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聖書あれこれ:INRIの話

 
 ヨーロッパの国立美術館や州立美術館には古い絵が多い。古い絵には宗教画が多い。宗教画には磔刑を描いたものが多い。で、磔刑を描いたものには、キリストが磔になった十字架の上に、“INRI”という文字を書いた紙だの板だのが貼ってある。

 以前も磔刑の絵を観て、「“INRI”って何の頭文字?」と思ったのだが、同じ館内の別の絵に文そのものが描かれていて、「あー、“INRI”ってこのことね」と分かった気になって、文章の意味を調べもせずにそのまますっかり忘れていた。
 で、再び“INRI”に出くわしてみて、さて、「そうだった、“INRI”って結局どういう意味だったっけ」と疑問が再燃した。

 知らないことに初めて出くわすのとは違って、前から知らなかったことに改めて出くわすと、知りたいボルテージが上がるのは何でだろう。
 キリスト教文化圏の人なら教養の範囲内だろう、と踏んで、美術館のスタッフにその都度尋ねたのだけれども、結局誰一人知らなかった。知らないことを残念と思っているふうでもなさそうだった。
 ……西洋人の聖書の教養って、そんなもんなのかな。

 To be continued...


 画像は、ノルデ「磔刑」。
  エミール・ノルデ(Emil Nolde, 1867-1956, German)

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