元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「YMCA野球団」

2011-01-27 06:36:57 | 映画の感想(英数)

 (英題:YMCA Baseball Team)2002年作品。私は第17回の福岡アジア映画祭(2003年)で観た。20世紀初頭、野球黎明期の韓国で日本軍の野球チームに挑戦した人気アマチュアチームを描くスポ根コメディ。主演のソン・ガンホが以前主役を演じた「反則王」とよく似たテイストを持つ映画だ。

 一本気な主人公が、やったこともないスポーツにハマって、やがて徒手空拳で強豪に立ち向かうようになる。その奮闘ぶりが笑いを呼ぶ。特にラスト近くのチームがピンチに陥った時に颯爽と登場する場面は、本人が大真面目なだけに哄笑の嵐である。

 キム・ヒョンソクの演出は派手さはないが、丁寧で好感が持てる。主人公達が野球をやり始めるプロセスも無理なく描かれているし、何より茶系をメインとしたノスタルジックな画面作りが印象的。

 また、日本軍人役として伊武雅刀と鈴木一真も出演している。韓国映画で日本の俳優を見るのは当時は初めてだったが、日本人をそれほど悪し様には描いておらず、最後まで単なる“主人公達のライバル”として扱っているのは気持ちが良い。

 舞台挨拶に立った監督もそのことについて“私が作りたかったのはスポーツ映画であり、イデオロギーとは無縁でありたい”という意味のコメントを述べていたが、冷静な態度だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする