元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ミシェル・ヴァイヨン」

2011-02-05 18:47:45 | 映画の感想(ま行)
 (原題:Michel Vaillant )2003年作品。スピードに命を賭けるカーレーサーの戦いをスリリングに描く。クライマックスは主人公ミシェル・ヴァイヨンがル・マン24時間耐久レースで宿敵チームと対決するシーンになっている。

 リュック・ベッソンの製作会社の作品だ。単純なキャラクター設定と御都合主義的な展開はまるでマンガだ・・・・と思っていたら、原作はコミックだった(笑)。この手の映画にドラマの深みなど求めても仕方がないので、とことん“外見”を楽しむしかないだろう。

 クルマのCFを手掛けて名をあげた監督ルイ・パスカル・クブレアの仕事ぶりは、その意味で及第点には達している。実際に参戦して撮られたレース場面は派手さよりもスタイリッシュさを狙っており、鋭いカッティングの連続も相まってクールな美しさを醸し出している。スタート直前の静寂を蝶を使って表現するあたりも(多少臭いが)大いに納得してしまった。

 主人公役のサガモール・ステヴナンとヒロインに扮するダイアン・クルーガー(本作ではフランス語読みのディアーヌ・クルージェという表記をされている)も浮世離れした優美さを見せる。それにしても、活劇の代名詞だったカーアクションはCGに頼りっぱなしのハリウッドの手を離れ、完全にフランス映画の専売特許になった観がある。ここいらでアメリカ映画にも奮起を期待したいところだ。
コメント
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