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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ルイージのワーグナー〈指環〉:N響9月Cプログラム @NHKホール

2023-09-17 07:24:20 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

Cプログラムの今シーズンオープニングは、ワーグナーの「指環」のディジェスト版(フリーヘル編)です。この曲、この夏のサマーミューザで、ヴァイグレ/読響の演奏を聴いたばかり。今回のN響もルイージとの看板ペアで、こちらも楽しみです。

このフリーヘルの編曲版は延べ15時間の「指環」を1時間の高速で駆け抜けますが、物語の流れを損なわず、聴きどころがしっかり抑えられています。ルイージさんの推進力とN響の個人技・合奏力が融合されたダイナミックな「指環」の世界を堪能しました。

終始、聴かせ処満載のホルン今井首席の美音を初め、金管陣の迫力ある演奏がスケール感一杯。「これぞ、ワーグナー」と聴いていて嬉しくなります。木管・弦・打楽器陣も併せて、ステージ一杯に広がった大管弦楽団から、乱れなくバランス取れた壮大な音楽を聴く快感は何物にも代えがたいです。

聴いていて、ヴァイグレ/読響との比較というよりも、東京春祭でのヤノフスキさんとN響の「指環」が想起されました。オペラそのもののヤノフスキさんと今回のダイジェスト版の単純な比較はできないでしょうが、ヤノフスキさんの時のキレキレで筋肉質な演奏と比べると、この日のN響はよりマイルドで全体としての総合力を感じた演奏です。

とってもハイレベルな演奏を、定期会員メンバーとしてルーティン的に聴かせてもらっているこの機会にとっても感謝です。会場は7割強ほどの入りで、私の周囲も空席いくつもありました。NHKホールという大きな箱なので、致し方なしなのでしょうが、せっかくの機会が勿体ない。勝手な感想ですが、色んな幅広い人が、こういう演奏に触れる機会を得て欲しいと感じます。

開演前の室内楽は、普段間に合わないことが多いのですが、今回は聴けました。クラリネットを主役にしたとっても美しいピースで、早起きならぬ、演奏会の早出は三文の得ですね。

第1990回 定期公演 Cプログラム
2023年9月16日 (土) 開演 2:00pm(休憩なし)

NHKホール

曲目
ワーグナー(フリーヘル編)/楽劇「ニーベルングの指環」-オーケストラル・アドベンチャー-

指揮 : ファビオ・ルイージ

開演前の室内楽
曲目:
ベールマン/クラリネット五重奏曲 第3番 変ホ長調 作品23─第2楽章*
(伝 ワーグナー/クラリネットと弦楽のためのアダージョ 変ニ長調)
ブラームス/クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115─第3楽章

Subscription Concerts 2023-2024Program C
No. 1990 Subscription (Program C)

Saturday, September 16, 2023 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Program:Wagner / Vlieger / The Ring, An Orchestral Adventure
Conductor:Fabio Luisi

Pre-concert Chamber Music Performance
Wagner / Vlieger / The Ring, An Orchestral Adventure

Pre-concert Chamber Music Performance
Program:
Baermann / Clarinet Quintet No. 3 E-flat Major Op. 23—2nd Mov.
(Formerly Attributed to Wagner / Adagio for Clarinet and Strings in D-flat Major)*
Brahms / Clarinet Quintet B-Minor Op. 115—3rd Mov.


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