その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある出張の風景 @息をのむ朝 コロラド州デンバー(2)

2019-12-26 07:30:00 | 日記 (2012.8~)

 仕事の方は、クリスマス前にもかかわらずデンバー、ベイエリア、NY、テキサスと全米から集まったメンバーと2日間缶詰になって、来年度の事業戦略、ビジネスプランについて、喧々諤々の議論が展開された。夜のビジネスディナーでは皆々の出身地を紹介する時間があったが、生粋の中西部出身の米国人もいれば、アメリカ人と言っても出身はインド、ポーランド、モロッコ、オーストラリア、中国、日本と実に多様だ。自国中心主義に傾斜するアメリカだが、アメリカってこういう多様性こそが活力のはずなのに・・・。

 海外出張の一番の鬼門は時差と運動不足である。通勤が無くスマフォ歩数計は1000歩未満、日中は会議室で座り切り、食事は朝のバイキングで食べすぎというパターンが多いので、夜中や朝の隙間時間を見つけては、必ずジムのトレッドミルかホテル周辺のジョギングで少しでも体を動かすようにしている。

 そんな中で、夜明け前の風景は仕事のストレスや疲れを吹き飛ばす素晴らしい体験だった。初日の夜は0時前にベッドに入ったが、4時ごろに不意に目が覚め、寝れなくなったまま朝を迎えた(典型的時差ボケパターン)。7時15分の日の出が近づき、「そろそろ外を走れる明るさになったかな」と思ってホテルの外に出たら、日が昇る方向が、夜の名残の藍色と焼けたような濃い紅色が混ぜ合わさった色に染まっていた。ホテルがやや土地の低いところに位置したので、見上げるような形で一部しか見えないのだが、それだけも自然が織りなす色の美しさに立ちすくんだ。


(もっと覆いかぶさるって来るような感じで、色合いもちょっと肉眼とは違うんですが・・・)


(あっという間に色は変わっていきます)

 ホテルの周りをジョギングする。すると、かなた北のワイオミング州の方向に見えるロッキー山脈の頂きが朝日に照らしだされ始め、神秘的な輝きを放っていた。都心から関東山地を見るより遠い距離感だったので100kぐらい離れているのだろうか。遠景ながらも、少しずつ上の方から明るさが下りてくる山々の美しさは、ジョギングの足を全く止め、寒い空気の中、見とれてしまう。20分もいると周囲がすっかり明るくなり、本格的に一日が始まる。心身清まる20分弱のコロラドの朝だった。

余りにも美しかったので、翌朝も0度以下の気温の中、ジョギング兼ねて外に出る。写真でみればきっと同じようなのだろうけど、見る者にとっては時々刻々と変わっていく山の色合いに見惚れるばかりだ。


(時間帯は前日と殆ど同じなのですが、雲とかの出具合で色合いが全然違います)

 帰国日は、クリスマス直前の土曜日と言うこともあり、往路の二の舞は踏むまいと出航時刻2時間以上前の朝5:30に空港に着いた(ここでもウーバーはお迎えの時間を指定できるので、本当に便利である)。この時間でもうセキュリティ・ポイントは人で一杯だったが、スムーズに通過し、サンフランシスコで乗り換え、帰国した。


(朝6:50のデンバー国際空港)

 今年がこんな展開になるとは昨年の今頃は全く想像もつかなかったが、今年は私としては海外出張の当たり年だった。さて、来年はどんな年になるのだろうか。このIT業界、ホントに1年先は闇である。


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