Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

高温多湿のシンガポール

2008-04-18 | Football Asia
商用でシンガポールに来ています。
それにしても4月の東南アジアは地獄の様な暑さと湿度だ。まぁ赤道がすぐ近くにあるので暑さは当り前なのだろうが。今でも忘れられないのが1984年のロス五輪予選。丁度今頃このシンガポールで開催された。テレビを通じてでも日本選手がこの暑さに参っているのが解った。対戦相手は初戦がタイ、続いてマレーシアとシンガポールを“ホーム”と出来る国が相手。続いてカタール、イラクと結局4連敗してしまうのだが、その要因の一つが4月にここを初めて訪れた時に解った…….

一時は通貨危機で経済が大きく落ち込んだシンガポールだが今は好景気に沸いている。自動車の量が増え、この狭い国土でその増加を抑制する為に自家用車への課税率を上げても“効果”は無く、政府は朝夕の混雑時の渋滞緩和の為に今度はタクシー料金に時間帯を決めて35%の sur charge を課す事に。ガソリン料金もSG$2.00 / L を下らない。これはリッター当たり 150円以上で与野党がガソリン代金で人気取りをしているこが滑稽に思える。それでも特に夕方午後5時からの渋滞は酷くなっている…….

アルビレックス新潟が参戦している事で話題になる事もあるが、ここシンガポールには S League と名をうった国内リーグがある。 今シーズンは4月14日日程終了時で Home United が勝点25でトップそれを追ってSingapore Armed Forces FC, Super REDS が勝点24で追い、そこから勝点10の差があって4位に Tampines が続きアルビレックスは9試合で勝点8順位も12チーム中10位と出遅れている。 Super REDS は昨シーズンから S-League に参戦した韓国人選手で構成されたチーム。昨シーズンは勝点18しか上げられず最下位に終わったが今年は少し違い、既に昨年の総勝点を上回っている。
観光ガイドブックには必ず紹介されているOrchard Road からタクシーで渋滞に巻き込まれながら約30分、Gombak United のホームグランドに到着する。ここに来るのは3年振り。あの時はアルビレックスの試合だった。この日の相手は Wellington Woodland 。8試合を消化して勝点9で Gombak と並んでいるが順位は得失点差で Woodland が9位、 Gombak は8位となっている。共に順位を一つずつ上げる為にも負けたくない試合。 Gombak は昨シーズン4位であったが3位の Tampines とは勝点差が 29も開いた48しか上げられなかった。と言うよりも昨シーズンは上位3チーム Singapore Armned Forces ( 勝点79 ) Home United ( 78 ) Tampines ( 77 ) と完全に上位3強の優勝争いであった。

この日は試合開始前から霧雨が降っていて開始時にはそれがすこし大粒になっていた。試合は開始からホームの Gombak United が圧倒的に試合を支配する。ナイジェリア人の2トップの Kingsley Nijoku と Gabriel Obatola の二人が強い。そしてサイドバック、右の Faizal Hamid 左のJeremy Chiang の二人が良く上がって来てチャンスを作る。特に Hamid はドリブルがうまい。そしてボランチの Ridhwan Jamaludin, 2列目右のRuhaizad Ismail もボールがよくキープできる。 Woodland はこの攻撃を何とかCBのAzmi Mahamud とルーマニア人DF Lucian Droncaの二人で凌いでいると言った感じだ。 Dronca は2000-01シーズンからマルタの Birkircara でプレーをし2002-03 のシーズンはチームの最優秀選手に選ばれた。 Gombak はCKを得ると CB の長身187cm のPrecious Emuejeraye がゴール前にあって来る。そしてそのCKを Emuejeraye が頭で折り返した所を Obatola が頭で押し込むがこれはオフサイドの判定。Precious Emuejeraye はシンガポール代表歴もあり昨年アジアカップ前にオーストラリア代表がシンガポール入りし、調整試合を行ったっ時に出場を果たしている。そして今年のワールドカップ予選、サウジアラビア戦、レバノン戦と出場をしている。 
28分には 右サイドのタッチライン沿い、Ismail のスルーパスがオーバーラップした Hamid に渡りクロスが入るがこれはゴールラインを割ってしまう。30分にはCKのチャンスから最後は Jamaludin がシュートを放つがDFに当たってゴールには至らなかった。 42分には Nijoku のシュートがサイドネットを直撃し、その直後に Ismail が右から入れたクロスをNijoku がヘッドで狙うがこれは大きくゴールを外れた。押されっぱなしの Woodland は30分、右サイドを Sazali Salleh がBah Mamadou をかわして日本人MF中村彰宏に送る。中村は絶妙のクロスを入れるがFadzuhasny Juraimi のヘッドは力なくGK正面に。ロスタイムに入ってIsmadi Mukhtar の突破から2度 Gombak ゴール前に迫るが得点には至らなかった。
この試合の一つの目当ては中村彰宏。東海大学卒業後はサラリーマンになったがその後シンガポールに渡りSリーグの選考にパスし以降現在まで Sリーグでプレーし続けている。一時はアルビレックスシンガポールにも在籍した。しかし前半は守勢に回り中村にあまりボールが渡らなかった様だ…….

ハーフタイムに入って“夕食”を摂る。入口のすぐ近くで売っていたナシゴレン(日本でいう炒飯)と揚げ餃子などのおかずがついてSG$6.00 ( 約450円)の弁当を開く。これがなかなか美味いのだ。試合の開始からリズミカルな打楽器の演奏で両チームのサポーター達が熱心に応援を続けている。ホームの Gombak の方は12名のチアーガールがそのリズムに合わせてのべつ幕なし踊り続けていた。チアーガールと言っても年齢は小学校低学年から上はおそらく高校生にもなっていないのではないかな??彼女達が陣取る場所はスタンドの真ん中で観戦するには一番良い場所なんだけど…..恐らく雨が降らねばスタンドの端の方に陣取った事だろう。前半の終わり頃から雨脚は止まっていた。しかし後半もそこで応援するのだろう。チアーガールを使って応援するやり方を私は悪いとは思えない。リーグを盛り上げようと必死になっているのだろう。Jリーグ発足前のJSL時代、日産自動車、全日空、古河電工、本田技研そして住友金属なんかがチアーガールを起用した応援をしていた。古河は当時存在したアイスホッケーの試合でも起用されたチアーガール達だったと思う。本田、住友は社内の女性社員だったのかもしれないが全日空、日産は専門のチームと契約していたらしい。一度テレビで特集されたのを看た。日本リーグをそしてサッカーを何とか“メジャーにしよう”と言う思いは伝わって来た。今はそう言う必要は無いけど……. 

 

後半は開始早々に中村が倒されて起き上がれない。そして外に運び出されてしまった。 Woodland は中村のスルーパスと Mukhtar の突破だけが頼りなので中村が下がってしまうといよいよゴールが遠くなる。中村は数分して何とかピッチに戻って来た。試合は相変わらずホームの Gombak が支配を続ける。FW のObatola が今度は自らが起点となってチャンスを作る。48分には左サイドを上がり Nijoku に送り、後ろから上がって来た Fazuri Jaffar にスルーが通るが Jaffar のシュートはクロスバーを越える。50分には Obatalo のスルーパスがまたも Jaffar に通り、 Jaffar が上げたクロスを攻撃参加した CBの Lucian Duronca がヘッドで合わせるがこれもバーを越えた。52分今度は Nijoku が中央を強引に突破しシュートを放つがこれもクロスバーを越える。 Gombak のFWはスルーパスも突破も出来るがやはりFWはシュートを撃たねば……. 劣勢続く Woodland は 52分に FWのFadzuhasny Juraimi をAzlan Alipah に替える。しかし Woodland はFWにまでボールが繋がらない。54分 Obatola のスルーパスがまた Fazuri に通り Fazruri がそのまま右から中へ切れ込む。シュートレンジに達したが中に戻した所を Woodland のDFがコーナーへ逃げる。そのCKからのこぼれ球を Fazuri が撃つがGKの正面。 62分には右サイドを崩して Obatola が今度はシュートを撃つが GK Yazid Yasin がパンチングで防ぐ。そのこぼれ球を拾って繋ぎ Nijoku の放ったシュートはゴールネットを揺らすがオフサイドの判定。この試合2度目のオフサイドゴールとなったが今度は納得のいかない Nijoku が主審に詰め寄る。 攻めても得点の入らない Gombak, 防戦一方の Woodland 。この高温多湿を考えればそろそろ選手交代が必要になる時間帯。次に交替カードを切ったのは Gombak ベンチ。後半はあまり攻撃に絡まなくなったMFのIsmail を下げてEmmanuel Emuejeraye を68分に投入する。 Emuejeraye は左サイドバックに入り、Chiang は右サイドバックに移り、右サイドの Hamid が中盤に上がって来た。すると71分 Woodland が右サイドバックの Anaz Hadee を下げて3バックにし 韓国人FWのパクテウォンを投入する。そのせいか Gomabk ベンチは74分に右サイドに移した Chiang を下げてSevki Sha'ban を投入し左サイドバックに置き 中盤に上げたはずのHamid を右サイドバックに下げて4バックに戻した。そしてCBの Emuejeraye がセットプレー以外でも上がって来て1点を狙う。 79分にはクロスに飛び込むもここはキーパーチャージを取られた。82分に Woodland はMF Fadzuhasny Juraimi を下げて Azlan Alipah を入れるがフォーメーションには特に変更は無い様だ。最前線にパクが入ったので3トップ気味にはなっているが。 Gombakは84分、左サイドから起点になっていた Fazuriを下げて Jalal を入れる。 Jalal は Fazuriよりも中の位置に入る。圧倒的に攻める Gombak しかし最後に唯一の得点が入ったのは Woodland だった。88分カウンターから最後は中村からスルーパスが前線のパクテウォンの通る。Gombak のDFは Bah Mamadou しか残っていない。そして右には Woodland 選手があがり完全に 2対1の形になったがそのままパクがドリブルで持ち込んで放ったシュートは Gombak ネットを揺らした。 朴のドリブルシュートも見事だったが定規で測ったような中村のスルーパスも見事だった。
Gombak のチアーガール達は呆然とWoodland の選手達が喜ぶのを見ている。 Woodland サポーター達の歓声が響く。試合内容では圧倒的に押されていた Woodland だったが得点を挙げたのは劣勢だった Woodland だった。ロスタイムを含めてまだ残り時間は5分あったが気落ちしたか Gombak に挽回する力は残っていなかった。



試合終了後ベンチ前で喜ぶ Woodland の選手達。雨がまた少し降って来た……….. やはりスポーツは生で観戦するのが一番だ。そしてスポーツはどこにでも存在する。 UEFA Champions League も東南アジアのサッカーも同じサッカー。そしてそこには日本人選手もいる。

翌日から高温多湿のシンガポールでまた仕事に精を出した……………??


無念の敗退 五輪出場ならず、でも俺はそこで観たかった…….

2008-04-18 | Weblog
マイナースポーツなんて誰が創った言葉なのだろう?? 
やっている本人や関係者達はマイナーもメジャーもへったくれもないのだ。皆全身全霊、力のある限り自分の取り組んでいる競技に打ち込んでいるのだ。
私は兼ねてから日本ほど先進国の中でスポーツ後進国は無いと思って来た。それは五輪のメダル獲得数や世界選手権やアジア大会での結果を比較しているのではない。その価値観の低さである。恐らく人気のある芸能人やアイドルタレント、お笑い芸人の方が世間一般で上に看られているのではないだろうか? 
大学時代の事だ。当時日本マラソン界は瀬古利彦選手と中山竹通選手の二人が日本のみならず世界のマラソンを牽引する選手で陸上競技の現役選手であった私はいつの日か彼らみたいになりたいと(その時は)本気で練習に没頭していた。(結果はさっぱり届かなかったけど。) 
東京国際マラソンの表彰式の模様が述べられた記事を専門誌に見つけた。当時の司会は後に癌で亡くなった逸見正孝さん。そして記念品のプレゼンターは当時全盛期だったおニャン子クラブの中でも一際人気の高かった国生さゆり。彼女も結構陸上競技をやっていた時期があったのはその当時から知っていた。
中山選手が国生さゆりから記念品を受け取り握手を交わした様子がその記事に載っていたけど、私はそれを複雑な気持ちで読んだのを覚えている。

“中山くらいにならないと国生さゆりと握手出来ないのか………” それだけ世間では国生さゆりの地位が高いのか、陸上選手を誰も知らないのか…….

4月13日午後2時5分。私が子供の時から変わっていない御馴染のNHKのスポーツ中継のテーマ曲が流れて来る。 1985年10月26日、サッカーのワールドカップ予選の中継がこの曲と共に始まった時 “あぁ、サッカーの日本代表の為にこの曲が流れた。”と思い、そして今 “男子ホッケーの為にこの曲が流れている。”と思った。この日の関東地方は曇り時々雨、試合のあった岐阜のグリーンスタジアムの天気はどうだったのだろう。スタンドはほぼ満員だ。全国から熱心にホッケーを愛する人たちが多くやって来たのだろう。この競技場も立派だが、マレーシアの Bukit Jalil 競技場の様にもっと観客の入る競技場であればこの試合を完全に“ホームゲーム”に出来ただろうに….と思うのは私だけか?? それでも試合開始前からここに集った人達は精一杯の声援を “さむらいJAPAN” に送る。
赤堀主将がホッケー人生を賭けてこの試合に臨むと試合前に話していた事がテレビを通じて紹介される。私も 
 “マイナー競技が何だ、オリンピックは出たもん勝ちじゃ。出場権を勝ち取って鼻をあかしてやれぃ !! “
と勝手な意味のない声援をテレビに向かって送った。そして。NHKのアナウンサーの “歴史的な日に出来るでしょうか。” と言う言葉と共に古里のセンターパスで試合が始まった。このアナウンサーなかなか言うじゃないか….. しかしフィールドの上もなかなかだ。坂本、古里が積極的にドリブルで仕掛ける。これまでドイツは5戦全勝。そして得点30、失点はなんと0だ。勝つ為には得点が必要だ。いやそれよりも失点しなければ良いのか?それにしてもドイツのレベルの高さはホッケー素人の私でも一目了然。先週のスイス、ポーランドはおろか前日のマレーシアとも格段の違いだ。まずロングパスが非常に速くて正確だ。あれだけ身体がでかいのに動きは早い上に小回りが利く。スティック捌きも違う。そしてあれほど有効だった片山や小澤のドリブルも簡単に行かせてくれない。 特に小澤にはマンマークがついていて自由にボールが出せないしもらえない。
それでも最初の絶好機は日本だった。11分に伊藤満が左サイドを上がりゴール前に入れたパスがドイツGK Ulrich Bubolz を破り坂本がフリーで飛び込むがスティックに当たったボールは浮いてしまいゴール枠を外れる。少しスティックの角度が違ったらそれこそ歴史的なシュートになっていたかもしれなかっただけに本当に惜しいチャンスだった。
その後は目を醒ましたのか、本気モードに切り替えたのかドイツの怒涛の攻撃が始まる。13分にFlorian Keller がワンハンドドリブルで持ち込みサークル内に打ち込めば15分にはFHから Niklas Meinert が打ち込みそこに Oliver Korn が飛び込むが必死の防戦で得点を許さない。 だが16分に Matthias Witthaus がセンターライン付近でパスカットをするとワンハンドドリブルで一気にサークル内に入って来てそのままリバースショットを左から右に放つ。これを走り込んだ Keller が合わせてあっさりと先制点を許してしまった。 勝為には絶対に先制点を…と思っていただけにこの失点はショックだった。
しかし、選手達はそんな事で怯んではいなかった。19分には小野からボールを受けた小澤が右から打ち込みボールがサークルの左に出たところを坂本が拾ってドリブルで粘る。そこにフォローに穴井が入りパスを受けるが穴井は上手にドイツ選手のキックを誘いPCを得る。予選リーグのドイツ戦では1つもPCを取れなかったが大事な決勝戦で技ありのプレーが出た。このPCのチャンスに山堀が放ったドラッグフリックはGK Bubolz のファインセーブに阻まれる。昨日のマレーシア戦からPCからの山堀のシュートはGKのファインセーブに阻まれっぱなしだ。その後ドイツはスクープからカウンター攻撃に転じ最後は Tobias Hauke からパスを受けた Korn がシュートを放つがバーの上を越えてくれた。その後も波状攻撃を受けるがGK三好が最後は足でクリアーしピンチを凌ぐ。22分には穴井がゴール右上にシュートを放つがまたも Bubolz がセーブ。その際に伊藤亮が Bubolz と交錯して倒れる。35分今度は片山がドリブルで持ち込みサークル内に侵入。そこから坂本がシュートを放つがおしくもゴールの右に外れる。この時点のシュート数はドイツ4に対して日本が6。これは日本の優勢かと思った32分、Zeller Christopher がドリブルで持ち込みサークル内に侵入したところを穴井が倒してPCを献上する。ここは穴井が行かなかったら Zeller にシュートを許していただろう。だがこのピンチは Zeller のシュートを坂本が跳ね返して凌ぐ。そして日本は攻勢に出る。右サイドを坂本が突破しサークル内に打ち込んだ所を片山が合わせに行くがここは防がれる。終了直後にはFHから片山が撃つがコーナーへ。坪内のFHからまたも片山がサークル内で粘るがここもクリアーされ、前半を 0-1 で終えた。シュート数ではドイツの5に対し日本は7で数では上回った。後はそのシュートをゴールに入れるだけなのだが…….. 

 

ドイツのセンターパスで後半が始まる。次に先に1点を取らないと….. と思った開始4分、PCを与えてしまい、Zeller に決められ追加点を奪われる。この追加点は痛いと思った。さらに47分にもPCを献上。今度もZeller が一旦他の選手にパスを出して坂本の動きを外して壁パスの様に戻って来たところを撃たれて3点目を喫する。残り時間は20分以上あるとはいえ、この時点で北京への路は閉ざされたのかも知れなかった。あぁ前半の最初のチャンスが入っていれば.......
日本は前半に比べると明らかに運動量が落ちた。それに気が付いたのかドイツはロングパスを多用しだし日本をさらに揺さぶる。前半は日本に攻めさせてスタミナ切れを狙ったのか……. そんな中気を吐いたのがGK三好。66分には Witthaus のシュートをファインセーブで防ぐ。しかし時間は過ぎる。日本はシュートサークル内に入れ無い。よしんば侵入してもドイツはゴール前に多くを配置しシュートを撃たせない。 それでも日本はドイツがカウンターに転ずれば必死に戻る。 
残り時間が10分を切ったあたりから私は涙が止まらなくなってきた。 ここにいる選手達だけではない、北京五輪出場を目指して来た関係者達、かれらの心中を察すると涙が止まらない。ホッケーだけじゃなく一度でもスポーツに取り組んだことのある人ならわかるはずだ。“マイナースポーツ”と言われてどんなに悔しい思いをしただろう。 アジア大会で中国がパキスタンに勝ってしまった時、欧州選手権でドイツがまさかの4位に終わった時、なんと不運が降りかかるのだろう…. と思った事だろう……. 68分にPCのピンチから今度は Draghun Sebastine に決められ予選リーグを同じ 0-4 のスコアーとなってしまった。
しかしまだ試合は終わっていない。最後に一矢報いてほしいと思った。1点を取って欲しかった。ホッケーをしている少年達に、これから目指すであろう子供達に意地の1発を….. と思った。そして終了直前にPCを得る。大歓声が起こる。
さぁ見せてやれ、 世界1位に日本の力を見せてやれ…………..

残念ながらこの決勝戦もドイツから得点を挙げる事が出来なかった。 ドイツの選手達は憎らしいほど勝って当たり前と言った表情。後半のシュート数は日本の2に対してドイツが9.最後に本領を少し発揮したと言ったところか…… 

 

大会期間中はグリーンスタジアムも多くの観客が詰めかけたらしい。特にマレーシア戦、決勝のドイツ戦はほぼ満員だったそうだ。遠くからここに駆けつけたホッケーファンも少なく無かったらしい。私もそこに居たかった………

夜のNHKスポーツ番組で山堀主将が “期待にこたえられなくて申し訳ありません。”と涙ながらに記者会見で語っていた様子が伝えられる。 貴方はちっとも詫びる必要はない。選手、関係者達には敬意を表する。五輪出場はならなかったが多くの人がこの大会を通じて日本選手の事、世界でもトップクラスのドイツの選手を知る事が出来た。私もその一人だ。 

ホッケーの試合のテレビ中継なんて五輪予選くらいしか無いのかもしれないがこの大会を中継したNHKにも敬意を表したい。そして民放は相変わらずくだらない春の特別番組ばかり垂れ流している……… あぁ日本が真のスポーツ大国になる日はいつなのだろうか……..