鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1208~しかけえほん

2016-05-07 12:39:43 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、しかけえほんです。

絵本好きが高じて、ついに飛び出す絵本(しかけえほん)まで買ってしまいました。
絵本ナビというHPで紹介していたチラノサウルスがとても気に入ったからです。
(このHPでは動画も公開しているので一度ご覧になってはいかがですか?)
本のタイトルは「太古の世界 恐竜時代」。
ロバート・サブダという凄腕の職人が作った「しかけえほん」です。

日本語版は2005年に発行されましたが、現在は廃刊になっています。
そこで「良い」評価の古本を取り寄せることにしました。
古本でも3000円を超えており、こんな高価な本を買うのは久しぶりでしたが、一冊一冊手作りしていると聞けば納得。

到着後すべてのページをチェックしたら、一か所だけ破れていて仕掛けが動きませんでした。
とても残念でしたが、しかけえほんの古本でこれなら良い方と思い、満足しています。
その内、修理にチャレンジしてみようと思います。
いくら高度な技術を使っているとはいえ相手は紙。
何とかなるような気がします。

内容紹介を引用します。
=====
ポップアップで表現された35体の恐竜と50種類以上の最新恐竜情報を盛り込んだ、初の立体恐竜百科です。
サブダならではの、精密でダイナミックなしかけが見事です。
文中の漢字には、ルビが振られており、子どもから大人まで楽しめます。
=====
本書は名匠、ロバート・サブダと、マシュー・ラインハートの手になる35体のポップ・アップの恐竜と50種以上の最新の恐竜情報を盛り込んだ、初の立体恐竜百科です。
ポップ・アップの粋を尽くした驚異の造形―恐竜の再現が、太古の世界を織りなす本書は、多くのサブダファンに新たな驚きを呼び起こすことでしょう。
=====

本書についてどなたかが書いていましたが、「マツコ&有吉の怒り新党」の人気コーナー「新三大〇〇調査会」で、飛び出しすぎる飛び出す絵本として紹介されたそうです。
きっと話題になっただろうに廃刊になっているとは・・・。
これだけ手の込んだ仕掛け絵本は、ほとんどアートです。
海洋堂の精巧なフィギュアに近い感覚のものとして大人の男性にウケるはず。
その辺りを対象に再提案するとヒットすると思うんだけどねえ。
とりあえず、破れの心配のない新品が手に入ると良いと思います。

さて今回は、仕掛けの破損をチェックしただけ。
まだ文章を読んでいません。
これから精巧な仕掛けを背景に恐竜百科を楽しみたいと思います。
あー、ワクワクする。
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お気に入りその1207~おじいちゃんがおばけになったわけ

2016-05-06 12:12:44 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「おじいちゃんがおばけになったわけ」です。

本書は2005年の「この絵本が好き」翻訳絵本の部で第1位に輝きました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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おじいちゃんは、土にも天使にもならずに、なんと、おばけになっちゃった。
いったいどうして?
心に沁みいるデンマークの傑作絵本。
=====
死んじゃったはずのおじいちゃんが夜になって、エリックのところへやってきました。
だけど、なんだかちょっとヘン…。
大切だけど、ちいさな子には少しむずかしいことを、じいじとのユーモアたっぷりの会話から理解していくエリックの姿が心に沁みるデンマークの絵本。
=====

ある日、道で倒れて死んでしまったおじいさん。
おじいさんは幽霊になり毎夜エリックのもとに現れるようになります。
なぜおじいさんが幽霊になったのか?
二人にはその理由がわかりません。
毎夜ふたりは考えます。
ある日ついにその理由に気づいたおじいさんが、エリックに告げます。
「一番大事な孫のエリックにさよならをいうのを忘れていたんだ」
これは泣かせる一言です。

おじいさんが幽霊になった理由。
それは突然別れてしまった二人が思い出を語り合い、きちんとさよならをする。
そのための大切な時間だったのですね。

じいじとエリックは互いの愛情を再確認し、じいじは心残りなくあの世のばあばのもとに旅立ちます。
それをやさしく見守るエリック。
あの世でじいじとばあばが幸せに暮らすことを知って、エリックは安らかな眠りにつきます。

ほのぼのとした別れの物語。
まだ家族を失った経験がないけれど、そのときにこんな別れができたらいいな、と思わせるストーリーでした。
とかく暗く悲しいだけの「死」について、これだけ穏やかに教えてくれるストーリーが素晴らしい。
確かに高く評価されるだけのことがある作品でした。




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お気に入りその1206~地球と生命の46億年史

2016-05-04 21:16:48 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、地球と生命の46億年史です。

本書はNHKカルチャーラジオ、科学と人間シリーズのテキストです。
書店で偶然見かけ、読むことにしました。

内容紹介を引用します。
=====
地球とその上に暮らす人類を含めた全生命が地球・太陽系の物質からできていますが、これまでの地球史は天文学や物理学、化学、生物学の分野で別々に研究されてきました。
宇宙創成以降の研究ですが、光合成や生命の起源、生命活動の仕組みを解明しようにも、生物学や化学だけでは謎がとけません。
専門領域を超え、全体を俯瞰した研究をまたなければ、全体像がつかめないのです。
東京工業大学の地球生命研究所の丸山茂徳教授は、俯瞰科学を提唱し、国際的な頭脳を結集し、137億年前から太陽系をはじめとした惑星系のなりたちと、生命誕生の謎を解き明かそうとしています。
これからの地球の姿まで見通してわかりやすく解説していただきます。
=====

テキストは、残念ながら「わかりやすく解説して」くれてはいません。
わずか数枚の図を参照しながら文章を読んでも、専門用語のオンパレードで理解が難しいので、ラジオを聴いている人がどれだけ理解できるかはおおいに疑問です。

と、低い評価をしましたが、内容は実に興味深く面白いです!
これはぜひテレビでやってほしい。

丸山教授による俯瞰科学の研究はまだ道半ば。
今後研究が進み、数々の推論が補強されることを願っています。

本書は読み進むと、えっ、そうだったの?ということが多かったです。
理科系おっさんが驚いた点をいくつか書きます。

・恐竜が滅びた原因
 確かに巨大隕石の落下は最後のとどめになったが、滅びの傾向はその前から始まっていた。
 当時はどうやら太陽系が暗黒星雲と遭遇していたそう。
 それを通り過ぎるまでの1000万年間は太陽光が地表に届きづらい時代が続いた。
 寒冷化や植物の活動低下により、恐竜の数はどんどん減少してしていった。

・全球凍結
 23億年前と7~6億年前に地球は全球凍結している。
 それはスターバースト(近傍超新星爆発)によるもの。
 強力な銀河風により大量の宇宙線にさらされ、雲核形成・促進により日射量が減少し凍結した。
 
・生命の誕生場
 自然原子炉間欠泉モデルを提唱している。
 最初の生命は自然原子炉に付随してできた間欠泉内部で誕生したという説。
 放射線量の高いマグマに熱せられてできた間欠泉源が地下にある。
 そこに溜まったガスには、熱水と放射線の影響で有機化合物が生成される。
 地表に噴出した有機化合物は陸と海の干満により脱水・加水が繰り返される。
 やがてアミノ酸、タンパク質ができあがった。(生命の干潟起源説)

・生物進化の原因
 いろいろな原因があるそうだが、とくにHiR(ハイアール)マグマの影響を提唱しています。
 これは現在、地球上の3か所(※)でみられる。
 そこでは高い放射線が放出されており、生物が通常の100倍のスピードで進化していることが確認されている。
 ちなみに人類もアフリカの大地溝帯で誕生しており、脳容積が短期間に大きく進化している。
 ※アメリカのデスバレー、ガラパゴス諸島、アフリカの大地溝帯の3か所

・カンブリア紀以前の生物の状況
 45億年前  地球誕生
 35億年前  生命誕生
 (激しい環境変化によりほとんどが死滅?)
 6.4億年前  海綿動物の出現
 5.8億年前  エディアカラ生物の出現
 5.5億年前  硬骨格生物の出現
 5.4億年前  カンブリア紀型動物の出現
 5.2~5.0億年前 カンブリア紀の爆発的進化

・地球形成モデル
 ABEL(エイベル)モデルを提唱している。
 大気と海洋成分は隕石によってもたらされた、という説。

・地球生物の祖先
 多種類誕生した原始生命の内、生き延びた2種類のコモノートが地球生物の祖先
 古細菌は動物の祖先になった。
 真正細菌は植物の祖先になった。

以上。(本当はまだまだいろいろ書いていました)

ちなみに先生いわく、現代は学会が1000もあって先端科学の融合が困難な時代だそう。
そのために俯瞰科学が必要とのこと。
なるほど。

ただし1000もの学会にある膨大な先端理論をすべて理解することが、はたして人間にできるのでしょうか?
そしてそれらを組み合わせ、新たな理論を生み出すとなると、何億何兆という組み合わせを検討することになります。
この膨大な作業は、コンピューターに頼る他ないのではないでしょうか?
コンピューターに頼りすぎると、映画「ターミネーター」「マトリックス」のようにコンピューターが人類を超える存在になることが心配になります。
絵空事のようですが、チェス、囲碁などの複雑なゲームで人間が勝てなくなり、最近ではコンピューターが小説を書くようになりました。
機械が感情を持つのはずっと先!といいますが、感情が無くても機械が自己防衛本能を持つだけで、世界がオセロのようにひっくり返る危険を感じます。

俯瞰科学は興味深い学問ですが、間違えても主導権を機械に渡さないように注意してほしい、と願いたくなるおそろしい学問です。
この科学をおそろしく感じる気持ちって他でも感じます。
例えば生命科学の分野。
DNA操作により新しい生命を創造する実験が、いつしか人知を超える生命を生むのでは?と危惧しています。
また原水爆や原発の分野。
とくに放射性物質を安全に廃棄処分する技術がないのに、使い続けることに危惧を感じています。

科学は人々の幸せのためにあるもの。
そして地球環境を保全し、自然と共生するためにあるものであってほしい。
そんなことを考えさせてくれたテキストでした。


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お気に入りその1205~代表的日本人

2016-05-02 12:48:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「代表的日本人」です。

100分de名著、内村鑑三著「代表的日本人」を読みました。

NHK出版の内容紹介を引用します。
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生きている死者たちと、彼方で対話する。
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮という『代表的日本人』の生涯を通して、内村鑑三はみずからの精神的自叙伝を書いた。
講演録『後世への最大遺物』にも触れ、人生の意味を「継承される使命」のなかに見出す。
生きがいなき現代の、迷える「魂」を救済する一冊。
=====

第1回 無私は天に通じる
西郷隆盛を例にしながらも、ほとんどは宗教について書かれています。
ここで本書が偉人伝ではなく、4人の代表的日本人を例に挙げながら語られる宗教思想の書であることに気づきました。
あらら、苦手な分野です。
どうしましょう・・・。
内村鑑三の伝えたいことやテキストを書いた若松講師の解説が、なかなか頭に入ってこなくて困りました。
そこで並行してNHKのHPの100分de名著「代表的日本人」コーナーを読んで参考にすることにしました。
本当はオンデマンドで番組を観ることが一番と思いつつも、時間が無くてまだ観ていないものですから・・・。

第2回 試練は人生からの問いである
米沢藩主の上杉鷹山は「民の声は天の声」、農民聖者の二宮尊徳は「自然はその法に従うものに豊かに報いる」という信念を貫いたそうです。
昔、ケネディ大統領が「尊敬する日本の政治家は誰?」という問いに対し「上杉鷹山」と答えたそうですが、きっと「代表的日本人」を読んでいたのでしょうね。
上杉鷹山についてはいろんなところで特集されており、観たり読んだりしていますが、一度しっかり勉強しようと思い「全一冊 小説 上杉鷹山」という堂門冬二の本を買いましたが、あまりの分厚さに怖気づき、まだ読んでいませんでした。
今度こそ読もう、と決意しました。

第3回 考えることと信ずること
儒学者の中江藤樹は信じる道を貫き通し、仏教者の白蓮は法華経に殉じる生き方を貫いたそう。
この回までは、ピンとくるものがありませんでした。

第4回 後世に何を遺すべきか
この回は「代表的日本人」を離れ、内村鑑三の有名な講演「後世への最大遺物」について書いています。
第1回から第3回まではとは打って変わって興味深く読みました。
そこには「人生」や「生きること」の意味についての内村の思想が書かれていました。

=====
生きることは、自分の願いを成就させることではなく、いかに先人たちの生涯を受け継ぐものを見出すか、ということであると言えます。
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もし私どもの一生涯の事業に何か意義があったといたしますならば、それは準備的の事業であったというのであります。
すなわち時勢に応ずるためのものではなく、直ちに現代をたすくるためのものではなく、将来の発展を助くるための基礎的な工事に貢献するするためのものであったというものであります。
=====
人生の目的とは宇宙の完成に与(くみ)することである。
=====
自分の人生は、自分の願望を実現する場には終わりません。
自分がやったことを継いでくれる人がいる。
そこから未知のものが生まれる。誰もが未来の一部になっていく。
=====
人生は肉体が消えただけでは終わらない。
だからこそ、この世をしっかり生きなくてはならない。
=====

「先人たちの生涯を受け継ぎ、しっかり生きることが大切。
 死後、自分のやったことを受け継いでくれる人がいれば、未来の一部になれるのだから。」
という人生観は心にしみました。
なるほど、こうして命は永遠につながっていくんだ!
絵本「わすれられないおくりもの」「葉っぱのフレディ」を思い出しました。

本書は第3回までつまらなかったため、危なく途中で読むのを止めるところでした。
最後まで読んで本当に良かったです!
読書って、こういうことがあるんですよね。
これまで途中で投げ出した数冊の本があったことを思い出しました。



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