Mr.コンティのRising JAPAN

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シンガポール S-League 観戦記 あぁ Gombak United のサポーターになりそう……

2008-04-28 | Football Asia

Sengkang Punggol FC vs Gombak United 22nd April

いよいよ見本市も開幕し、現地の仕事もさぁこれからと言うこの日。 
S-League の日程は前日が Woodlands この日は Gombak と本当に滞在中はこの2チームに縁があったなぁ……..
見本市を終えて競技場入りした時はもう前半がほぼ終わりかけていた。スコアー1対1になっていた。 中6日の Gombak は GK Razif Yahya. DF は左からSevki Sha’ban, シンガポール代表の Presious Emuejeraye, そして Bah Mamadou. 右サイドが Jaslee Hatta 。 ボランチが Ridhwan Jamaludin とタイ人MF Theerawesin Seehawong。 MFには左が Fazli Jaffar 右が Faizal Hamid 。そして2トップはナイジェリア人コンビの Kingsley Njoku と Gabriel Obatola. DF Jeremy Chiang に替って Sevki Sha’ban が、タイ人MF Theerawesin Seehawong がRuhaizad Ismali に替ってスタメン入りした。
一方の中9日の Sengakan Punggol FC 。2トップは Haris Sumri とチリ人 FW Ivan Cesar Asenjo。2列目の右サイドは Suriyandi Naib, 左サイドは Razali Johari。ボランチはクロアチア人MFZdrakov Simic と Fridaus Salleh 。そして4バックが左から チリ人 DF Luis Eduardo Hicks 、CBはWinston Yapと、かつてはアルビレレックスにも在籍した山本ヒロユキ, Ratna Suffian 。そして右サイドバックが Nor Azli Yusoff 。前節4失点を喫した Home United 戦のスタメンから DF の Mohmod Hashim と Ratna Suffian が外れ Winston Yap と Suriyandi Naib がスタメンに入った。

前半はそのまま1対1で終えハーフタイムを迎えた。同じチームの試合を連続してみると結構そのチームの特徴を掴める。 Gombak はサイド攻撃からナイジェリア人FWの2トップにいかに繋げるか。そして相対する Sengkang だが CB の山本、Yap がしっかりと対応しえいる感じがした。そして攻撃ではボランチの Simic が前に出て来た時がチャンスだ。 Simic は背が高く当然ハイボールには強く相手の攻撃の芽をよく摘んでいた。しかし登録では Simic は 181cm 。他では187cm のEmuejeraye 以外はみな180cm未満。その辺がアジアらしいのかも知れない……..
Sengkang はこの日まで10試合で勝試合が無く最下位。1-4 で敗れた4試合目の Tampines Rovers 戦で山本がゴールを挙げて以来、無得点試合が5試合も続きこの日の得点が6試合振りの得点。しかし後で聞いたがこの得点も Gombak の Bah Mamadou のオウンゴール。 これでは勝てない。
Gombak としても前節は徹頭徹尾攻めながら最後に中村彰宏のスルーパスに抜け出た朴泰完の1発に沈んでいるだけにここは下位に低迷する相手からしっかりと白星を稼ぎたいところだった。
後半に入ると Gombak の攻勢が目立つ。55分 Theerawasin のミドルはポストの僅か右。56分 Fazil Jaffar のクロスに合わせたKingsley Njoku のヘッドは僅かにゴール右上に外れる。69分にはまたも Njoku がTheerawasin のセンタリングから強烈なミドルを放つがクロスバーを僅かに越える。75分には Theerawasin が自ら放ったシュートは GK Hafez Mawasi がファインセーブ。
Sengkang のチャンスは65分に右から MF Haris Smuri の入れたクロスをGK Razif Yahya が弾きそのこぼれ球がフリーのチリ人ストライカー Asenjo の前に転がるもこれを Asenjo が空振りしたシーンくらいであった。相手のプレッシャーがきついのかボランチの Salleh , Simic がハーフウェイラインを越える事ができず防戦が続いた。 Gombak も75分に Njoku が負傷で下がり Emmanuel Emuejeraye を投入する。それ以降 E. Emujeraye のボールキープからボランチの Seehawong, Jamaludin が上がって来て前線で数的優位を保ち続けるも Sengkang は山本を中心としたDF陣、そして Simic , Salleh のボランチ、2列目の Naib, Johari までがディフェンスに腐心し失点を防ぐ。 Gombak の Precious Emuejeraye は前の試合の失点を気にしてかあまり上がってこない。83分ごろにようやく前に出て来た。Sengkang ベンチも87分にFWを Haris Sumri に替えて Fairoz Hasan を投入するも結局3分あったロスタイムを過ぎても両チーム追加点を挙げられずそのままホイッスル。 Sengkang の今季初勝利はまたもお預けとなった。 Gombak は3日後に強豪 SAFFC との試合が控えているだけに Njoku の負傷が心配だ。
ハーフタイムにこの前の試合で撮っチアーガール達の写真を焼き増しして上げた。前の試合でこのチームのニックネーム Bulls こと雄牛のかぶり物をもっていたリーダーに渡そうと思っていたが彼はおらずもう一人のリーダーに手渡した。随分と喜んでくれた。チアガールと言っても小学校の低学年から上はせいぜい中学生くらいか?親御さんたちも一緒に観戦してみんなから御礼を言われた。日本では考えられない異文化交流だ。これが東南アジアサッカーの良さかもしれない………

  

S.A.F.F.C. vs Gombak United 25th April
試合は表示された目安のロスタイム3分のうち2分が経過していた。 S.A.F.F.C. Warriors の勝利は目前だった。 Gombak は交替出場の Njoku が中央突破をはかる。そこに新井健二、シンガポール代表 DF Daniel Benett がマークに入るが Njoku はそれより一瞬早く左から走り込んできた Jalal にボールを送る。 Jalal が渾身の力を込めた放ったシュートはゴール右上隅に決まった。 Gombak ベンチは大喜び。そしてスタンドのサポーター達は狂喜乱舞。チアーガールの娘達の悲鳴、サポーターの中には泣き出す人も。試合はなかなk再開出来ないがようやくキックオフの笛が吹かれても20秒もしないうちにタイムアップのホイッスル。Gombak サポーター達の喜びが再び爆発した。これでここ2試合の不甲斐無い試合の印象を払拭出来ただろう…….

この日は見本市の最終日。いつもより2時間早く閉館するのだが、それからの後片付けが面倒だ。しかし以外に早く終わった。それから顧客の所にまわり食事を。しかしそれも早く終わった。時計を見ると午後8時少し過ぎ。この日は試合観戦をするつもりはなかったけどどうしよう……. 少し考えた後にタクシーに飛び乗り Jalan Besar Stadium に向かった。今からなら後半は観る事が出来るだろう。 首位争いをするS.A.F.F.C. Warriors と 下位に低迷する Gombak United 。今のチーム力に差はあるけど見どころはあるだろう。シンガポール代表を揃える Warriors を Gombak の代表 DF Precious Emuejeraye らがどう対処するのか、Gombak のナイジェリア人FWと新井健二らWorriors DF 陣との対決。そして深澤、村上ら日本人選手….. 連日の試合観戦も1週間を過ぎると色々見所を自分で見つけられるものだ。

競技場に着いたのは後半開始の少し前。 AFC Cup も行われる Young Lions のホームグラウンド Jalan Besar Stadium は結構立派な競技場だ。
  
   

早く着席しないと・・・とチケット売り場を話していると後ろから、” Oh You !! Thank you photo !! “ と声をかけられた。三日前に写真を上げた娘達の中の親御さんの一人だった。 “ You, Go, Go, Go straight ….. “  あっちの席にみんないるから早く行ってくれってことか….
だが私は幸運にもチケットを買わずに中に入れた…….. 先日の試合で会えなかったリーダーと再会、“ Thank you photo !! “ とここでも言われた。他の親御さん達にも御礼を言われた。本当に観に来て良かったと思った。
”スコアーは??“ リーダーに尋ねると掲示板を指さし “ 0-1 “ と教えられた。 
後で知ったが先制ゴールは村上範和だった。 “ Soon, it will be 2-1 “ と彼には言うと、親指を立てた。 そして後半が始まった。 Gombak のFWを見ると19番の Kingsley Njoku がいない。後ろの人に ”Number 19 は??“ と尋ねると ”怪我でベンチスタート“と教えてくれた。この日の Gombak はナイジェリア人の Obatola と タイ人の Theerawesin の2トップだ。その他Young Lions でプレーした Jeremy Chiang が Jaslee Hatta に替ってスタメンに。 中2日の Gombak はそのコンディションが懸念された。 しかし Warriors も中2日。この日は前節出場しなかった新井健二がスタメン。他の日本人選手、Duric, Wilkinson, Bennett のシンガポール代表選手、元タイ代表の Therdsak Chaiman らもスタメンに名を連ねる。首位争いをする Super Reds が前日 5-0 と大勝しており首位争いに喰らい付く為にも負けられない試合だ。
開始10分を過ぎたあたりから早くも Gombak のDF Precious Emuejeraye が攻撃参加を。しかし最初のチャンスはリードしている Warriors 。58分右からのクロスを Duric が頭で左にそらし、 Mustaqim Manzur が中に折り返した所走り込んだ Therdsak がシュートに持ち込むがここは Emuejeraye がブロック。
だがこの後 Gombak の攻勢が続く。60分、 Gombak のタイ人 Theerawesin が新井、 Wilkinson を振り切って放ったシュートはCKに。そのCKからObatola が右からファーサイドを狙ったヘッドはクロスバーを越える。2トップの右に起用された Theerawesin が小気味良いドリブルで Warriors ゴールに迫る。63分には左サイドから中に切れ込んだ Jamaludin が戻した所を走り込んだ Sutohmoh が撃つがこれは GK Janatan がセーブ。 Gombak は63分ごろから4バックの右サイド Faizal Hamid を中盤に上げ相手の左サイドを抑える。すると Therdsak が右に回って来てボールを繋げる。65分には Therdsakから中の Duric に繋ぎ、後方の Wilkinson に落しそこからミドルシュートが放たれるがポストの右に外れて行った。
70分Gombak に同点ゴールが生まれる。 交代出場の Jalal からボールを受けた Obatolas がドリブルでエリア内に持ち込む。そこに新井がタックルに入り Obatolas が倒れると Pandian 主審がペナルティースポットを指す。これは Obatolas の技ありの倒れ方と言うよりも主審の見方が…… と言う判定だった。新井がタックルはしっかりとボールを捕らえており、Obatolas は新井の体に“つまずいて”倒れたのだら…….
このPKをObatola が決めて 1-1 の振り出しに。 Gomabk サポーター達は大喜び。 絶対に勝利が欲しいWarriors はここから右サイドを深澤、 Therdsak の二人で崩して Gombak ゴールに迫る。72分には深澤がDF二人をかわしてクロスをいれるが中の選手に合わない。81分には深澤、Therdsak と繋ぎ Therdsak が一人かわして入れたセンタリングから Manzur がシュートを放つが右ポストを直撃する。でもさすが Therdsak .かつての ACL MVP 選手だ。

  

Gombak は83分に Njoku が投入されるが下げられたのは同じナイジェリア人の Obatola 。前半は結構チャンスを逸したらしくこの交替は妥当なものと後ろのサポーターが教えてくれた。87分にはまたも Therdsak が右サイドをドリブルで上がり入れたクロスに Wilkinson がシュートを放つもポストの右。そして89分エリアからやや外の正面の位置から村上が右に送るとそこにはフリーの Therdsak がおりそのまま Gombak ゴールに蹴り込みWarriors が勝ち越しを決めた。意気消沈する Gombak サポーター達。向こうからはチアーガールをはじめ Warriors サポーター達の歓喜の声が聞こえて来る。 
試合が再開されすぐにロスタイム3分と表示される。Gombak イレブンの諦めずに前線にボールを出す。あぁ Woodlands 戦の様にこの試合も…. 時間は過ぎるがまだ1分程残っていた。そして Njoku が中央を爆発的なドリブルで上がった……..

試合が終わっても Gombak サポーター達の喜びは続いた。何人かのチアーガールの娘達が私を見つけて“写真をありがとう….” と握手を求める。そしてリーダーが私に ” 写真を撮ってくれ ! ! “ と言いチアーガール達を整列させる。シャッターを押し、送り先の住所を聞き、” 明後日シンガポールを発つから。本当に楽しめた。“と言うと、彼は ”アリガトゴザイマシタ。サヨナラ。“と日本語で何度も言ってくれた。そして他のサポーター達に私がシンガポールを後にする事を言ってくれたらしく、みんなから拍手をもらいながら競技場を後にすることに……
スポーツはどこにでもある。そしてそれを生活の糧にしている人達もいる。異国で再認識出来た。そしてこの日、後半だけであるが観に来て良かったと思えた…………..