気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

日輪 永田紅歌集

2005-01-15 17:21:01 | つれづれ
人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天

両岸をつなぎとめいる橋渡りそのどちらにも白木蓮(はくれん)が散る

水兵のリーベ 日の射す理科館に十六のわれら淡く眠りき

ああ君が遠いよ月夜 下敷きを挟んだままのノート硬くて

ピペットに吸い上げらるる透明を寄り眼しながら測りておりぬ

(永田紅 日輪 砂子屋書房)

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サラブレッド永田紅の第一歌集。
左京区の馴染みのある地名がつぎつぎ出てきて、それだけでも私にはうれしい。
また、理科系の人で実験の歌もある。すべてが若々しい。