元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「エクスペンダブルズ2」

2012-11-12 06:37:32 | 映画の感想(あ行)

 (原題:The Expendables 2 )雑な映画だが、許せる(笑)。傭兵部隊“エクスペンダブルズ”の運営主体はハッキリせず、彼らが“出張”する先は絵に描いたような無法地帯。悪人どもの放つ銃弾はほとんど当たらず、こっちの射撃は百発百中。展開も御都合主義のオンパレードで、ピンチになると決まって助太刀が入り、こっちが素手のファイトを提案すると、相手もわざわざ飛び道具を捨てて応じてくれる有様(爆)。

 しかし、それをいちいち指摘して糾弾する気は起きない。何しろ、主演がシルベスター・スタローンだ。その周りにいるのがジェイソン・ステイサムやジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ブルース・ウィリス、そしてアーノルド・シュワルツェネッガーだ。ついでに悪役がジャン=クロード・ヴァン・ダムで、大事なところでチャック・ノリスまで出てくる。この面子を前にして、脚本がどうのドラマツルギーがどうのと言い募っても無駄である。

 東欧アルバニアの山中に墜落した輸送機からデータを回収する仕事を請け負った“エクスペンダブルズ”の面々。しかし、そのデータを奪って横流しを企む地元の武装グループが登場。たちまち派手なドンパチが巻き起こる。

 サイモン・ウェストの演出は物凄く大味で、正直言って展開にキレもコクも無い。しかし、ここではそれが映画の瑕疵にならない。ヘタに“緻密な構成”なんか提示されても、大雑把なオジさん連中には荷が重すぎるだろう(笑)。こういう緩い作りの方が、観ている方も安心出来るというものだ。随所に挿入される楽屋落ち的なギャグも寒々とした雰囲気は皆無で、大らかに笑って済まされる。

 各キャストのパフォーマンスに関しては一つ一つ指摘するまでもないと思うが、ジェイソン・ステイサムの体術は相変わらず見応えがある。それに比べればスタローン御大の鉄拳ファイトなんか生ぬるい。でも、それで良いのだ。小難しいことは言わず、黙ってスクリーンに対峙すればオッケー。そういう映画である。
コメント
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