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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ザルツブルグ音楽祭 フィガロの結婚

2009-09-04 08:09:56 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 夜の部は、オペラです。演目はモーツアルトの「フィガロの結婚」。
お昼のコンサートも華やいだ雰囲気でしたが、オペラはさらにグレードアップした雰囲気でした。


 オペラ劇場は大ホールの横に並立しています。中に入ると、内装も艶やかで、自然と気分が盛り上がります。


 ホールはいつも行くロイヤルオペラハウスと比較すると、小ぶりで、歌手の息遣いまで聴こえてきそうなホールです。


 チェンバロを調律しています。(これは幕間)


 オペラはこれは素晴らしいものでした。フィガロの結婚は初めて見るのですが、冒頭の序曲からその世界に完全に入り込んでしました。CDでは何度も聴いているはずの序曲ですが、ウイーンフィルの甘美な演奏と相まって、こんなにも聴いている人間を浮き浮きと高揚させ、舞台が始まるのを期待させる音楽だったとは、気がつきませんでした。あとは、もうそのまま勢いであっという間の計4時間です。

 声楽陣は、主役から脇役に至るまで、どの歌い手さんも、すごい個性を発揮していました。特に、私にはスザンナ、伯爵夫人ロジーナ、小姓役ケルビーノの女性陣が素晴らしく響きました。ケルビーノの「恋とはどんなものかしら」は透き通った氷を見るような清らかな声でした。スザンナは歌はもちろんですが、とても美しく、この役にぴったりです。伯爵夫人は、結婚すると夫の心離れを見事に歌いきっていて、6月に「セリビアの理髪師」(「フィガロの結婚」の前編にあたる)を見たばかりの私にはあの若く利発なロジーナも、心配するこうなっちゃうのねと、妙に納得してしまいました。もちろん、フィガロも男前だし、伯爵もいい感じです。(写真は音楽祭HPより)


 演出は2年前このザルツブルグ音楽祭で公開された天使が出てくるバージョンです。舞台はとっても美しいのですが、初学者の私には正直、天使の意味合いが良く分かりませんでした。ダニエル・ハーディングの指揮は特に奇をてらったものではありませんが、ウイーンフィルの演奏はモーツアルトにぴったりで、登場人物の喜怒哀楽を見事に表現していたと思います。(写真は音楽祭HPより)


 カーテンコールに応えて。


 小姓役ケルビーノ(Katija Dragojevic)です。清らかなメゾソプラノは、私的にかなりポイント高し。


 伯爵夫人ロジーナ(Dorothea Röschmann)。深みのある歌声が印象的です。


 スザンナ(Marlis Petersen)。歌もよかったですが、かなりのビジュアル系です。カメラの性能がショウボいのが残念。


 フィガロのLuca Pisaroni。


 ダニエル・ハーディングも交えて。


 子役の3名で。


 最後にフィガロとスザンナ。


 とっても楽しい時間をいただきました。

(観劇後・・・)
 この日は、偶然、隣の席に日本人らしき人が座っていました。話しかけると、関西から来られたクラシック大好きの大学生で、夏休みを利用して1ヶ月ヨーロッパ内をコンサート・オペラ旅行に出ているとのこと。全部で20近くの公演を見るらしく、目的意識が明確なうらやましい旅行です。(自分も大学生時代はバックパッカーの端くれでしたので・・・)

 その彼と終演後、偶然、ばったりと街で再会。折角なので、昼間に入ったビストロまで戻って、飲み会兼夕食会。大学3年ということですが、クラッシク音楽・オペラに関する知識・見識にビックリしました。時間も遅かったので、1時間余りの歓談でしたが、音楽談義で盛り上がり非常に楽しい時間でした。これからベローナ、ローマ、ベルリン、ウィーン等を廻るとのこと。安全で楽しい旅行を祈念して、別れました。旅行はこうした予期せぬ出会いが楽しいです。


Wolfgang A. Mozart • Le nozze di Figaro
Opera buffa in four acts K. 492

29 August, 18:00 Haus für Mozart

LEADING TEAM

Daniel Harding, Conductor
Claus Guth, Stage Director
Christian Schmidt, Set and Costume Design
Olaf Winter, Lighting
Ronny Dietrich, Dramaturgy
Ramses Sigl, Choreography
Thomas Lang, Chorus Master

CAST

Gerald Finley, Il Conte Almaviva
Dorothea Röschmann, La Contessa Almaviva
Marlis Petersen, Susanna
Luca Pisaroni, Figaro
Katija Dragojevic, Cherubino
Franz-Josef Selig, Bartolo
Marie McLaughlin, Marcellina
Patrick Henckens, Basilio
Oliver Ringelhahn, Don Curzio
Adam Plachetka, Antonio
Eva Liebau, Barbarina
Uli Kirsch, Cherubim
Vienna Philharmonic
Concert Association of the Vienna State Opera Chorus
コメント (2)
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ザルツブルグ旅行記④ ポークカツレツ

2009-09-04 07:27:13 | 旅行 海外
 ウイーンフィルのコンサートの余韻に浸りながら(コンサートは11:00始まりの13:00過ぎ終了)、遅めの昼食を取りに入ったレストランです。ガイドブックで、典型的なオーストリア料理を手ごろなお値段で出すビストロということでした。


 場所がモーツアルトの銅像があるモーツアルト広場の入り口にあることもあり、中に入るといかにも観光客向けのレストランでしたが、落ち着いた感じでありながら気取ったところが無く、良い雰囲気のお店です。サービスもしっかりした接待をしてくれるお店でした。


 頼んだのは、ウイーン続きで、ウイーンの名物料理ポークのカツレツを頼みました。味は日本のカツレツと殆ど同じなのでびっくりです。トンカツ肉よりも気持ち薄めの豚肉を、しつこくないさっぱりした衣でうまく揚げてありました。ザルツブルグの地ビールと一緒にぴったりマッチした美味しいものでした。


 なかなかGoodです。
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