回のお気に入りは、「アイヌと縄文」です。
「アイヌと縄文 ~もうひとつの日本の歴史」を読んでいます。
著者は瀬川拓郎。
旭川市博物館の館長だそう。
司馬遼太郎の「街道をゆく」に、縄文の思想はアイヌに引き継がれていると書いていました。
それがイオマンテ。
食べ物や道具を捨てるときに、感謝の祈りを捧げつつ神の国に送り返す儀式です。
針供養や人形供養などの思想、最近では資源を大切にするモッタイナイの思想に通じます。
現代日本人のDNAにもしっかり組み込まれている思想です。
これについて、いつか研究者が書いたものを読みたい、という願いがありました。
AMAZONで検索しましたが、なかなかしっくりくるものがありませんでした。
諦めかけていたある日、本書を書店で見かけ、ダメ元で裏表紙の内容紹介を読みました。
=====
アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。
平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと、その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。
交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
=====
縄文人の一部は「平地人(=弥生人)になることを拒否し、山中に留まった」という一文に、以前読んだ坂本大三郎著「山伏と僕」の一文がつながりました。
「山伏は、縄文時代の人々の知識に、大陸から来た神道、密教、陰陽道などが加わり、独自に進化してきたもの」
立場が違う二人の著者が同じことを書いています。
森羅万象に精霊が宿るという縄文の思想は、アイヌと山伏に色濃く残されているようです。
早速読み始めました。
いろいろ興味深いことが判りました。
・縄文語がアイヌと九州北部に残っている。
・アイヌは日本や大陸と活発な交易をしていた。
・アイヌには2つの勢力がいた。
・かれらは川を表すアイヌ語地名「ペツ」と「ナイ」の使い分けに違いがあった
太平洋側は「ペツ」を多用する
登別ノボリベツ、中標津ナカシベツ
日本海側は「ナイ」を多用する
岩内イワナイ、小樽オタルナイ、稚内ワッカナイ
・他に第3の勢力として日本人と言葉が通じる勢力がいた。
国内外の歴史や地域性、気候変動などを大きくとらえた上で、アイヌと縄文を語る著者。
まるで俯瞰科学。
これまで別々に研究されてきた成果を一つにまとめることで見えてくる世界。
大胆に、より確からしい、アイヌと縄文の歴史が語られています。
これは面白い!
あと10ページほどでどんな風にまとめるのか、とても楽しみにしていました。
それなのに・・・。
本がどこかに紛れてしまいました。
自宅を大規模リフォームするために仮住まいに引っ越したときに、どこかの箱に。
仮住まいのうちに見つかるか、リフォーム終了後に見つかるか。
ああ、早く結論を知りたいものです。
また著者が館長を務める「旭川市博物館」も見学したいものです。
「アイヌと縄文 ~もうひとつの日本の歴史」を読んでいます。
著者は瀬川拓郎。
旭川市博物館の館長だそう。
司馬遼太郎の「街道をゆく」に、縄文の思想はアイヌに引き継がれていると書いていました。
それがイオマンテ。
食べ物や道具を捨てるときに、感謝の祈りを捧げつつ神の国に送り返す儀式です。
針供養や人形供養などの思想、最近では資源を大切にするモッタイナイの思想に通じます。
現代日本人のDNAにもしっかり組み込まれている思想です。
これについて、いつか研究者が書いたものを読みたい、という願いがありました。
AMAZONで検索しましたが、なかなかしっくりくるものがありませんでした。
諦めかけていたある日、本書を書店で見かけ、ダメ元で裏表紙の内容紹介を読みました。
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アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。
平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと、その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。
交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
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縄文人の一部は「平地人(=弥生人)になることを拒否し、山中に留まった」という一文に、以前読んだ坂本大三郎著「山伏と僕」の一文がつながりました。
「山伏は、縄文時代の人々の知識に、大陸から来た神道、密教、陰陽道などが加わり、独自に進化してきたもの」
立場が違う二人の著者が同じことを書いています。
森羅万象に精霊が宿るという縄文の思想は、アイヌと山伏に色濃く残されているようです。
早速読み始めました。
いろいろ興味深いことが判りました。
・縄文語がアイヌと九州北部に残っている。
・アイヌは日本や大陸と活発な交易をしていた。
・アイヌには2つの勢力がいた。
・かれらは川を表すアイヌ語地名「ペツ」と「ナイ」の使い分けに違いがあった
太平洋側は「ペツ」を多用する
登別ノボリベツ、中標津ナカシベツ
日本海側は「ナイ」を多用する
岩内イワナイ、小樽オタルナイ、稚内ワッカナイ
・他に第3の勢力として日本人と言葉が通じる勢力がいた。
国内外の歴史や地域性、気候変動などを大きくとらえた上で、アイヌと縄文を語る著者。
まるで俯瞰科学。
これまで別々に研究されてきた成果を一つにまとめることで見えてくる世界。
大胆に、より確からしい、アイヌと縄文の歴史が語られています。
これは面白い!
あと10ページほどでどんな風にまとめるのか、とても楽しみにしていました。
それなのに・・・。
本がどこかに紛れてしまいました。
自宅を大規模リフォームするために仮住まいに引っ越したときに、どこかの箱に。
仮住まいのうちに見つかるか、リフォーム終了後に見つかるか。
ああ、早く結論を知りたいものです。
また著者が館長を務める「旭川市博物館」も見学したいものです。