元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スペーストラベラーズ」

2011-12-03 06:40:01 | 映画の感想(さ行)
 2000年東映作品。人質と共に銀行に立てこもるハメになった3人組の強盗を描く犯罪コメディ。監督は「踊る大捜査線」シリーズの本広克行だが、この演出家は当時良くも悪くもテレビ屋としての実力しか持ち合わせていなかったことを痛感する。それだけに、本作のように脚本がボンクラだったら、表面的にバラエティ番組のノリで笑わせることが出来ても、観終わっての印象が限りなく希薄になるのは仕方ないかもしれない。

 人質の中に“都合良く”手配中の国際テロリストがいたり、人質の一人が犯人のライフルを奪って“あさっての方向”に発砲したりといった、とてもあり得ないプロットの甘ちゃんぶりを個々に指摘したらキリがないのでやめておくにしても“いかにも放送局の近所で撮りました”ってな映像の安普請さはカンベンしてほしかった。



 公開当時はシドニー・ルメット監督の傑作「狼たちの午後」との共通点を指摘した評があったように思うが、ハッキリ言って比べるのもおこがましい(笑)。犯人役の金城武や安藤政信、池内博之。そして深津絵里や渡辺謙、筧利夫、浜田雅功、大杉漣といった多彩な面々を揃えているにもかかわらず、単なる“顔見世興行”にしかなっていないのも脱力だ。

 あと、金城が日本語で演技するのは違和感が拭いきれない。もっともこれは香港映画で最初彼を知った我々映画ファンだけの感想で、テレビドラマでしか認知していない一般ピープルにとってはどうでもいいことなんだろうけど(^^;)。
コメント
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