元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

北九州市のAVフェアのリポート。

2012-11-19 06:47:01 | プア・オーディオへの招待
 去る11月9日(金)~11日(日)に、北九州市小倉北区のJR小倉駅近くのKMMビルで今年も開催されたオーディオ&ヴィジュアルフェア(今年で26回になる)に足を運んでみた。春に福岡市で行われているフェアと同じく、オーディオ評論家の福田雅光の主催による“オーディオアクセサリーの聴き比べ大会”が実施されたが、今回は電源周りの機器だけではなくアンプとプレーヤー等を繋ぐラインケーブルも扱っていたのが興味深かった。

 その中で印象に残ったのは、アメリカのケーブルメーカーDH LabsREVELATIONである。同社の製品は多くのレコーディングスタジオで使用されているらしいが、それも頷けるほど聴感上の特性がフラットでクセが少ない。しかも、中高域が明るく活発で聴いて楽しい音でもある。



 工程に銀素材を多用している製品だが、昔から言われてきた“銀は音像が細身になり、カン高くなる”といったことはない。司会の福田も“銀に対する従来の見方とは異なる音だ”というようなことを述べていた。REVELATIONは定価5万円と安くはないが、同ブランドでは安価な製品もあり、機会があれば入手してみたい。

 他にはインシュレーターのKRYNAのD-DROP extendも注目に値する製品だ。主にアンプ類の下に敷くことを想定されたモデルだが、効果は大きく、音場の見通しが確実に良くなる。アンプ類のインシュレーターの装着としては、アンプの足をスパイクに履き替えるといったものが多かったが、これはアンプ底板の任意の位置にセットすることが出来るので、使い勝手が良い。こういう方式の製品は手軽な音質向上ツールとして有用であろう。

 残念だったのがアメリカのハイエンドメーカーNVS SOUND CABLEのラインケーブルS1-XLRで、50万円というトンでもない価格ながら、やたら中低音を協調した芝居がかった展開で、とても好みに合わない。やはり、オーディオアクセサリーというのは値段では決められないものだ。

 フェア会場で展示されていたスピーカーやアンプ類は過去にショップで聴いたことがあるものが多く、とりたててリポートするべきものはない。ただひとつ、イタリアのDiapason社のスピーカーAsteraは今回初めて接することが出来た。



 サイズはコンパクトなのにバカ高いというイヤな値段設定の製品である(爆)。だが、現代美術のオブジェのようなフッ切れたデザインと丁寧な仕上げにより、屹立したエクステリアを実現させている。サウンドは見事な美音調で、深くてコクがある。特にヴォーカルや弦楽器の再生では地に足が付いた表現力を見せ、聴き手をとらえて離さない。まさしくハイエンドの音だ。

 PIONEERの新型アンプA-70は主要な家電量販店でも見かける機種だが、当フェアではメーカーの担当者からじっくりと説明を聞くことが出来た。同社初のデジタル駆動アンプで、しかもDAC内蔵。音はこのメーカーらしいフラット指向で滑らかなものだが、スピード感と音のキレをも併せ持っている。音色面でもスピーカーを選ばず、汎用性は高い。前にDENONの新製品PMA-2000REを紹介したが、A-70もそれに劣らず良い製品である。

 仕様はモダンだが外見が復古調なのもA-70の面白いところで、ヴォリュームつまみがアルミ無垢であるのは嬉しい。PMA-2000REほど図体はデカくないので、幅広い層にアピールしそうだ。

 さて、この会場は遮音が良くない。大部屋をパネルで仕切っただけなので、隣の部屋の音が大々的に漏れてくる。もうちょっと何とかして欲しい。とはいえ、北九州市のオーディオファンにとっては楽しみなイベントであることは間違いなく、今後も続けて欲しいものだ。
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