元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「パトリオット」

2014-11-03 06:10:17 | 映画の感想(は行)

 (原題:The Patriot )2000年作品。大味な作風で知られるローランド・エメリッヒ監督の映画の中では、かなりマシな部類である。もっともそれは題材になっている史実の重みと、主演のメル・ギブソン御大の存在感によるものだろうが、決して観て損するようなシャシンではない。

 18世紀後半のサウス・キャロライナ州で、かつてインディアンとの紛争で活躍したベンジャミン・マーティンは、18歳の長男ガブリエルを頭に、男手ひとつで7人の子供を育て、農民として平穏な生活を送っていた。そんな時、宗主国のイギリスとの間で独立戦争が起こる。血気盛んなガブリエルは父親が止めるのも聞かずに従軍するが、2年後に彼は負傷して帰還する。

 さらに悪いことにガブリエルを追って英国軍のタヴィントン大佐率いる一軍が村に侵攻し、狼藉の限りを尽くす。次男のトマスはそれに巻き込まれて死亡し、ベンジャミンは復讐を誓う。

 物語は単純明快で、家族のために命を張ろうとする主人公の決意が愛国心へと繋がるプロセスは無理がない。また、手勢を集めて正面から立ち向かうこともあれば、ゲリラ戦を仕掛けて敵軍の攪乱を狙うなど、戦闘場面はヴァラエティに富んでいて飽きさせない。また、この監督にしては珍しく描写にキレがあるのも見逃せないところだ。時代考証がけっこうシッカリしているのも興味深く、特に一発ずつ弾丸を詰めないと発射出来ない当時の銃を小道具にした対決場面は面白い。

 ギブソンは相変わらずの俺様主義で画面上を闊歩するが、ガブリエル役の(今は亡き)ヒース・レジャーのナイーヴな好演も見逃せない。また憎々しい敵役ジェイソン・アイザックスと、主人公に味方するフランス軍将校に扮したチェッキー・カリョは儲け役だ(カリョが出てきた時“こいつは残虐な方法で捕虜を拷問して「掃除」してしまう奴ではないか”と思ったら違った ^^;)。

 キャレブ・デシャネルのカメラによる美しい映像と、ジョン・ウィリアムスの音楽も効果的。上映時間が少々長くて中だるみする箇所もあるのだが、鑑賞後の満足感は決して小さいものではない。

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