BIKEBIND自転車日記ブログ2

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スラム・MTBホイール ライズ60&40

2011-12-18 15:57:00 | 自転車
さて、ようやっと出てきました。……別にさぼっていたわけではないですよ?

ジップの吸収からかなり時間が経ちましたが、ようやくといった感じです。ちなみに安いモデルはスラムブランドで出してはいたのです。でも世間がスラムに望むのはそういうものではないですよね?

ライズ60
ライズ40


各々26インチを29erモデルを揃えます。






ライズ60 29er



ライズ60 26




ライズ40 29er




ライズ40 26



















http://www.sram.com/sram/mountain/series/493
http://www.bikerumor.com/2011/10/06/sram-rolls-out-new-rise-mountain-bike-wheels-in-carbon-alloy/



位置づけ的にはXCからオールマウンテンの間といったところでしょうか。スラムのことなのでもっととんがったところから攻めてくると思ったのですが(苦笑)。

スペックは

●ライズ60 29
ハブ アルミ F:クイック/15㎜スルーアクスルコンパチ R:クイック/142×12㎜スルーアクスルコンパチ
リム UDカーボン 3Kフィニッシュ 左右非対称構造
スポーク サピム・CX-RAY ストレート
重量 1420グラム

●ライズ60 26
ハブ F:クイック/15㎜スルーアクスルコンパチ R:クイック/142×12㎜スルーアクスルコンパチ
リム UDカーボン 3Kフィニッシュ 左右非対称構造
スポーク サピム・CX-RAY ストレート
重量 1330グラム

●ライズ40 29
ハブ F:クイック/15㎜スルーアクスルコンパチ R:クイック/142×12㎜スルーアクスルコンパチ
リム 6000系アルミ 左右非対称構造
スポーク ステンレス
重量 1840グラム

●ライズ40 26
ハブ F:クイック/15㎜スルーアクスルコンパチ R:クイック/142×12㎜スルーアクスルコンパチ
リム 6000系アルミ 左右非対称構造
スポーク ステンレス
重量 1710グラム

といった感じです。カーボンモデルのライズ60 26は軽量ホイールとして名高いマヴィック・クロスマックスSLRの1430グラムを凌ぎます。29erモデルも1500グラムを切っていますから、相当高い戦闘力を持つでしょう。イーストンの新型ホイールと共に、次世代型に先んじたホイールです。

リム幅は内側が19㎜なのでまあまあの幅です。1.9~2.4インチタイヤ対応とのこと。ちゃんとジップの工場で作っているみたいです。

ハブはかなりシンプルです。もうベアリング以外はスッカラカンといった感じです(笑)。これによってシャフトを簡単に交換できるようにした模様。気になるのは……、耐久性です。ハブはやっぱり難しいのです。ただ剛性があるだけでも、軽いだけでもダメです。ヘンなところに作らせていなければいいのですが……。

構造自体は60も40も同じようです。フリーのノッチは54ですね。面白いラチェット部になっていて、いわゆる外歯式なんです。つ目が内側で溝が外側(カセットボディ側)に付いているのです。マヴィックも位置関係的には同じですが、径が違います。上手いことオーバーサイズ化がされているので、強度も高いでしょう。

なにより賢いなあと思うのは、29erモデルを外していないことです。しかもなかなか軽量。時代を読む目があります。前後ともスルーアクスルコンパチにすることで、余計な在庫リスクも減りますし。ユーザーがバイクやフォークを変えたとしても柔軟に対応できます。

まあスラムのことですから、これだけに留まらないでしょう。20㎜アクスル対応のオールマウンテンやDHモデルも期待して良いと思います。

2012年はスラムMTBコンポはそんなに話題がありませんが、このホイールは輝いていますね。





良い画像がありました。カセットの歯部分は3つですね。ベアリングも見えるので、リアハブは4ベアリング式というのもわかりました。フロントは2ベアリング式ですね。




そしてフロントエンド、オーバーロックナット部分です。クイックとなっていますがそのクイックにも二種類あるようです。通常の9㎜径と、スペシャライズドが最近採用した大口径クイック(20㎜径くらい)が選択できるようです。このエンドを付けられるフォークは少ないのですが、対応製品が増えると面白いです。XCではスルークイックはなかなか使われませんが、これなら多少の設計変更でなんとかなりますし、大幅な剛性向上が見込めます。

http://singletrackworld.com/2011/12/sram-2012-rise-60-carbon-wheelset-first-ride/#panel-4



イーストンホイールの製作現場を見てみよう

2011-12-18 01:48:00 | 自転車
イーストンホイールの製作現場です。二つありかなり重複していますが、大切な行程が別に存在するので見てみると面白いです。

素材屋が原点であることもあり、カーボンなどの作りは手慣れたものです。ただグラフィックがあまりにもメーカーを主張するため、どのバイクにも似合うかと言われると厳しいところがあります。でも良いホイールですよ。








昔、先輩に「カーボンは金属フレームのビルダーのように、作る人によって違いはありますか?」と聞いたことがあります。その時の答えは、条件付きながら「NO」でした。

製作現場の画像を見ると、プリプレグの切断はコンピュータ制御された切断機によって行われていますし、張り込む順番、位置も細かく指定されています。いわゆるマニュアル化を徹底することで、品質の誤差を可能な限り少なくしています。

ですが……、どうやら作る人によって差は出るのではないか? と私は思い始めています。ハンドレイアップなどよりは少ないとは思いますけど。いくら機械裁断とはいえ不良品もあるでしょうし、それを指摘する、あるいは弾くのはまさに張り込む人の仕事。そして張り込む位置も手作業であるために、全て同じとはいかないはずです。フィラメントワインディングのように機械で均一に巻き付けていくなら話は別ですが。

その証拠と言っては何ですが、カーボン製品でも同じ製品でも重量差があることは常識です。1~3クラムとかなら誤差に近いですが、20グラムとかになるとどこかが間違っているのでしょう。

結局カーボンは第一次の形にする工程がそのまま製品に反映されます。金属のように溶接する誰かがチェックしたり補正したりしないのです。とするとやはり個体差があると考えるのが妥当です。もちろんちゃんとしたメーカーは極端な製品は弾くでしょう。しかし中華カーボンなどは穴でも空いていない限りそのままです。これを大きな違いと取るか、些細なことと取るか……。

イーストンに話を戻しましょう。

最近同社は精度がイマイチです。素材的に見たら削りだしより鍛造の方が信頼できるというのは分かりますが、かなりお粗末な仕上げが多いです。まともなのは削りだしに回帰したヘヴンとハヴォックだけでしょうか。

さらに元々が素材屋であるだけに、機械的部品が苦手です。ハブはその最たる例でしょう。ヴェロマックスの技術が生きていて、回転性能は非常に良い(EA90SLXは10万円台前半なのに、セラミックベアリングを搭載しているのです!)のですが、残念ながらすぐガタが出ます。シャフトはただアーレンキーで左右から締め込んでいるだけなのでさもあらんといったところなのですが……。それさえなければもっと評価されて良いホイールだと思います。特にリムは非常に強靱ですから。カーボンリム単体は最高級の性能だと思いますよ。