今回のお気に入りは、ルリユールおじさんです。
いせひでこの絵本「ルリユールおじさん」を読みました。
ペンブックスの「美しい絵本」で、映画監督の川瀬直美が推薦していました。
娘と暮らしたパリの街並みそのままの絵が美しく、ストーリーも素晴らしいとのこと。
絵本の絵って下手ウマのものが多いようですが、できれば美しいストーリーとともに美しい絵も鑑賞したいです。
本書は一挙両得を狙って選びました。
以下は絵本ナビの引用です。
=====
舞台はパリ。路地裏の静かな通りにひっそりとルリユールおじさんの店はあります。「ルリユール」とは手作りの製本の事。
ソフィーは大切にしていた植物の図鑑がばらばらになってしまい、途方にくれてしまいます。
そこで街の人に教えてもらったのが、「ルリユールおじさんのところへ行けば直してくれるよ。」という言葉。
ソフィーが歩き回ってやっと探したのがこのお店。
ソフィーの目の前でおじさんは植物図鑑をどんどん修復され、生まれ変わらせていくのだけれど、その細かい工程がきれいな絵で紹介されていたりして「あぁ、こんな丁寧な作業があるのか・・・」と感動せずにはいられません。
なにせ、製本職人は60もの工程を覚えなければならないそう(!!)なのだから。
やがてソフィーの世界で1つだけの美しい植物図鑑が出来上がっていくのと同時に、ソフィーの世界、おじさんとソフィーの交流、おじさんとやはり製本職人だった父を思い出していく様子などがとても丁寧に描かれていきます。
最後に金箔の文字が入って完成した瞬間にはこちらまで何とも言えない幸せな気持が生まれてきてしまいます。
分厚い革表紙に金箔の装飾のヨーロッパの本、あの存在感にどうしてこんなに憧れてしまうのだろう・・・と思っていたけど、この絵本を読んで納得。
「魔法の手」で作られていたのですね。
今では全工程をマスターしている職人さんは一桁だそうです。ますます憧れる・・・。
秋も深まるこの季節にぴったりの、本を愛するちょっと大人の為の絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
出版社からの紹介
たいせつにしていた植物図鑑がこわれてしまった、パリの少女ソフィー。
本をなおしてくれる人がいると聞いて、ルリユール(製本職人)を訪ねる。
本への愛情と、時代をこえてつながる職人の誇りを描いた傑作絵本。
講談社出版文化賞絵本賞受賞作。
=====
本を手に取り扉を開けると、カバーの内側にこんな言葉が書かれていました。
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」
誰の言葉?
その意味は?
謎を秘めたまま物語は始まりました。
壊れてしまった大切な植物図鑑を直してくれる人を探す小さな女の子ソフィーと、工房に向かうルリユール(製本職人)のおじいさん。
二人がそれぞれの家を出てから工房の前で出逢うまでの展開はまるで映画のよう!
人と人って出逢う前にも、偶然近くにいたりするものなのですね。
出逢いは偶然、という運命のようなものを見事に描いていると思います。
人物、街角の風景(建物、自動車、自転車、街路樹)などが、デッサン力に優れ、とても美しく描かれています。
二度読みし、もう一度絵だけを鑑賞するくらい気に入りました。
水彩絵の具のぼかしが立体感を際立たせています。
立体感といえば「立てかけてある自転車」が一番気に入りました。
どうでもいい話ですが・・・。
物語では、ソフィーの大切な植物図鑑が、世界に一冊の素敵な本として生まれ変わります。
最後は、彼女が植物学者になった場面で終わります。
本は人と同じで、その出会いが人生に影響を与えます。
著者いわく
「修復されじょうぶに装丁されるたびに、本は、またあたらしいいのちを生きる」
TVの「和風総本家」で職人が修理した品物を目にして依頼人が涙するシーンと重なりました。
いせひでこの絵本「ルリユールおじさん」を読みました。
ペンブックスの「美しい絵本」で、映画監督の川瀬直美が推薦していました。
娘と暮らしたパリの街並みそのままの絵が美しく、ストーリーも素晴らしいとのこと。
絵本の絵って下手ウマのものが多いようですが、できれば美しいストーリーとともに美しい絵も鑑賞したいです。
本書は一挙両得を狙って選びました。
以下は絵本ナビの引用です。
=====
舞台はパリ。路地裏の静かな通りにひっそりとルリユールおじさんの店はあります。「ルリユール」とは手作りの製本の事。
ソフィーは大切にしていた植物の図鑑がばらばらになってしまい、途方にくれてしまいます。
そこで街の人に教えてもらったのが、「ルリユールおじさんのところへ行けば直してくれるよ。」という言葉。
ソフィーが歩き回ってやっと探したのがこのお店。
ソフィーの目の前でおじさんは植物図鑑をどんどん修復され、生まれ変わらせていくのだけれど、その細かい工程がきれいな絵で紹介されていたりして「あぁ、こんな丁寧な作業があるのか・・・」と感動せずにはいられません。
なにせ、製本職人は60もの工程を覚えなければならないそう(!!)なのだから。
やがてソフィーの世界で1つだけの美しい植物図鑑が出来上がっていくのと同時に、ソフィーの世界、おじさんとソフィーの交流、おじさんとやはり製本職人だった父を思い出していく様子などがとても丁寧に描かれていきます。
最後に金箔の文字が入って完成した瞬間にはこちらまで何とも言えない幸せな気持が生まれてきてしまいます。
分厚い革表紙に金箔の装飾のヨーロッパの本、あの存在感にどうしてこんなに憧れてしまうのだろう・・・と思っていたけど、この絵本を読んで納得。
「魔法の手」で作られていたのですね。
今では全工程をマスターしている職人さんは一桁だそうです。ますます憧れる・・・。
秋も深まるこの季節にぴったりの、本を愛するちょっと大人の為の絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
出版社からの紹介
たいせつにしていた植物図鑑がこわれてしまった、パリの少女ソフィー。
本をなおしてくれる人がいると聞いて、ルリユール(製本職人)を訪ねる。
本への愛情と、時代をこえてつながる職人の誇りを描いた傑作絵本。
講談社出版文化賞絵本賞受賞作。
=====
本を手に取り扉を開けると、カバーの内側にこんな言葉が書かれていました。
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」
誰の言葉?
その意味は?
謎を秘めたまま物語は始まりました。
壊れてしまった大切な植物図鑑を直してくれる人を探す小さな女の子ソフィーと、工房に向かうルリユール(製本職人)のおじいさん。
二人がそれぞれの家を出てから工房の前で出逢うまでの展開はまるで映画のよう!
人と人って出逢う前にも、偶然近くにいたりするものなのですね。
出逢いは偶然、という運命のようなものを見事に描いていると思います。
人物、街角の風景(建物、自動車、自転車、街路樹)などが、デッサン力に優れ、とても美しく描かれています。
二度読みし、もう一度絵だけを鑑賞するくらい気に入りました。
水彩絵の具のぼかしが立体感を際立たせています。
立体感といえば「立てかけてある自転車」が一番気に入りました。
どうでもいい話ですが・・・。
物語では、ソフィーの大切な植物図鑑が、世界に一冊の素敵な本として生まれ変わります。
最後は、彼女が植物学者になった場面で終わります。
本は人と同じで、その出会いが人生に影響を与えます。
著者いわく
「修復されじょうぶに装丁されるたびに、本は、またあたらしいいのちを生きる」
TVの「和風総本家」で職人が修理した品物を目にして依頼人が涙するシーンと重なりました。