聖書あれこれ:ノアと洪水(続々々)

 
 さらに7日待って、ノアは再びハトを箱舟から放つ。ハトは夕方にノアのもとへと戻ったが、そのくちばしにはオリーブの若葉をくわえていた。さらに7日後、ハトを放つと、ハトはもう戻ってこなかった。
 水が引いたことを知ったノアに、神は、箱舟から連れ出て、地上に増え広がれ、と言う。ノアは箱舟を出、鳥獣たちもあとに続く。

 ノアは祭壇を築き、燔祭を捧げる。神は、もう二度と、人間ゆえに地を呪い、生命を滅ぼしたりはしない、その永遠の契約の印として、雲を起こすときには虹をかけよう、と誓う。そして、生めよ、増えよ、地に群がり、地に満ちよ、と、ノアらを祝福する。
 ノアにはセム、ハム、ヤペテの三人の息子がいた。今やアダムに代わって、ノアが人類の始祖となる。

 さて、その後ノアは農夫となり、葡萄畑を栽培する。あるとき葡萄酒をしたたか飲んで酔っ払い、天幕のなかで真っ裸のまま眠ってしまった。
 ハムが裸の父を見つけ、兄弟に吹聴する。セムとヤペテは父の裸を見ないよう、後ろ向きに歩み寄り、父を上衣で覆った。
 やがて酔いから醒めたノアは、このことを知って、なぜかハムの息子カナンを呪う。カナンはセムとヤペテに仕えるしもべとなれ! と。

 画像は、G.ベッリーニ「ノアの酩酊」。
  ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini, ca.1430-1516, Italian)

     Previous

     Bear's Paw -聖書あれこれ-
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 聖書あれこれ... ギリシャ神話... »