気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2010-06-21 17:13:21 | 朝日歌壇
渦潮は鳴門のえくぼ、橋わたる遍路の鈴の音しばし止まりぬ
(神戸市 内藤三男)

青空より青いビニールシート敷き牛を葬る五月の野辺に
(埼玉県 小林淳子)

初めての訪仏前の我すでにグーグルアースで観光終えぬ
(三鷹市 坂本永吉)

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一首目。四国のお遍路さんも、渦潮に見とれて歩みを止めたことを、鈴の音に託したのが良いと思う。えくぼの言葉もうまい。えくぼのあとの「、」がえくぼに見えないだろうか。
二首目。ブルーシートは、ホームレスの人たちの住まいだったり、災害時や事件のときに登場することが多いので、禍々しいものを感じさせる。青空より青いという把握が新しい。
三首目。いつからかグーグルアースの歌もよく見るようになったが、改めて読んで面白い。じゃあなんで海外旅行するの?やっぱり現地の空気に触れて見ないと旅行は意味がない。