チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第31話 凍み豆腐

2007年01月17日 | チエちゃん
 おばあちゃんの生家、つまり、にしゃばあちゃん家の家業は豆腐屋さんでした。おばあちゃんの弟、賢次郎おじさんと奥さんのトクおばさんが豆腐を作っていました。

 寒のこの時期、この地方では凍み豆腐(しみどうふ)を作ったものでした。

 凍み豆腐は高野豆腐を薄くしたものと思ってください。

凍み豆腐の作り方です。(解りやすいイラストが付いていたので「農家の嫁の事件簿」さんをリンクさせて頂きました)

凍み豆腐専用に固めの豆腐を作り、よく水を切ります。
7~8㎜の厚さに薄く切って、平たい籠などに並べ、一晩戸外に出して凍らせます。
凍った豆腐をわらで編んでつるし、天日干しにします。凍る、乾燥する、凍る、乾燥するを繰り返して凍み豆腐が完成します。
天然のフリーズドライ製法で作った保存食です。
最近の工場では、冷凍庫で凍らせ、乾燥機で乾燥させるそうです。
味はもちろん、天日干しの方が美味しいに決まっています。

 おばあちゃんは、豆腐をわらで編む作業を手伝っていたのです。
チエちゃんは豆腐を崩してしまうので、見ているだけでした。商売物の凍み豆腐だったからです。

 凍み豆腐の食べ方は、水に浸して戻し、軽く水を絞って、煮しめ、味噌汁などに使います。凍み豆腐のスポンジ状になった所へ煮汁が浸み込んで、なまの豆腐とは異なった独特の味わい、風味があります。

 チエちゃん家では、お雑煮に必ず入れる材料のひとつでした。
チエちゃんは、子どもの頃はこの凍み豆腐はボソボソして嫌いでしたが、大人になってから懐かしい味がして好きになりました。大人の味です。