数年前に新国立劇場で「アルマゲドンの夢」(作曲:藤倉 大、演出:リディア・シュタイアー)としてオペラ化されたH.G.Wellsの原作を原語で読んでみた。Amazonが本当にありがたいと思うのは、こうした洋書が簡単にダウンロードして読める。しかも英英辞書機能を使えば、難度一定レベル以上の単語の意味は原文に注記されるので、辞書を引くことなく読めるのだ。
それでもフィクションを原語で読むのはしんどい。短編なので一気に読み通せるかなと期待したのだが、SF小説独特の世界観などもあって、単語は知っていてもしっかり読むのはかなり骨が折れて、中断に次ぐ中断の上、足かけ2年半かかった。オペラのイメージも残っていることもあって何とか読了した感じ。
作品としては、夢の中の話ということではあるし、第1次世界大戦前の作品(1902年)でもあるのだが、全体主義に傾く国や人々など、古さを全く感じさせないのが凄い。ただ、表紙も含めて挿絵が物語のイメージと離れていて、私の読解力のなさなのか、想像力の違いなのか、わからなかったが、読んで落ち着かないところがある。
小説そのものよりも、こういう英文学をスラスラと読めるようになりたいものだ、という思いが強く残った。