世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-父子再会(続々)
アンティノオスは激怒して、オデュッセウスに足台を投げつける。この様子を聞き知ったペネロペは、異国の乞食の話を聞いてみたいから連れてくるように、と豚飼いに言いつけた。
さて、ここで広間に、土地の乞食イロスが現われる。意地汚いイロスはオデュッセウスに、出て行け、老いぼれめ! と罵倒する。乞食同士の喧嘩を、求婚者らは、面白い座興とばかりに、やんややんやと囃し立てる。
乞食のオデュッセウスが襤褸を腰に巻くと、なんと、意外にも筋骨隆々の見事な肉体が現われた。驚愕する一同。すっかり怖気づいたイロスに、アンティノオスは、大法螺吹きめ、こんな老いぼれにびびりおって、と悪態を吐く。
が、オデュッセウスは一撃でイロスの骨を砕いてしまう。悶絶するイロスに、求婚者らは笑い転げる。そして、そこにふと気紛れに姿を現わしたペネロペの美貌を前に、欲情を新たにするのだった。欲しい、欲しい、ペネロペが欲しい!
夜。求婚者らが引き上げると、オデュッセウスとテレマコスは、広間の一切の武器を片づけてしまう。テレマコスが寝室に去っても、まだうろうろしている乞食のオデュッセウスを目ざとく見つけたのが、侍女メラント。
彼女は先ほどからオデュッセウスを罵りまくっていたのだが、またもや悪罵を浴びせかける。このメラントは、不忠の山羊飼いメランティオスの妹で、求婚者の一人エウリュマコスと密通している、忘恩の侍女だった。
To be continued...
画像は、コリント「イロスと闘うオデュッセウス」。
ロヴィス・コリント(Lovis Corinth, 1858-1925, German)
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