4回戦の錦織は心配していた通り、左わき腹が完治しておらず、チリッチ(ランク13位クロアチア)との対戦は試合にならず途中棄権となりました。開始前の練習でサーブは軽く打つだけでおかしいと思いましたが、試合が始まると、「これはだめだ」と感じました。ファーストサーブは力が入らず普段の6~7割程のスピードしかありません。ラリーも続けることが出来ず相手ばかりにポイントがどんどん入っていき、あっという間に1セットが終わってしまいました。
次のセットはやらずに棄権するかと思いましたが、それでも続けました。マラソンランナーが走れなくなっても、走ろうとするように、自分の今できる限界までやろうとしたのでしょう。アスリートの宿命みたいなものですね。観客はブーイングどころか拍手をしてくれたのは、そういう気持ちに対してからかもしれません。しかしトーナメント試合で負傷の為に全く勝てる見込みが無くなった試合を続けるのは相手に対しても観客に対してもいかがなものでしょう?1-6、1-5となったところで、チャンコーチも中止を促し、錦織は棄権して錦織のウインブルドンはベスト16で終わりました。次の夏の全米ーオープンに向けて治療に専念して、しっかりした体調で臨んでもらいたいですね。