなたのを寛大に許すことができ(ありえ)ます
今11人の女の人を探して性転換手術をするようにしましょう。(多分女子代表に性転換をさせて次のワールドカップ予選に臨めという事か??)
サッカーファン達、あなた達は早くあきらめて。サッカーを見ないで。そうすれば中国のサッカーはやっと死にます!!!古い体制は死んで、中国のサッカーはやっと生き返ります。
と言った書き込みもあれば范志毅を次の代表監督にという書き込みも。
“下課(授業は終わりだ)”というプラカードを持つスタンドの球迷もいた。
今球迷達の望みは再びボラ=ミルティノビッチに指揮を振るって貰い6年後を目指す事か?? 昨年アジアカップの中国戦を観戦していたミルティノビッチ氏は中国人サポーター達から熱狂的な声援を受けていたから……..
この試合を中国でテレビ観戦していた中国の友人が言っていた。 “選手達からやる気が感じられない。彼らは給料を貰い過ぎだ。代表選手の殆どはJリーガーよりも年棒はいいはず。”これには驚いた。
“中国超級はそんなに人気が回復したのか??” の問いに“観客席はがらがら。でもスポンサーがすごく金を出して国家代表選手には年棒をはずむ。そうでない選手との隔たりはものすごい。”
高給が悪いとは思わないけど、やはり基準というものがな……..
しかし他人事では無い。最終予選が終わって日本列島が戦犯探しに躍起となっていない事を願うよ…..
6月14日。日本がバンコックでタイを一蹴しワールドカップ最終予選に大きく前進したあと、私は天津で開催されたワールドカップ予選のグループ1の中国対イラク戦をAFCのサイトを通じてネット観戦した。前回のワールドカップ予選では最終予選にすら進出出来なかった中国代表は今回もグループ分けの不運もあり大苦戦。前節はホームに迎えたカタール戦では Sebastian Quintana の1発に沈みグループ最下位に転落。最終予選進出には残りのイラク(ホーム)オーストラリア(アウェー)に連勝する事が最低条件。自力での3次予選突破はかなわなくなっていた。
苦戦の原因は色々あるのだろうが、4試合で1得点と言う得点力不足に他ならないだろう。得点力不足と言うよりの中国の歴代FW陣の決定力不足は“伝統的”ともいえる。1987年瀋陽での五輪予選、1992年北京でのダイナスティカップ、それぞれ日本が中国を破っているが共に立ち上がりの日本は中国の猛攻に徹頭徹尾押し込まれていたというよりも練習のハーフマッチの様に日本のコートで試合が進められていた。そして何度も決定機を外してくれたおかげで日本はともに完封勝ちを収めた。 今予選会も4試合を終えた時点でアウェーのイラク戦で Charton Athletic でプレーする鄭智が同点ゴールを決めたその1得点のみ。3月26日の昆明でのオーストラリア戦は終了直前にPKを貰いながらブンデスリーが Energen Cottbus 所属の途中出場選手、邵佳一がSchwarzer に止められて勝試合を引き分けてしまっている。
中国選手の個々の実力は低くは無いとおもうのだが……...
中国は完封負けを喫した前節のカタール戦から韓鵬、杜震宇を入れるなどスタメンを6人入れ替え攻撃力をアップして来た。そしてこの試合最初の決定機は中国だった。右サイドからイラクゴール前に送られたクロスに走り込んだ韓鵬がつま先でボールを浮かせたボールはイラク GK Noor S. Hassan と DF Bassem Gatea を破って正にイラクゴールに吸い込まれ様としたその時に 必死に戻ったMF Hawar Taher がヘッドでクリアー。絶好のチャンスを逸した。それでも先制したのは中国。 32分にイラク選手のバックパスをGKが拾い上げたとの事でPA内絶好の位置で間接FKを得てその鄭智が蹴ったFKは一旦壁に当たったがこぼれ球をそのまま周海浜が放ったショットがイラク選手に当たりコースが変わってボールはイラクゴールに吸い込まれ先制点を得た。中国の得点は4試合ぶり。
しかしそれまでチャンスらしいチャンスを造れ無かったイラクが同点に追い付く。41分、Sader Salih の右からのクロスに張耀坤の裏に走り込んだ Emad Ridha がそのまま頭で押し込み同点とした。 Ridha はこれでオーストラリア戦に続いて連続得点。後半に入っても主導権を握っていたのは中国。しかし最終戦を“ホーム”で迎えるイラクに対し、アウェーでオーストラリアと戦わねばならない中国は勝点3が必要だった。どうしても前がかりになってしまう。孫祥、曹阳の両サイドバックがよく上がって来る。だが、その裏を突かれた。
65分、カウンター攻撃からまたも Sader Salih に右サイドを破れられクロスを入れられるとそこには Nashat Akram が。Akram はDFラインに戻った-孙祥、-徐云龙そして張耀坤の動きをよく見てその間を狙って放ったショットが GK宋振瑜を破りゴールネットに突き刺さる。ここ天津にも訪れた多くのイラク人サポーター達が(まさか在留ではないやろなぁ….)大歓声を上げる。
中国に残された時間は25分。しかしラインを引き出したイラクに果敢に攻めに行く。 右からのクロスをゴール前で待ち構える朱挺が頭で折り返し韓鵬が再びヘッドで狙う。今度こそゴールと思われたがイラクDF Ali Hassein Rhema がヘッドでクリアー。 さらにその後の右からのクロスに合わせた韓鵬のヘッドは今度はGK Noor S Hassann がパンチングでクリアー。韓鵬はこの日何度の決定機を止められたのだろう…… 残り時間あと15分程度になった時、なぜか画面は止まってしまいしばらくして再開された時は何と女子バレーボールのフランス対ロシアの試合前の様子がずっと映し出されてた……..金返せよ……..
結局試合はそのまま 1-2 でホームの中国が敗れ、最終予選を前に敗退が決まってしまった。 オーストラリア戦に続いて連勝を飾ったイラクの Adnan Hamad 監督は”この勝利で我々はまだワールドカップ出場戦線に残る事が出来た。中国は強いチームだったが何故彼らが勝てなかったはコメントできない。“…と言い残し翌週大一番となるカタール戦に向けて”ホーム“のドバイに戻った。
Vladimir Petrovic 中国代表監督は試合後“幸運はスポーツにおいて究極の部分だ。この日の幸運は我々を避けて続けていた。我々には2回の決定機があったが共にゴールライン上でクリアーされてしまった。イラクは効率の良さを見せたった2回の決定機を得点に結びつけた……..中国選手達はよくやったと思う。ピッチ上では良い動きを見せてくれたし数人の若い選手達は新しい活力をチームにそそいだ。… “ と言った内容のコメントを残した。
しかし著名な元中国代表選手范志毅は自身のブログでこの日の監督采配を批判した。まず先制してからラインをすぐに引いてしまい、前半を 1-0 で逃げ切ろうとした事が返って同点ゴールを導いてしまった戦術。そして五輪世代は北京五輪の為に温存するのでは無くもっと使うべき。地元開催とは言え五輪代表をフル代表より優先させるのが理解できない。と予選会に臨む体制を批判。そして61分、まだ 1-1のまま左サイドの杜震宇が下がって刘健が投入されたが何故左サイドを効果的に突破していた杜震宇をさげたのか?これでサイド攻撃は右からにしか選択肢が無くなってしまっい、いよいよ攻撃は鄭智のゲームメークのみに頼る事となったがこの日の鄭智は調子がいまひとつ。そして曲波を最後まで使わなかったことに、この大事な試合でこう言う采配をした Petrovic 監督に怒りの矛先を向けている。
アテネ五輪ではセルビア=モンテネグロを率い、2005年には上海実徳を指揮し中国には“慣れて”いたはずなのだが…… 高い金を払って外国人監督を雇う必要があるのか…..とも述べている。 前節でも試合後Jorge Fossati 監督が “中国は選手を交代させてもシステムは変わらない..”と述べているがそれが敗退の理由の一つともいえるだろう。
またこの試合、ベンチにいながら退場処分を受けたベテランDF孫継海の出場停止も痛かっただろう。そして東アジア選手権で”有名に“なったあのDF 李玮峰も累積警告でいなかった。Manchester United と契約している董方卓がこの3次予選1度も招集されていないけど怪我でもしていたのかな??イラクの2得点をお膳立てしたのが前節のオーストラリア戦では途中出場だったがこの試合はスタメンに起用された MF Salih Sader Salih のクロス。選手起用の明暗が現れた。
ネットの書き込みも壮絶だ。協会、選手達を批判する球迷達。
すぐに死んでしまって。私達あなたのを寛大に許すことができ(ありえ)ます
今11人の女の人を探して性転換手術をするようにしましょう。(多分女子代表に性転換をさせて次のワールドカップ予選に臨めという事か??)
サッカーファン達、あなた達は早くあきらめて。サッカーを見ないで。そうすれば中国のサッカーはやっと死にます!!!古い体制は死んで、中国のサッカーはやっと生き返ります。
と言った書き込みもあれば范志毅を次の代表監督にという書き込みも。
“下課(授業は終わりだ)”というプラカードを持つスタンドの球迷もいた。
今球迷達の望みは再びボラ=ミルティノビッチに指揮を振るって貰い6年後を目指す事か?? 昨年アジアカップの中国戦を観戦していたミルティノビッチ氏は中国人サポーター達から熱狂的な声援を受けていたから……..
この試合を中国でテレビ観戦していた中国の友人が言っていた。 “選手達からやる気が感じられない。彼らは給料を貰い過ぎだ。代表選手の殆どはJリーガーよりも年棒はいいはず。”これには驚いた。
“中国超級はそんなに人気が回復したのか??” の問いに“観客席はがらがら。でもスポンサーがすごく金を出して国家代表選手には年棒をはずむ。そうでない選手との隔たりはものすごい。”
高給が悪いとは思わないけど、やはり基準というものがな……..
しかし他人事では無い。最終予選が終わって日本列島が戦犯探しに躍起となっていない事を願うよ…..