今回のお気に入りは、鳥獣虫魚譜です。
「鳥獣虫魚譜 ~両羽(りょうう)博物図譜の世界」を鑑賞しました。
以前から気になっていましたが、高価なため手が出ずにいました。
今回、ネットオークションで破格に安く出品されていたため落札できました。
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
鳥が、魚が、昆虫が、それぞれに懸命に生きている姿は美しい。
博物図の面白さはその姿の一瞬を正確にとらえて描かれた科学の眼である。
動物の博物誌カラー137点。
解説・磯野直秀。
=====
八坂書房の内容紹介も引用します。
=====
明治期に描かれた両羽地方(山形・秋田)に棲息する動物の図譜だが、全国的に分布するものが多く、見世物としての外国産も含む。
日本全土から多くの種が絶滅している現在、資料的にも貴重である。
初刊行。
=====
本書が届いてから知ったのは、題名の両羽が羽前(秋田)・羽後(山形)のことだということと、元本が酒田市で保管されているということ。
私の両親が山形県酒田市出身なので、題名の意味を知っていたら多少無理をしてでも、もっと早く入手していたでしょう。
両羽博物図譜は、生涯最後の10年をかけた大作とのこと。
本書を編纂するに当たり、元本があまりに膨大なため、その中から「動物の部」に限り、それも1000図の中から137図に厳選したそう。
いかに膨大な著作であったかがうかがえます。
作者の松森胤保(たねやす)は万能の人だったようです。
庄内藩士の家に生まれ、支藩の家老を務め、維新後も政治家を務めた後、本書を執筆したそう。
図版もすべて本人の筆によるそうですが、素人とは思えない見事な出来栄えです。
特にギンヤンマ、エゾゼミ、オウムガイ、イワナ、ヨタカ、コチョウゲンボウは、出来が良いと思います。
また記述の方も魅力的です。
冒頭、明治38年に絶滅したといわれるニホンオオカミの図版が4枚掲載されていますが、明治14年から25年にかけて描いていることと、どれも見世物を見て描いたと書かれています。
ニホンオオカミは、当時すでにほぼ絶滅していたことが判る貴重な資料だと思います。
本書の元本は、素人の筆による図版や記述のため科学的価値が低いことと、未完であることが、世に知られていない理由だそうです。
とても残念です。
ぜひ誰か研究してくれないかな。
庄内地方出身の有名人として、庄内藩出身の尊王攘夷派の志士・清河八郎や写真家・土門拳以外に、このような万能の人がいたことを知ることができたことは収穫でした。
「鳥獣虫魚譜 ~両羽(りょうう)博物図譜の世界」を鑑賞しました。
以前から気になっていましたが、高価なため手が出ずにいました。
今回、ネットオークションで破格に安く出品されていたため落札できました。
AMAZONの内容紹介を引用します。
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鳥が、魚が、昆虫が、それぞれに懸命に生きている姿は美しい。
博物図の面白さはその姿の一瞬を正確にとらえて描かれた科学の眼である。
動物の博物誌カラー137点。
解説・磯野直秀。
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八坂書房の内容紹介も引用します。
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明治期に描かれた両羽地方(山形・秋田)に棲息する動物の図譜だが、全国的に分布するものが多く、見世物としての外国産も含む。
日本全土から多くの種が絶滅している現在、資料的にも貴重である。
初刊行。
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本書が届いてから知ったのは、題名の両羽が羽前(秋田)・羽後(山形)のことだということと、元本が酒田市で保管されているということ。
私の両親が山形県酒田市出身なので、題名の意味を知っていたら多少無理をしてでも、もっと早く入手していたでしょう。
両羽博物図譜は、生涯最後の10年をかけた大作とのこと。
本書を編纂するに当たり、元本があまりに膨大なため、その中から「動物の部」に限り、それも1000図の中から137図に厳選したそう。
いかに膨大な著作であったかがうかがえます。
作者の松森胤保(たねやす)は万能の人だったようです。
庄内藩士の家に生まれ、支藩の家老を務め、維新後も政治家を務めた後、本書を執筆したそう。
図版もすべて本人の筆によるそうですが、素人とは思えない見事な出来栄えです。
特にギンヤンマ、エゾゼミ、オウムガイ、イワナ、ヨタカ、コチョウゲンボウは、出来が良いと思います。
また記述の方も魅力的です。
冒頭、明治38年に絶滅したといわれるニホンオオカミの図版が4枚掲載されていますが、明治14年から25年にかけて描いていることと、どれも見世物を見て描いたと書かれています。
ニホンオオカミは、当時すでにほぼ絶滅していたことが判る貴重な資料だと思います。
本書の元本は、素人の筆による図版や記述のため科学的価値が低いことと、未完であることが、世に知られていない理由だそうです。
とても残念です。
ぜひ誰か研究してくれないかな。
庄内地方出身の有名人として、庄内藩出身の尊王攘夷派の志士・清河八郎や写真家・土門拳以外に、このような万能の人がいたことを知ることができたことは収穫でした。