高齢になってきてこの当たりで自分の50年以上にわたるオーディオ遍歴を書いておこうと思いつきました。25歳(?)頃から音楽を良い音で聞きたい気持ちがありオーディオに関心が向いていました。その頃のステレオ装置は一体型で本体の両側に大きなスピーカーがどっしりと付いていました。本体の蓋を開けるとターンテーブルがあってそれでレコードを聴く様になっていました。FM放送も聴けるようにアンプと一体型のFMチューナーもついていました。パイオニアやビクター、オンキョー、サンスイ(山水)など色々な音響・電機メーカーが沢山製品を出していましたね。
ステレオは一体型よりアンプやスピーカーが別々になっている方が音を良くする為にグレードを高められることが判り、システムコンポ(同じメーカーで統一されたセット)から個別コンポに変わりました。オーディオラックに個別になった再生装置が入りスピーカーは独立型になりました。「ステレオ」という雑誌を買ってベストコンポの紹介記事を熱心に読んで参考にしていました。
やがて、音源としてカセットテープが出てきてカセットデッキが必要になりました。大分後になってDVDやCDが出始めてそれ用のプレーヤーが必要になりました。その頃にCDより小さいMD(ミニチュアデスク)というのも出来ました。MD用にMDプレーヤーが必要になりました。4チャンネルというスピーカーを前後4つ使う立体音響のアンプも出てきました。テレビでも3D(立体)放送が稀にありましたが間もなく無くなりました。こうしてオーディオラックの中には再生装置がどんどん増えて行きました。
都内に住む弟は真空管アンプを自作する自作型でオーディオ装置には僕以上に凝っていてアンプはプリアンプとメインアンプ(パワーアンプ)に分けていました。他は国産の最高級品を揃えて装置の重さ(高級品程重くなる為)に耐えられるようにリビングの床下をコンクリートで補強したそうです。うちはマンションなのでそういう訳には行きません。弟とはよくオーディオ談義をやりました。クラシック音楽再生にはイギリスのメーカーが造っているタンノイ(TANNOY)というスピーカーが良いと知りそれに変えました。アンプはラックス(LAXMAN)の大型重量級のプリメインアンプになりました。CDプレーヤーはデンオン(DENON)製になりました。
その頃に「ステレオ」を発行している音楽雑誌社から兄弟別々に取材に来て記事に載せてくれたこともありました。この段階で一応システムの音には満足して、その後はスピーカーをタンノイからダイヤトーン(DS-503)にその後ビクター(SX-V7)にCDプレーヤーを同じデンオン(DCD S10Ⅲ)に変えた他はそのままになっていました。
オーディオ歴を振り返ると「原音再生」か「音楽性の豊かさ」かのいずれかを求めての遍歴だった気がします。コンサートにも行きますが、自宅ではこの方法でしか楽しめません。10数年も経った今は少し前にブログに書いた通り、古くなった装置を順次処分して一部買い換えてこじんまりしたシステムになりました。ここに来てレコードに関心が向いて昔集めたレコードやCDを懐かしい気持ちで静かに聴いています。※関心のある方⇒このブログの「レコード盤が復活」