元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「Ray/レイ」

2005-11-29 06:53:28 | 映画の感想(英数)
 レイ・チャールズの半生を要領よくまとめた作品だが、感銘度は低い。

 幼い頃に父が家庭を捨て、貧困の中で母と暮らし、そんな逆境をバネにして世に出たはずが、妻以外に多くの女を作り、挙げ句の果てはドラッグに溺れる。要するにロクデナシの父親と同じことをしているわけで、違いと言えば“ビッグになってカネが出来、好き勝手に振る舞えた”という状況だけ。そのジレンマと葛藤を映画は深く突っ込まない。

 監督にテイラー・ハックフォードという“面白味のない人材”を起用したことも大きいが、作品自体が“レイ・チャールズの追悼イベント映画”みたいな性格で製作されているフシがあるのは愉快になれない。

 子供時代の親子関係が後の人生に大きく影響を与えたというのなら、晩年近くの主人公が幼い頃を回想する形式にした方がはるかにドラマを感動的に仕立て上げることが出来ただろう。

 それにしても、我々がよく知っているレイ・チャールズのヒット曲の数々が、彼がヘロインにどっぷり漬かっていた頃に生み出されたものが多いことは、改めてミュージシャンとドラッグの関係性を考えさせられる。

 使われている楽曲及び演奏シーンは文句なし。美術も良い。主演のジェイミー・フォックスは熱演だが、モノマネに終わっているという意見も出るかもしれない。
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福岡古楽音楽祭

2005-11-29 06:50:37 | 音楽ネタ
 ちょいと古い話ですが、9月に行われた第7回福岡古楽音楽祭のコンサートに行ってきましたので、リポートします。私が行ったのは9月24日の「バルトルド・クイケン/フルートリサイタル」(於:あいれふホール)。演奏メンバーはバルトルド&ヴィーラントのクイケン兄弟のほか有田正広(フルート)、寺神戸亮(ヴァイオリン)ほか。

 さすが世界有数のバロックフルート(フラウト・トラヴェルソ)奏者のB・クイケン。凄いテクニックだ・・・・と感心はしたものの・・・・ねっ、眠い。何なんだこの眠たさは(爆)。コンサートが中盤にさしかかると、隣の席も前の席も居眠り状態ではないか(笑)。やっぱり原因は曲目だろうな。第一曲目のヘンデルはまあいいとして、S・L・ヴァイスだのF・ドゥヴィエンヌだの、一般には馴染みが余り無い作曲家の、これまたマイナーな曲目ばかりが並ぶ。まあ、いくらマイナーな曲でも、アピールできるものであればいいのだが、どう聴いても乗れないナンバーばっかりだ。

 音楽祭の意図がどうか知らないが、もうちょっとポピュラーな線を狙っても良かったのではないかな。とはいえ、会場は満員。ポピュラーな曲目を並べて観客動員数を増やし、もうちょっと広いホールでやるという方法もあるが、あまりデカい小屋だと古楽器のコンサートには適さないだろうし、難しいところだ。

 ラストでやっと知っている曲(J・S・バッハの「音楽の捧げもの」)が演奏され、ようやく目が覚めたという感じだった。あー、やっぱりバッハは良いなぁー(^^;)。
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サテンの夜(Nights In White Satin)

2005-11-29 06:47:47 | 音楽ネタ
 映画「ステルス」の中で、いきなりムーディー・ブルースの名曲「サテンの夜(原題:Nights In White Satin)」が流れてきたのにはびっくりした。演奏しているのはグレン・ヒューズとレッチリのチャド・スミス、ジョン・フルシアンテらしい。

 実を言えば、この原曲は相当好きですね。60年代の曲なので、私が十代に初めて聴いた頃にはすでにナツメロだったわけだ。あの大仰なアレンジと意味のないスケールのデカさ。そしてほとんど意味の分からない歌詞。いやぁ、最高です(爆)。

 彼らのアルバム「童夢」ってのを昔持っていましたね。何より徹底して「うしろ向き」の歌詞が印象的。時代を感じさせました。

 また、「ステルス」のサントラにはインキュバスが3曲も提供しているとのことで、ちょっとCDが欲しくなってきた私です(映画は“お笑い”だったけどね ^^;)。
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