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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「裸足の1500マイル」

2011-02-07 06:30:14 | 映画の感想(は行)
 (原題:Rabbit Proof Fence)2002年作品。オーストラリア政府のアボリジニ差別政策を告発する実録ドラマ。母親に会うために寄宿舎を脱走し、ひたすら荒野を歩き続けた少女たちを描く、実話の映画化だ。

 映画の舞台は1931年だが、つい30年前ほどまでオーストラリア政府が原住民であるアボリジニを居留地に隔離し、混血児たちに白人社会への同化教育をさせるという理不尽な政策を行っていた事実に驚かされる。監督のフィリップ・ノイスも義憤に駆られてこの映画を撮ったのだろう。

 ただし、施設を脱走した3人の混血少女たちの苦難の旅という物語の主眼が映画として面白くできているとは言い難い。実話を元にしているとはいえ、展開が平板に過ぎる。もっとエピソードの掘り下げやサスペンスを織り込んで欲しかった。

 クリストファー・ドイルのカメラとピーター・ガブリエルの音楽も今回は不発だ。なお、保護官を演じるケネス・ブラナーは、善意の名によって平然と差別を行う白人エリートの夜郎自大ぶりを上手く演じていたと思う。
コメント
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