チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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春のたより

2018年04月11日 | チエの玉手箱
実家を訪問すると、母が1枚のはがきを取り出してきた。

春の花々が咲き誇る季節となりましたが、
その後、いかがお過ごしでしょうか。
御家族様と一緒に○○様を看護させていただき、
大切な人生の終末をともに過ごさせていただいたこと
心よりお礼申し上げます。
体調をこわしやすい時期ですが、
どうぞ、お身体を大切にお過ごし下さい。


昨年、父がお世話になった病院の緩和ケア病棟のスタッフさんたちからの便りだった。

「いや~、おどろいたなあ。もう1年以上も経つのに、こんなはがきくれるなんてな。
 あそごの看護師さんたちには、ほんとに世話になったなぁ。
 ほんとは、おれがお父さんを看ねっかなんねがったげんちょもでぎながったがら、親切にしてもらって、ありがたがった。
 看護させていだだきお礼申し上げます なんて、なかなか書けねえなぁ」

一周忌も終わった春、残された遺族はポッカリ穴が開いたような気持ちになる方もいるのだと思った。
患者のみならず、家族まで看てくださるとは・・・

母もいたく感激して、返事を出すからはがきを買って来てくれと頼まれた。

心がほっこりとした春のたよりだった。