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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「僕の彼女を紹介します」

2005-11-22 08:47:07 | 映画の感想(は行)
 同じ監督・主演女優のコンビによる「猟奇的な彼女」に続いて“前半はお笑い、後半で泣かせ”という二段構造を取っているが、相変わらず作劇は上手くない。

 冒頭のヒロインの“投身自殺(?)”のシーンをはじめ、普通の映画ではクライマックスになるような場面をずらっと並べすぎて(しかも、それぞれの撮り方は万全とは言い難い)、ラスト近くの本当の見せ場があんまり盛り上がらないのだ。そもそも、このネタで2時間を超えること自体が、脚本の不手際を如実にあらわしている。

 だが、やはり今回も主演女優の魅力は圧倒的で、ドラマ運びの難点など笑って許してしまいたくなるのだから世話はない(爆)。つくづくチョン・ジヒョンはアジア屈指の若手女優だと思ってしまった。キレイな黒髪と堂々とした体格。どんなに粗暴な外れ者の婦人警官を演じようが、品の良さは隠しようがない。全編プラトニックな関係を押し通しても全く不自然ではないところも大したものだ。この監督(クァク・ジェヨン)とのコンビ作がまた製作されたならば、やっぱり観に行きたくなる。

 あと、X-JAPANの曲が“泣かせどころ”で高らかに響くのは日本人の観客としては苦笑いしてしまった。
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「オールド・ボーイ」

2005-11-22 07:03:43 | 映画の感想(あ行)
 カンヌ映画祭で「華氏911」と大賞を争った韓国映画だというが、どうも私は好きになれない。まず、画面が汚い。そして出演者たちの演技が胸焼けを起こすほど過剰。15年ぶりにシャバに出た主人公が日本料理屋(?)で生ダコを食うシーンがあるが、たとえて言うなら食いたくないのに無理矢理にタコの活き作りを口に押し込められたような不快感を覚えてしまうのだ。

 まあ、以上は私の「感想」に過ぎないのだが、それを抜きにしても何とも釈然としない筋書きではある。前半、主人公がコツコツと穴を掘って外に出ようとするシークエンスが何の伏線にもなっていないのを始め、突然解放されたことをまったく疑問にも思わず、さっさと自分の「復讐」に専念してしまうのは脳天気に過ぎるのではないか。

 彼に絡む若い女の「正体」も中盤で観客に勘付かれてしまうし、さらに「監禁の理由」に至っては正直な話アホらしいとしか言いようがない。思わせぶりなエピローグも蛇足だ。

 パク・チャヌクの演出は粘着質に過ぎ、ウェルメイドに徹した前の「JSA」とは雲泥の差。主演のチェ・ミンシクを含め、キャストには個人的に何の魅力も感じなかった。ただし、この血の気の多さはカンヌ審査委員長のタランティーノ好みであった事だけは納得できる。
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