鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1217~スーホの白い馬

2016-05-27 12:57:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、スーホの白い馬です。

今回読んだのは「スーホの白い馬」。
日本傑作絵本シリーズの一冊で、モンゴル民話に材をとっているそうです。
なんと1967年に初版が発行されており、来年で半世紀になるロングセラー。
私が購入した古本は2005年版で第109刷となっています。
発行から38年で109回刷っているということは年に2.9回刷っている計算。
こういう売れる本でもまとめて1年分を刷らないのですね。

表紙には「大塚勇三・著」ではなく「大塚勇三・再話」と書かれています。
オリジナルではなく民話を文章に落としたということをきちんと伝えたいのでしょう。
まじめな人柄とお見受けしました。
またイラストを描いた赤羽末吉は、最終ページに落款を押していますが、象形文字っぽい「羽」一字を四角で囲い、赤い朱肉で押印して「赤羽」と表現しています。
オープニングの巨大な二重の虹や、矢のように駆け抜ける馬たちなど、大草原の広さを表現するにふさわしいおおらかな人柄を感じました。

いつもはAMAZONの内容紹介を引用していますが、最近お気に入りである絵本ナビのみどころ紹介も引用します。

AMAZONの内容紹介
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淡い、水彩のような絵で描かれた、モンゴルの民話。
あまりなじみのない馬頭琴という楽器ができた、そのわけが語られる。
スーホというのは、昔、モンゴルに住んでいた羊飼いの少年の名前。
貧しいけれど、よく働き、美しい声をした少年だった。
そのスーホがある日つれて帰ってきた白い子馬は、だんだんと大きくなり、スーホととても仲良くなった。
スーホは白い馬のために、白い馬はスーホのために一生懸命だった。
ところが…。
見知らぬ国モンゴルにノスタルジーさえ感じさせる絵の色彩とトーンが、悲しくも美しいストーリーにいっそうの深みを加えている。
叙情的なストーリーと絵の両方をゆっくりと味わってほしい。
読んであげるなら4歳から、自分で読むなら小学校中学年から。
(つちだみき)
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絵本ナビのみどころ紹介
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昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。
スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。
スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。
モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。
小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
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仲良しだった白馬の亡骸の側で嘆き悲しむスーホー。
白馬は夢の中で語りかけます。
「悲しまないで下さい。
 私の骨や革、筋、毛を使って楽器を作ってください。
 そうすればいつも一緒にいられますし、慰めてあげられます。」

以前TVでハイジという女性が犬と話していた場面を思い出しました。
そのときは老いて寝たきりになった犬が、大好きな飼い主に申し訳ないといって元気をなくしていました。
一緒に散歩ができなくてごめんなさい、と。
飼い主に元気がないのは、自分のことを心配しているとは気づかず、一緒に散歩ができないからだと思っていたのです。

飼い主もTVの前の私も涙腺崩壊です。
「キミは何にも悪くないんだよ!」
飛んで行ってそう言ってあげたかったです。
犬って自分のことより、飼い主が元気でいられることを願っているんですね。

白馬もスーホーが元気になってくれることを願っていました。

わが家の居間で眠るように亡くなった愛犬を思い出しました。
あの娘もそう考えていたのかな?


コメント
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