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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ザルツブルグ音楽祭 ドゥダメル指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

2009-09-03 07:58:56 | コンサート (in 欧州)
いよいよザルツブルグ音楽祭の本丸祝祭劇場の大ホールへ、ウイーンフィルを聴きに、突撃です。


 噂には聞いていましたが、皆さん着飾って、すごい華やかな雰囲気です。まさにお祭りですね。


 大ホールは聞きしに勝る立派で近代的なホールでした。


 楽団員も集まって、いよいよ開演です。



 1曲目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。すばらしい演奏でした。ウイーンフィルの柔らかい音色、ソリストのスナイダーの優美な演奏が見事なコンビネーションでした。ヴァイオリン独創は繊細で、シルクの生地に触れるような柔らかな演奏でした。オーケストラはチャイコフスキーの叙情性と抑揚の効いた包み込むようなアンサンブルで表現しているように聴こえました。聴いていて、本当に胸が熱くなる演奏でした。

<演奏後、抱き合うドゥダメルとスナイダー>




 アンコールにも応えてくれました。


 2曲目はストラビンスキーの春の祭典。ウイーンフィルと「春の祭典」って、マッチするのかと多少気になっていたのですが、これまた素晴らしい演奏でした、特に管楽器の活躍が素晴らしかったです。木管、金管がこの曲の持つ緊張感を極限にまで高めてくれました。打楽器の切れも見逃せません。柔らかい弦と相まって、優しさと切れを両立させた不思議なアンサンブルを聴かせてくれました。

 終演後の拍手は出足が鈍かったのですが、皆、あっけに取られていたという表現が相応しいと思います。 


 今回の指揮者ドゥダメルは若干28歳で注目の若手カリスマ指揮者です。その熱烈な指揮ぶりはただただ圧倒されます。「春の祭典」などは完全に踊ってましたから。前回ロンドンで聴いたメータ指揮のウイーンフィルが比較的教科書的な演奏だった印象なのに対し、今日は明確な意思を感じた演奏でした。

 ただ、ちょっと気になったのは、終演後、聴衆への挨拶はそこそこで、やたら楽団員を褒め称えるところです。天下のウイーンフィルに気を遣っているのでしょうか。お客さんにもっと向いて欲しかった。



 終演後、サインに応えてくれたスナイダー君。もちろん私も頂きました。


 「当分、この2曲のコンサートには聴きにいけない」正直、そう思わせてもらった2時間でした。

Vienna Philharmonic 5, 27 August, 20:00,
Grosses Festspielhaus (Great Festival Hall)

PROGRAMME
PYOTR I. TCHAIKOVSKY • Concert for Violin and Orchestra in D, op. 35
IGOR STRAVINSKY • Le Sacre du printemps

PERFORMERS
Nikolaj Znaider, Violin
Vienna Philharmonic
Gustavo Dudamel, Conductor
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