鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその68~鑑真和上

2006-07-27 11:24:50 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは鑑真です。

現在、北海道立近代美術館で「国宝 鑑真和上展」が開催されています。
肖像彫刻の名作といわれる鑑真和上坐像をはじめとした唐招提寺の名宝の数々を一堂に紹介してます。
近いうちに見に行く予定ですが、本当に楽しみです。

高校時代に井上靖の「天平の甍」を読みました。

奈良時代、日本がまだ仏教をもって国を治めていた時代、戒律の乱れた日本の仏教界を正すべく、2人の若い僧が授戒できる僧を日本に招請する役目を負い遣唐使として先進国、唐に渡りました。彼らは戒律の僧として高名だった鑑真のもとを訪れ、弟子の渡日を要請しました。鑑真は問いかけましたが誰も渡日を申し出ませんでした。当時日本海を渡ることは現在の宇宙飛行以上に危険であることから、誰も申し出なかったことは理解できます。
「それでは私が参りましょう」
この鑑真の言葉に、日本から来た2人の若い僧も弟子たちもどんなに驚いたことでしょう。
そんな危険な旅を高僧鑑真が自ら申し出るとは・・・。
唐は国家の損失になるので出国を禁止しますし、弟子たちは鑑真の身を案じ渡日を密告して出国を妨害します。海は荒れ、はるか南方に漂流したりもします。
結局10年の歳月をかけ、5度の失敗を乗り越え、両目を失明しながらもついに鑑真は日本の土を踏みます。
鑑真により日本の戒律制度は整備され、ようやく国の乱れが治まったのです。

人は社会的に高い地位を得てしまうと保身に走りがちですが、鑑真は生命をかけ信念を貫きました。
その姿に感動し、その後も機会があるごとに鑑真に触れてきました。
高校の修学旅行では自由行動の日に「天平の甍」の雰囲気を味わいたくて唐招提寺を訪れました。
大学時代「中国文学」の小論文のテーマは勿論「鑑真」。たくさんの資料に必死に目を通していたのが懐かしく思い出されます。
その頃「天平の甍」が映画化され、バスを乗り継いで遠い映画館まで見に行きました。
日本に向かう船が沈没する場面で、大切な経文の紐が切れ、たなびきながら海中に沈んでいく
シーンが強く印象に残っています。
その後もレンタルビデオで「天平の甍」を見ました。
今回の「国宝 鑑真和上展」を機会にまた映画を見ようとレンタルビデオ店に行きましたが、もう置いていませんでした。
まだDVD化されていないようですが、ぜひしてもらいたいものです。
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