元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

SOULNOTEの新製品を試聴してみた。

2011-12-01 06:39:15 | プア・オーディオへの招待
 2006年に発足した国産ガレージメーカーである「SOULNOTE」の新しいアンプの試聴会に足を運んでみた。とはいっても展示されていたのは完成品ではなく、数ヶ月後に正式に発表されるモデルの“試作品”である。

 この“試作品”は完成しているのは回路部分だけで、取り敢えずは適当な筐体に装着されている。まるでカボチャのように大きなトロイダル型の電源トランスに目が引かれたが、驚くべきことにこれは(スピーカーを駆動させるための)メインアンプではなく、ヴォリュームや入力切り替えを担当するプリアンプなのだという。しかも、筐体は電源部を完全分離させるために2つに分けられている。

 スピーカーをドライヴさせるために強力な電源を備えたメインアンプはよく見るが、プリアンプにこれほど大きな電源を搭載した機種はあまり聞いたことはない。居合わせた設計者の話によると、プリアンプの段階でノイズをキャンセルさせるためには、電源部を徹底して練り上げなければならないとのこと。



 試聴会に使われた他のシステムは、CDプレーヤー(トランスポートとして使用)がsc1.0、DAコンバーターがsd2.0B、プリアンプが前述の“試作品”で、メインアンプがsa4.0BをBTL接続によるモノラル駆動で2台使い、スピーカーがsm10。もちろんすべてSOULNOTE製品である。

 正直言ってsm10の音は単体ではどういうキャラクターを持った製品なのかよく知らないのだが、実際出てきた音は口径12センチのユニットとは思えないほど低域が伸び、音場も深い。特に一点の乱れもない音像定位には舌を巻いた。少なくとも、高いレベルで使い込む際に問題になるデジタルアンプ特有のノイズ感とは無縁だ。

 さて、SOULNOTEはSACD(スーパーオーディオCD)には対応していない。設計者によれば“普通のCDの情報量を完全に引き出していない段階で、SACDのような次世代メディアに移行する意味はない”とのことだ。ともあれ、一番のソフトの数を網羅しているメディアは通常CDをおいて他にないので、それを差し置いてSACDやPCオーディオを持て囃すのは何か間違っている・・・・という見方も出来るだろう。

 今回の“試作品”のプリアンプだが、最終的な値付けは80万円程度になるかもしれないとのことだ。発売後の評価が楽しみである。
コメント
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