BIKEBIND自転車日記ブログ2

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ケーンクリーク・AER

2009-06-10 21:52:00 | 自転車






面白いヘッドセットです。いままでなかったのではないでしょうか?

ブッシュベアリングを採用したケーンクリーク・AERシリーズです。

面白い、実に面白いです。

ブッシュ(ドライ、またはオイルレスともいう)ベアリングのメリットは耐久性、軽量、油脂を使ってはいけない所に使用できる、音鳴りの軽減、放熱性、価格といったところにあります。

スペックを見るとその軽さに目を疑います。なんとノーマルタイプで46グラム、インテグラルタイプに至っては33グラムというような信じられないような重量です。今後超軽量なショーモデルなどには必須装備になるかもしれません。

AERはノルグライドのX2コンポジットベアリングという製品を採用しています。ノルグライドの製品にも様々なグレードがあり、ちょっと断定は出来ないのですが、おそらくクラッド綱にフッ素樹脂をコートしたタイプかと思われます。

ボールベアリングを使うよりも圧倒的に接地面を多く取ることが出来、瞬間的な最大耐負荷は圧倒的にブッシュベアリングが上回ります。

耐荷重は非常に高く、油脂が不要なのでいいことづくめな気がしますが、果たしてどうなのでしょう?

ベアリングは難しいです。知れば知るほどそう感じます。無負荷、実際の負荷、理論値、メーカー推奨、メカニックの経験値、使う人のフィーリング……正解はどれなのか今でも断じることは出来ません。

ただブッシュベアリングは回転が重いです。これは実感です。多分ロードレーサーは嫌うでしょう。クリスキングのベアリングの重さを感じる人はまずダメでしょう。走れる人になればなるほどハンドルに力は入らず、かといってサドルにどっかり座ることもなくなります。バイクは腰で動かすという昔から言われることがここで実感できます。腰という力を収束させるのが難しい部分で、しかも間接的にハンドルを動かすという動作を行う場合、軽快な動きが求められますね。それはヘッドとBBの調整がショップの職人芸だったことと無縁ではありません。

曖昧な言い方ですが、ベッドセットは『なんとなく』動く部分です。BBなどのベアリングのように明確に力を使い回す部分ではありません。無意識に動かす部分が重くなると……、いろいろなリズムが狂ったりしてしまいます。

個人的にはヘッドセットは5年くらい保ってくれればいいと思っています。110年も要りません(笑)。その期間ちゃんと滑らかに動いてくれれば。一生涯保つけど重いのは私はご免です。

このヘッドセットもどうなることか? 個人的にはツーリングバイクなどに最適かと思います。

重量で行けばクランクブラザーズのコバルトなどが張り合う重量であります。

耐久性ならテーパーローラーベアリングかニードルベアリングがあります。アンギュラコンタクトベアリングでも方向を考慮して作れば全く問題ないでしょう。

ケーンクリークは正直、迷走しているようにも見えます。オーリンズと組んだはいいが、全く採用されていないリヤショックや、いつの間にかトラックタイプしかなくなってしまったホイールなど。

この製品は吉と出るか? それとも……?