Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

トリニダードトバゴ

2005-11-16 | FIFA World Cup
明日行われるPlay Off の第二戦で今回の全てのワールドカップ予選が終わる。おそらく?? 欧州では3試合、 Australia の Sydney, そして Bahrain の Manama 。その Manama には北中米地区第4位のTrinidad & Tobago が乗り込む。恐らくこの国の名前をこのワールドカップ予選で憶える人も多いだろう。  最初に私がこの国の名を知ったのは 1976年の Montreal Olympic の時だった。五輪種目で最も注目される 男子の100m に優勝タイム10秒06で金メダルを勝ち取ったのはトリニダードトバゴからのスプリンター、クロフォードと言う選手であった。彼が母国に史上初の金メダルをもたらした。しかも100mで、アメリカの選手や連覇を狙うソ連のボルゾフそしてもう一人の候補ジャマイカのクウォーリを抑えてだ。この時中継していた NHKのアナウンサーがゴール後に“トリニダードトバコ、トリニダートバゴのクロフォード1着”と叫んで、私はどちらの名前が選手の名前か判らなかった。この結果には米国陸上競技界は相当なショックだった。前回の Munchen 五輪でも同種目の優勝をソ連のボルゾフにさらわれ、2大会連続での敗戦となった。1980年の Moscow 五輪、米国はソ連軍のアフガニスタン侵攻に抗議して出場をボイコットしたが、例えアフガン侵攻が無くても米国がこの種目には勝てなかったと断言する。何故なら当時欧州ではこの種目連戦連勝だった英国の アラン=ウェルズと言う選手がおり当然の様に Moscow 五輪でも金メダルをさらった。この種目でのタイトル奪回は Carl Lewis の出現を待たねばならなかった。陸上競技の話題はこれくらいにしてサッカーでもワールドカップまであと1歩まで迫ったことがあった。1989年、翌年開催されたイタリアワールドカップの当時出場枠が2つあった北中米地区、絶対候補のメキシコが前年のFIFA U-20 に年齢詐称をした選手を起用し出場停止となっていた。地区予選ではまずコスタリカが予選を突破。もう1つの出場枠を巡りアメリカとトリニダードドバコが激しく争い、最終戦を前にトリニダートドバゴが勝点でリードし、地元 Port of Spain にアメリカとの直接対決を迎え、この試合に引分けてもイタリア行きが決まるところだった。当日のトリニダードトバゴは建国記念日、スタジアムは国旗を彩った赤色のシャツ一色に塗られ、観客の誰もが自国のワールドカップ出場を信じて疑わなかった。試合は地元トリニダードトバゴが大観衆の声援を受けてアメリカゴールに迫る。だがアメリカはセンターラインを越すことすら出来ない。文字通りトリニダードトバゴの得点は時間の問題であると誰もが思った。しかし先制点はアメリカだった。後半初めて相手陣内に入り、Budesliga でもプレーした経験のあるカリギウリのループシュートがそのままネットを揺さぶった。それでもまだ時間もあり引分でも良いトリニダートドバゴには余裕があった。しかし、先制点にアメリカも自らを勇気付け、必死の防御を。ペナルティーエリア付近を7~8人で固める。そして遂にタイムアップ、その瞬間土俵際を徳俵でこらえたアメリカの選手達がグランドの真中で折り重なって号泣して喜ぶ姿が映し出され目前の光景を受け入れられない観客は静まり返った。だが誰一人取り乱すものはおらず、非常に紳士的にスタジアムを後にした。この観客にFIFAはフェアープレー賞を公式に与えた。試合後40年ぶりにワールドカップ出場を決めたアメリカの選手は“これは歴史的な事だ。スーパーボウルやワールドシリーズなんて問題にならない”と語った。欧州、南米以外にもサッカーは存在する。12日、Port of Spain のHasely Crawford Stadium での試合は後半にSalman Issa のゴールで Bahrain に先制を許したが試合開始から主導権を握ったのはトリニダードトバゴであった。開始7分にはAurtis Whitley が27mのロングシュートを放つが GK Ali Hassan の美技が阻む。14分にはCarlos Edwards が左サイドを突破しペナルティーエリア内に侵入するも再びAli Hassan がブロック。24分にようやくペースを掴みだしたBahrain は日本戦で自殺点を献上したMohammed Salmeen からのパスを受けたAl Gharrafa がトリニダードトバゴGK Kelvin Jack が弾き出す。Bahrain は昨年のアジアカップで得点王だった Ala’a Hubail がおらず同じく得点王のHussain Ali のワントップで厳しい。40分には Australia Sydney FC と言うよりもA-League のスーパースターDwight Yorke がヘッドを放つが三度目のAli Hassan の美技を引き出すに終わった。後半に入るとAlaa Hubail が投入される。その彼がチャンスを何度も作る、68分から5分間で4回のコーナーキックを得、73分にコーナーからTalal Yousef、Sayed Mohammed Adnanと繋ぎ最後は. Salman Issa のショットが決まった。しかしその3分後 England 生まれでEngland の Port Vale に所属するChristopher Birchall がロングシュートを Bahrain ゴールに捻じ込み同点とした。その後も大歓声を背にDwight Yorke, Stern John そして Russell Latapy の攻撃陣がゴールに迫るが逆転はならなかった。同点ゴールを決めた England 生まれのChristopher Birchall はこの Playoff の直前に代表入りした。そして Dwight Yorke はかつて David Beckham らと共に Manchester United でもプレーし Champions League のタイトルも勝ち取っている。ここまで書くと“何故貴方はウズベキスタンやトリニダードトバゴといった Bahrain の相手ばかり応援するのですか?”とお叱りを受けそうだが、ここは16年前にあと1歩と迫った、そして A-League のスター Yorke のいる、そして先日 横浜FCと契約を交わした Silvio Spann そしてArnold Dwirika が中国甲Aの広州に所属しており、こちらの方が東アジアになじみのある気がするのだ。またGary Glasgow 、Kelvin Jack (Dundee), Marvin Andrews (Rangers), Russel Latapy (Falkirk) Jason Scotland (St. Johnstone) らは Scotland で中村と相対することも(所属先では殆ど使われないからそれは無いかも??)西アジアの Bahrain よりは親近感を感じるのだが。

それ行け Socceroo その2

2005-11-16 | Aussie & Kiwi
決戦を明日に控えた Socceroo 達であるが、Duke こと Mark Viduka は本当にこの試合に全ての競技人生を賭けているのではないか?2本のシュートはバーをかすめ、直接FK は Fabian Carbi の美技を引き出しただけに終わった。4年前、決定的な好機を逸したその悪夢はまだ拭いきれていないであろう。また試合直後 Hiddink 監督は“私はこの結果に満足していない。前半は我々が支配していたが決定力に欠けた。そしてあのFKの時に緩慢になり失点を喫した。Uruguay は Sydneyでは守備的に来るだろうし、彼らは守り切る術を知っている。今日の結果には複雑な心境だ。”と語った。Lucas Neil コーチは“我々は良く闘ったがゴールを決められたはずだった。だが彼らを誇りに思う”また“何点か獲るチャンスがあっただけに得点出来なかった事は残念だ”とも Hiddink 監督に追随する様に付け加えた。  この試合 Hiddink 監督は所属先の Crystal Palace で殆ど出番のなかったTony Popovic をスタメンで起用しLjubo Milicevic. をベンチにおいた。また怪我からの回復間もないHarry Kewell ,Archie Thompson もスタメン入れたが Everton 所属のTim Cahill 、Marco Bresciano らはベンチスタートとなった。 またUruguay のFossati g監督も怪我で体調万全ではない Diego Forlan を起用する賭けに出たが開始 17 分、負傷のためベンチに下がった。 
試合は開始からアウェーの Australia のが主導権を握る。最初のチャンスは Australia だ。Viduka が3人のDFをすり抜けて最後に撃ったchip shot は GK Carini を破ったが僅かに Far Post をかすめた。Thompson とViduka は相手DFを翻弄しViduka のマーク役のDiego Lopez は苦心を重ねる羽目に。12 分には ゴール前25m のところで得た FK をViduka が直接狙うもGK Carini の美技に阻まれる。 Uruguay はロングボールを多用、しかし好機はInter Milan のRecoba からのFK頼りであった。Recoba の直接FKは Australia GK Mark Schwarzer, に容易に捕まれ、その後、再び Recoba のFKからのCarlos Diogo のフリーのヘッドは再びSchwarzer の正面であった。その後ようやくUruguay も中盤を支配する様になった。そして36分、 Rodriguez がRecoba からのAustralia から見て左サイドの位置で得たFKを頭で合わせて Schwarzer を破り待望の先制点を上げた。このFK、FC Basel 所属のScott Chipperfield がボールの無いところでCarlos Diogo の肩を掴んだと言うことでFKが与えられたがその前に Diogo が Chipperfield に何か言ったらしい。正に Uruguay らしさがでた得点だ。もしUruguay がワールドカップ出場を決めるような事になればMVPは Carlos Diogo だろう。 後半になっても Australia は好機を掴みつづける。再び Viduka からのクロスの合わせたChipperfield のショットはGK Carini を破るが数インチ、ポストを外れた。 そして Hiddink 監督は Thompson に替えてMarco Bresciano を投入しKewell を更に前線に配置する。そのBresciano がペナルティーエリアに走りこんでシュートを放つが僅かにクロスバーを越えた。
その数分後、今度はRecoba がロングボールに走り込み Australia DF を振り切り 最後は GK Schwarzer と交錯して倒れる。PKを強調するが主審のClaus Bo Larsen 氏はPKを認めない。Recoba は執拗に食い下がるが判定は当然変らない。しかし、Replay で映し出されたシーンでは Scwarzer は全く Recoba の身体に触れていなかった。 Fossati 監督は 63分Marcelo Zalayeta に替えて Fabian Estoyanoff を負傷の Diego Lopez に替えてGuillermo Rodriguez を投入した。 この選手交代は非情に効果的で Estoyanoff は( Australia 陣から見て)右に大きく開くことによりChipperfield の上がりを抑える働きをした。そして Uruguay が主導権を握る。 75分今度は Australia GK Schwarzer が決定的な仕事をする。左サイドに侵入したMorales の至近距離からのショットを左手一本ではじき出し追加点を阻んだのだ。その2分後 Jason Culina の30mのロングシュートはポストを掠めた。最後の10分は Uruguay はMorales の高さを狙う。Richard Morales は4年前の Australia 戦でも得点を決めているが、この試合は無得点に終わる。結局ホームの Uruguay が 1-0 で勝利を収めたが、満員のCentenario 競技場から上がった歓声は4年前とは少し異なるものであった。 試合後 Uruguay の選手達は飛行場に直行し Chile の Santiago 経由で Sydney 入りする事に。一方 Socceroo 達はQantas 航空のチャーター機で翌日に出発。4年前の Play off では、Melbourne での試合の翌日、 Australia, Uruguay の選手達が呉越同舟よろしく同じ Qantas の飛行機で Montevideo に向った。今度はSocceroo 達の Main 中の Main Sponsor である Qantas がチャーター機を準備。日本人旅客の間ではすこぶる評判の悪い Qantas の Aussie の Stewardess のおねぇちゃん達。しっかり選手達の面倒をよろしくね。それから Australia は累積警告で Sydney の試合に出られない選手がいない事も強みだ。Uruguay は攻撃機の柱Diego Forlan の出場が危ぶまれている。だが100戦練磨の Uruguay 彼らにどう挑むか?何度も訪れている Sydney にこの時期に行けないのが悔しい気がする。明日16日 Telstar Stadium 午後8時、運命のキックオフが。
しかし、こうやって他の国の予選を心配できるなんてなんて幸福な時代なのだろう?出場枠拡大に感謝だ。

Match Details
Uruguay 1 (Dario Rodriguez 37’)
Australia 0
Uruguay Line-up: Fabian Carini (gk), Diego Lopez (Guillermo Rodriguez 63’), Paolo Montero, Dario Rodriguez, Carlos Diogo, Pablo Garcia, Diego Perez, Alvaro Recoba, Diego Forlan (Dario Silva 17’), Marcelo Zalayeta (Fabian Estoyanoff 63’), Richard Morales
Subs Not used: Marcelo Sosa, Martin Parodi, Mario Regueiro, Sebastian Viera (gk)
Cautions: Dario Silva (23’), Dario Rodriguez (91’)

Australia Line-up: Mark Schwarzer (gk), Lucas Neill, Scott Chipperfield, Tony Vidmar, Tony Popovic, Brett Emerton, Mark Viduka (John Aloisi 80’), Harry Kewell, Vince Grella, Archie Thompson (Marco Bresciano 53’), Jason Culina
Subs Not used: Tim Cahill, Josip Skoko, Ljubo Milicevic, Zeljko Kalac (gk), Luke Wilkshire
Cautions: Scott Chipperfield (30’), Tony Vidmar (71’)