テレビを見ていてビックリ!
ロシアの制裁措置として、SWIFTからの排除のニュースがでていたのですが、スイフトの説明として「ドル建ての国際送金システム」って報道されていたのです!
「えっ!」って感じ。銀行は、SWIFTを使って、ドルだけではなく、円建て送金も、ユーロ建て送金も、元建て送金も、その他諸々の通貨の決済を行っています。「ドル建て」ってどういうことよ?すべての海外送金について、一旦ドル建てに交換し、アメリカの銀行を経由して、その他の海外にバラまいているとでもいうのでしょうか?
いや、私が知らないだけで、「フラ夫さん、SWIFTってドル建て限定なのですよ!」って、みんなが思っているなら申し訳なのですが、私の認知の範囲内において、このニュースは「誤報」なのですが。それとも、アメリカがドルだけ除外するよう求めているのか??
更に、某コメンテイターが「ドル建てがダメなら、コストはかかるけど、CIPSという中国元決済システムで対応するから中国の地位が高まる」って感じのコメントをしていました・・・はぁ、そうですか。中国元ね、、、、
で、そのCIPSという決済システムにまで、どのように、お金を繋ぐのか?
昔、海外送金は「紙」ベースでした。「××銀行にある○○さんの口座にお金を送ってね!」と、郵便でやっていました。ニセ郵便があるので、銀行同士、文書にサインする人の署名を交換しておきます。それが、いわゆる「署名鑑」です。でも、時間はかかるし、紛失する恐れがあるし、サイナーのサインが判別できないこともあるし。結構、トラブルの多い送金方法。それが、国際電話が普及し、その回線をつかってTELEX(テレックス)で送金を取り組む方法が取り入れられ、電信送金が主流となっていきます。スピーディですが、当時、国際電話回線を使うのは非常にコストがかかり、また、民間でも発信できるのでニセテレックスも怖い。だから、暗号表のようなテストキーを交換しておきます。「月」ごとに乱数、「日」ごとに乱数、当該銀行に発信するメッセージの採番順に乱数・・・・と言った感じで合計した数字をテレックスの文面に記載して、当行が発信した本物であることを送金先に知らせます。
テレックスの通信コストは1本数千円。しかも、真偽を判別する数字の計算は手計算なので手間暇かかるし、相手の銀行がトータルの数字を間違えることも多々あり、それはそれ、かなり煩雑。
でも、今言った話は、銀行で外国為替をやった古株の「回想」でしかありません。なぜなら、今は、すべてSWIFTで対応しているから。通信コストは100円もしない優れもの。しかも、セキュリティ万全。銀行と、一部、民間企業しか加盟していませんから。「紙」やら「電話回線」とは全く違う仕組み。
中国元で送金するにしても、結局、中国の銀行に「ロシアの○○銀行にある××さんにお金を入金してくれ!」ってメッセージを、金融機関同士で受け渡しするためにはスイフトのネットワークを使わざるを得ず、CIPSの枠組みに送ることができません。スイフト(国際銀行間金融通信協会 のネットワーク)でロシアシャットアウトってことになると、安全かつ安価かつ全世界にネットワークとして構築している枠組みで「ロシア」に関するキーワードが入ったメッセージがはじかれることとなります。いったい、どうやって送金するのやら。。。
国内の振込は、すべて日銀を仲介して容易に送金できますが、海外送金は、本当、個々の銀行の相対取引なので大変煩雑です。マネーロンダリングの問題もあるし、数十億円、数百億円のペナルティもざら。たしか、
フランスの銀行が1兆円近いのペナルティを請求されたこともあったっけ?今の海外送金は、それほど、神経を使う取引となっており、その分、国内と比べ、手数料もかなりお高くなっています。
他の、報道番組でも、コメンテーターが「ドル建て送金除外」と叫んでおられました。なら、中国元じゃなくて、ユーロ建てでやるのが一番妥当なはずなのに・・・私の把握していない条件が他にもあったら申し訳ございません(先に謝っておきます)、、、ですので、ロシアがスイフトから除外された際の内容を注視していきたいと思います。