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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

欧州人のワーク・カルチャー もろもろ

2010-02-20 07:36:51 | ロンドン日記 (日常)
 今の会社のカルチャーなのか、欧州人のカルチャーなのかわかりませんが、欧州で欧州人と働くと、当然、日本とは違った現象が見られます。

 その一つ、「ボスについてのコメント」。

 日本人サラリーマンにとって、呑み屋やタバコ部屋で自分達の上司について同僚と語りあう(尊敬の念であったり、愚痴であったりいろいろですが・・・)のは、誰でも経験があることだと思うのですが、こちらのサラリーマン(ビジネスマン?)は、ボスについての会話(特に、愚痴)というのはあまり聞かれません。そして、それは、役職が上がれば上がるほど、その傾向は強くなるような気がします。

 パブで飲んでいるときでも、食事の機会だったりしても、滅多に聞けません。本音はいろいろ言いたいことがあるだろうと思って、たまに「貴方のボスMr.XXXどうよ?」と水を向けても、返ってくるのは、いつも、あたりさわりの無い回答だけで、ちっとも会話が進みません。

 こっちが日本人だから警戒されているのかなあと思ったりするのですが、どうもそうでも無さそうです。ある人によると、「終身雇用が原則の日本企業と違い、こちらでは上司が自分の生殺与奪の権力(雇用)を握っている。気軽な上司についてのコメントが本人の耳に入って、嫌われでもしたら、生活にかかわるから、こっちの人は上司については決してコメントしない。」とのことです。

 本音と建前を使い分け、くだけた場所では本音トーク・・・というのが日本人のスタイルだと思うのですが、欧州人は、建前は建前で貫きとおすということなのでしょうか。無意識に「本音」にこだわる私(日本人)は、本音の共有でお互いの距離を縮めるという意識があるような気がするのですが、自分を無防備にさらけ出す脇の甘さの表れか、「本音」をわかり合いたいという精神的な幼さの表れなのか、西洋人の態度を見ていると、かえって自分のことが気になります。
コメント
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