
閉会期が間近に迫ったミレー展に府中市美術館まで出かけました。(なんで、いつもこうギリギリにならないと行かないのだろうか?)生誕200年ということで、丸の内の三菱一号館美術館でもミレー展をやるようですから、今秋はミレー祭りですね。
今回の特別展は、いわゆる「『農民画家』としてだけでなく、ひとりの「人間」としてのミレーの姿にも焦点を当てて」(展覧会HP)、初期から晩年までの作品を幅広く展示する内容になっていました。あまり今まで見た記憶がない肖像画なども多数展示され、ミレーの原点を見るような気になります。
明治の時代からミレーの絵は日本人にとっても人気があるそうですが、私もその一人です。素朴でありながら、労働の厳しさや人間の尊厳がにじみでていて、押しつけがましくない程度に暖かさを感じるところがあるからです。《子どもたちに食事を与える女(ついばみ)》や《慈愛》などは初見でしたが、ストーリーが絵から飛び出してきそうな物語性も魅力の一つです。

《子どもたちに食事を与える女(ついばみ)》

《慈愛》
今回のサプライズは、神話に基づいた大作も描いているのをを知ったことでした。《春(ダフニスとクロエ)》や《冬(凍えたキューピッド)》は暖かさは共通するものの、今まで見たミレーの絵とは異なるダイナミックな迫力がありました。前者は国立西洋美術館蔵、後者は山梨県立美術館蔵ですから、見ているはずなんですけど、どうして今まで気づかなかったのか不思議。

《春(ダフニスとクロエ)》

《冬(凍えたキューピッド)》
都下の美術館ではありますが、会期末ということもあってか、会場は混みあっていました(まあ、それでも上野の美術館とはの混み方とは比較になりませんが・・・)。10月23日までですので、まだの方にはお勧めです。