鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1215~イソポカムイ

2016-05-23 13:01:23 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、絵本イソポカムイです。

藤村久和・著、手島圭三郎・画の絵本「イソポカムイ」を読みました。
娘が子どもの頃に読んだそうで、先日貸してくれました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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たのしく暮らしていた、年老いたウサギの神が若い頃を思い出し、久しぶりに大自然のなかをとびまわってみると、思いもかけない出来事に次々と出会う。
そして家に帰りたくなったウサギが家の近くにくると…
アイヌの人々は生き物や魂が存在するものを「神」という意味の「カムイ」として尊んできました。
北海道在住の版画作家・手島圭三郎の力強い表現が絵本の世界に広がっています。
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手島圭三郎
北海道生まれ。
「しまふくろうのみずうみ」では絵本にっぽん賞を、「きたきつねのゆめ」はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、「おおはくちょうのそら」はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける
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本書は、アイヌ文化伝承者・四宅ヤエが語ったアイヌの昔話を絵本にした神々の物語シリーズの一冊だそう。
他にもカムイチカプ、カマコシネカムイ、チピヤクカムイ、エタシペカムイの4冊があることは確認しましたが、廃刊になっているものもあるようです。

大胆に構図された木版画。
生き生きとしたうさぎの神様が駆け回る、その力強いリズムが見事に表現されていて魅了されます。
そしてシンプルな語り。
「ホーリムリム、ホーリムリム」といういかにもアイヌ語らしい掛け声とともに語られるうさぎの神様の物語。
喧嘩している者がいたら仲裁に入り、鯨が浜に打ち上げられているとみると駆け寄る。
すべては視力が老いて衰えたことによる見間違い。
やさしい神様だということがよく判る物語です。

絵本の扉には次のような添え書きがありました。
うさぎの肉はやわらかくてとても美味しい上、その足を玄関に飾っておくと病気を防いでくれたそう。
けれども粗末に扱えば恐ろしい神にもなる。

本書には、うさぎの神様のやさしさを伝えることで、うさぎを大切にしてほしい、という願いもこめられているのかな?
食べものや道具を捨てるときにさえ、感謝しながら神の国に送り返すアイヌらしい物語だと思いました。

私たちの祖先である縄文人の血を最も濃く残しているといわれるアイヌ。
アイヌの伝承には、きっと失われた縄文人の伝承が強く影響していることでしょう。
だからこそ、この物語が心に沁みるのでしょう。

他の4冊が気になるところです。

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