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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「エイリアンVS.プレデター」

2005-11-20 18:28:48 | 映画の感想(あ行)
 謳い文句にある“どちらが勝っても、人類に未来は無い!”というのがウソっぱちだったのには苦笑い。そして、明らかに異常な事態にもかかわらず主人公達は危ない場所にノコノコ出掛けていったり、厳寒の南極において終盤ヒロインはシャツ一枚で戦ったりと、突っ込みどころはけっこうある(爆)。

 が、しょせん怪獣映画なので、マジメに観るとバカみたいだ。クリーチャー同士の肉弾戦をプロレス観戦気分で楽しんで、観賞後にはそれをネタに仲間と居酒屋で与太話に興じるというのが正しい接し方だろう(笑)。

 ポール・W・S・アンダーソンとかいう監督の演出は可もなく不可も無しだが、一部「CUBE」の物真似が入るのは御愛敬。


 それにしても本家「エイリアン」のパート5は製作されるのだろうか。今まで“気鋭の新進”ばかりを監督に起用してきたこのシリーズ、もしも作られるとしたら誰が演出に当たるのか少し楽しみではある。
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「透光の樹」

2005-11-20 18:26:12 | 映画の感想(た行)
 ある意味“スゴい”映画だと思う(笑)。高樹のぶ子による谷崎潤一郎賞受賞作品の映画化だが、ガンで余命幾ばくもないはずなのに見た目は健康体そのものである永島敏行と、誰も頼みもしないのに勝手なモノローグを捲し立てる秋吉久美子とのよろめきシーンが延々と続くだけ。しかも、ストーリーは御都合主義的かつ行き当たりばったりで、マジメに観ているとバカバカしくなる。

 しかし、この映画はそんな作劇の不手際を超越した興趣を感じさせるのも確か。それは主演二人の、往年の大映ドラマもかくやと思わせる極限にまでにクサいセリフの連発と自己陶酔的な大げさ演技のオンパレードが、単なる“ダメな映画”の枠組みを逸脱して、歪んだエンタテインメントの一種として昇華しているからだ。

 根岸吉太郎の演出もヤケクソと言うしかなく、ここまで開き直ってくれるとある意味天晴れだ。たぶん当初の予定通り萩原健一が主演していたら“フツーの駄作”になっていたかもしれない。日野皓正の音楽も、それ自体は悪くないものの、映像とあまり合っているとは思えない。

 たぶん、あと十年ぐらい経ったら“カルト映画の極北”としての地位が確定し、特定の好事家の興味を引き続けることだろう。
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「隠し剣 鬼の爪」

2005-11-20 18:22:44 | 映画の感想(か行)
 前作「たそがれ清兵衛」とまったく同じ設定のドラマであることに面食らった。違いといえば主人公が多少若返ったぐらいか(笑)。山田洋次監督としては「男はつらいよ」と同様の“単一パターンのシリーズ”のつもりかもしれない(そういえば吉岡秀隆や倍賞千恵子などの寅次郎の取り巻きも顔を見せている)。でも、それなら前作以上の趣向を見せないと意味がないはずだが、本作にはそれが見当たらないのだ。

 「たそがれ~」にあった中盤からの主人公の凄腕ぶりを示すエピソードはなく、本格的な斬り合いの場面は終盤のみ。しかも、これが前作の真田広之と田中泯との死闘とは比べ物にならないほどの低レベル。永瀬正敏も小澤征悦も、殺陣の何たるかをまるで理解していない。必殺技「鬼の爪」が何の脈絡もなくラスト近くに突然出てくるのにも呆れた。

 高島礼子や緒形拳の扱いはTVドラマ並みに下世話だし、ヒロイン役の松たか子に至っては完全にミスキャスト。あまりに健康的すぎて“やつれたね”なんてセリフが完全に浮いている(笑)。

 山田監督は次作で某有名タレントを主演に時代劇を撮るらしいけど、ぜひとも、もうちょっと別のネタを採用して欲しい。少なくとも「学校」シリーズの二の舞だけはゴメンである。
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