その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

読響/ スクロヴァチェフスキ/ ベートーヴェン交響曲第3番ほか

2012-09-30 17:59:31 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)
 1週間の癒しに箱根の日帰り温泉に行く予定にしていたのですが、台風接近のニュースを聞いて止むなく断念。どう1日過ごそうかと思案した結果、「当日券あり」のホームページ情報で、東京オペラシティコンサートホールで行われる読売日響のマチネ・コンサートに行くことにしました。

 今日のプログラムは名曲コンサート系。ベートーヴェンの交響曲2番と3番です。指揮は読響の桂冠名誉指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(Stanislaw Skrowaczewski)さん。オペラシティコンサートールは4年ぐらい前に一度訪れたことがあります。ロンドンで言うとカドガンホールを一回り大きくしたぐらいの大きさで、ステージが近いので、奏者に親近感を感じられます。



 まずは、交響曲第2番。オーケストラは結構大きな編成で、私の位置から数えられたコントラバスで6名居ました。明るく豊かな演奏で、初期のベートーヴェンを堪能しました。特に、第2楽章の美しさは秀逸。

 休憩挟んでは、第3番「英雄」。これは、超骨太の熱演でした。スクロヴァチェフスキさんは、明後日89歳になられるそうですが、年輪を重ねた人ならではの正統派(?)の「英雄」です。細かい指示をするよりも、大きく音楽を作っていく様は、LSOのコリン・デイヴィス翁を思い出させてくれます。

 読響の演奏も素晴らしいものでした。弦はN響のような一糸乱れぬという感じではありませんが、厚みのあるアンサンブルは、N響とは違った迫力にあふれていました。自分としては金管陣に比べて、木管陣の突き抜け方が、もっとあっても良かった気がしましたが、終演後、スクロヴァチェフスキさんから最初に立たせられて称賛されていたので、きっと私の耳違いなのでしょう。

 それにしても、ホールによる音の違いは大きいことを実感しました。NHKホールもあの大きさの割には音は悪くないと思ったけど(ロイヤル・アルバート・ホールなんて、もっと悪かったし)、今日のようなコンサート専用ホールに来ると、その違いに愕然としました。このホールがどういう評判なのかは良く知りませんが、残響豊かでふくよかな音が楽しめました。

 ホールを出ると、雨がポツポツ降り始めていました。今日は、台風予想のおかげで、読響から元気を貰った感じです。



読売日本交響楽団
第147回オペラシティ・マチネーシリーズ
2012年9月30日(日) 14:00開演

会場:東京オペラシティコンサートホール  

指揮=スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ベートーヴェン:交響曲 第2番  ニ長調 作品36
ベートーヴェン:交響曲 第3番  変ホ長調 作品55 「英雄」
コメント
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