鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその825~レイク・クローバー

2013-11-15 12:09:02 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「レイク・クロ-バー」です。

楡周平著「レイク・クロ-バー」を読みました。
楡周平の作品はかなり前に「再生巨流」を読みました。
あれはかなり面白かったです。
後にWOWWOWのドラマになったのも十分うなずけます。

あのときに「再生巨流」を貸してくれた方が楡ファンで、その後の書評ブログでも楡作品を何冊も紹介していましたが、企業物は趣味でないのでそれきりになっていました。
ところが今回の「レイク・クロ-バー」は、致死率100%の寄生虫との闘いを描いたエンターテインメイント作品とのこと。
それなら読んでみようという気になりました。
その手のハラハラドキドキ作品は、高野和明著「ジェノサイド」、安生正著「生存者ゼロ」などお気に入りです。

AMAZONの内容紹介を引用します。

=====
血が湧いている。いや、蠢(うごめ)いている。
ミャンマーの僻地レイク・クローバーで天然ガス探査技師が死亡した。
一夜にしてミイラ化した死体。原因はまったくの不明。
同じころアメリカの原子力潜水艦が極秘工作員をミャンマー沖で回収する。
致死率100%の感染が、極限の閉鎖空間で始まろうとしていた。
日本人研究者 鷲尾祐二は、見捨てられた人々を救えるか。
楡周平が放つ、世界水準超弩級エンターテインメント!!
=====

ミャンマーの奥地、原子力潜水艦、アメリカ合衆国の3地点の同時並行でドラマが進行します。
臨場感あふれるこの書き方は「ジェノサイド」と一緒。
まるで映画やTVのようです。
ノリノリで読み進みます。
特に未知の寄生虫の謎に迫る後半は面白い。
詳しくは書けませんが、原住民について思わぬ伏線が生きてくる辺りはつい「素晴らしい!」と声が出るほど見事な展開でした。
そしてこの凄惨な出来事の最後は因果応報で締めくくり、多少胸がすっとしました。

本書は確かに面白かったです。
ただ「世界水準超弩級エンターテインメント!!」というのは言い過ぎ。
わずか10名程度の死者が出ただけで食い止めてしまっては盛り上がりに欠けます。
せっかくわずか数日で死に至る未知の寄生虫を登場させたのですから、せめて短期間に町ひとつとか、原子力潜水艦1隻が全滅するくらいの被害規模を描かないと「超弩級」とは言えないと思います。
大好きな「総門谷」や「ジェノサイド」のように「人類はどうなってしまうの?」と思わせるスケールの作品はそうそう出て来ないのはわかりますが、もう一歩だっただけに残念でした。

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