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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ナポリ旅行(1):ピザ・国立博物館

2011-02-01 21:36:14 | 旅行 海外

時系列にて・・・

Janurary 30, 2011

5:16 地下鉄の始発で、ロンドンブリッジ経由でGatwickへ
6:30 Gatwick着 空港は意外と空いていた。オフシーズンなのだろう
7:55 発
スイスアルプスの雪山が美しい

11:25 ナポリ着 暖かい。曇り空。

12:05空港バス出発
バス窓から、屋台で衣類を売る店、かばんを売る店が多数見える。こりゃあ、発展途上国の風景だ。

12:30 ホテルチェックイン
荷物を置いて早速出撃
国立博物館を目指し、ナポリの下町を散歩

13:00 「地球の歩き方」で紹介のピザ屋へ
ピザとワインで6ユーロ
ピザが極うまい 生地がうす柔らかいが底がしっかり。トマトソースとモッツレラチーズが抜群。チーズとトマトソースが溶け合って、ピザ生地の表面でスープみたいになる。これが極上。





ナポリはよそ見して歩くと、車やスクーターに轢かれる。クラクションの音がけたたましい。
うるさい、汚い、狭い、東南アジアの雰囲気が満載で楽しい
狭い小道に洗濯物が一杯干してある。バルセロナにもこんなところあったなあ。
たむろして話をしている集団が多いのも途上国的。一体、何を話しているんだろう。大きな声で叫びあっている。けんかしているわけでもなさそうだし。なんか、イタリア。北イタリアの洗練された雰囲気とはほんと、全然違う。
イギリスもいいが、やっぱり定期的にイギリスの外に出ないと、欧州の奥深さがわからない。ここもヨーロッパなんだ。



14:00頃 国立博物館到着
ローマ帝国時代の彫像のコレクション、ポンペイ遺跡の出土品などが多数。ナポリならではの遺品にあふれている。愁眉
結局、2時間半もいた(14:00-4:30)



サンカルロ劇場へ向けて街歩き
昔はもっとガシガシ歩けたけど、体力落ちたなあ〜。2キロ以上のダラダラ歩きは疲れる。
オペラの切符を引き取って、海を眺める。日没後で既に時遅し。明日はナポリマラソンらしい

(つづく)


セブン・シスターズ (番外編)

2011-01-15 21:37:42 | 旅行 海外
 もう先週末になってしまいましたが、いくつか自分の記録用に撮った写真をご紹介。

◇ The Beachy Head Pub
 白壁のすぐそばにあるPubです。夕方、窓際に座ると、夕日が海に沈みゆくところを眺めることができます。雰囲気も落ち着いています。JazzのBGMが静かに流れていて、超まったりできます。食事も充実しているようでした。車でアクセス可能なので、この日はWalkingしている人は少なかったですが、このPubは結構、人が入っていました。完璧なデートスポットとしても活用可能かと。



※ 入り口には暖炉があり、寒さで縮こまった体には嬉しい。


 

※窓から見る夕焼けが美しかったです


※Pubのご案内HP(場所がわかります)

◇EastBourne海岸からの朝日(1月9日)
 泊ったB&Bが海岸の目の前。とっても綺麗な朝日を拝むことが出来ました

 

◇The Golden Galleon Pub
 セブン・シスターズ・カントリー・パークのすぐ近くにあるパブ。ビアガーデンが大きく、座席がいっぱいあります。雄大な丘陵と羊を眺めながらのビールは最高です。

※まだ、朝11時半なんですが・・・(1月10日)


※Pubのご案内HP

 以上、ご報告でした。

ぶらっとひとり旅 セブン・シスターズ (2/2)

2011-01-14 22:59:10 | 旅行 海外
 セブンシスターズ違いだった前日の反省を踏まえ、こんどはしっかりリサーチの上、翌日再出発。朝から素晴らしい快晴。昨日の失敗は今日のために、神様仏様が仕組まれたのではと思うほど。

 9時20分のバスに乗って20分ほどでセブンシスターズカントリーパークの案内所前で下車。バス停前のビジターセンターは時間が早くまだ開いていないので、ネットの案内にあったとおり、歩き始める。

 ウオーキングには最高の日よりだ。この辺りは湿地帯になっていて、沼、大きく蛇行しながら進む川、草地が渾然一体となっている。国立公園の指定を受けているので自然のままで保存がされている。水鳥たちの宝庫だ。ただ難渋したのは、足元。もともとそうなのか、先週降った雨が残っているのかわからにが、泥々のぐちゃぐちゃ。一歩一歩足場を確認しながら前に進まないと転んで泥まみれになるのは火を見るより明らか。相当注意していても、何度も滑って転びかけた。加齢で最初に衰えるのは、反射神経なのだ。

  

 30分弱歩いて、ついに海岸線へ到着。ガイドブックで見たとおりのセブンシスターズの白い岸壁が見える。昨日の見た白壁よりも高さも長さもさらにスケールが大きい。遠くに昨日通った灯台が見える。快晴の空に白い岸壁が映える。遠くはすこし靄がっているが、かえってその靄が波のしぶきにもにた海と空との境界が神秘的に見える。

   

 周りを散策し、いろんな角度から眺める。これは間違いなく一度は見る価値ありの風景だ。家族や友人とのWALKINGグループや本格的な望遠鏡やカメラを持ったバードウオッチングの人たちがだんだん増えてきた。本当はあの白い壁の下まで行きたいのだが、時間的に難しいのが残念。

   

 しばらく楽しんだ後にビジターセンターへの帰路につく。帰りは多少遠回りになるが、足元を考え牧場沿いの多少高い道を選んだ。穏やかな春を思わせる日差しを背中に負って歩く。流れているかどうかもよくわからない川、どこからともなく聞こえてくる鳥の鳴き声、時おり頬に感じるそよ風、何を考えているのか尋ねたくなるような牛や羊の歩み、そうした空気に自分も呼吸を合わせる。自然と歩みはスローペースに。自分もこの世界の中に溶け込んでしまった気になる。本来の意味とは全然違うが「自然に還れ」(ルソー)ということが頭によぎる。休日ならではの素晴らしい時間だ。

  

 ビジターセンターで今さらだが地図を買い、「再訪して、別のルートを歩くぞ」と誓った。



※前日のビーチーヘッドのWalking、この日のセブンシスターズとその湿地帯のWalkingは、ロンドンからも近いので是非お試しください。素晴らしい経験が出来ると思います。

セブンシスターズカントリーパークのHP

ぶらっとひとり旅 セブン・シスターズ (1/2)

2011-01-13 22:26:49 | 旅行 海外
 文庫本3冊をバックパックにいれて、週末の一人旅にでかけた。目的地はロンドンの南東、イギリス海峡を望むセブンシスターズ。有名なホワイトクリフを見るのが半分と、何となく自分の部屋とは違うところで読書がしたくなったから。

 休暇明けのせいか、ホテルも列車も思いの外安く、ホテルは40ポンドちょっと、列車は往復13ポンドで予約できた。昼前にロンドンビクトリア駅から列車に乗り、1時間半程で到着するイーストボーン駅で降りる。

 ここから更にバスに乗って20分程行くはずなのだが、準備しておいたネット上の地図とかガイドを不覚にも部屋に置き忘れてきたので、バスの運転手に「セブンシスターズに行きたいから、最寄りのバス停で降ろしてくれ」と頼む。

 バスに10分ちょっと乗ったところで、運転手が「ここで、降りて、この道をまっすぐ15分ぐらい行けばよい。」と言って降ろしてくれた。羊が草を食らうのどかな牧草地帯だ。たまに横を車が通るが、歩いている人と誰とも行きあわないので、多少不安になるが、運転手さんの言うとおり、15分で海岸線に到着した。いきなりホワイトクリフが現れてびっくり。

 

 生で見るホワイトクリフは、さすがに写真とは比較にならない迫力だ。近くのクリフは多少茶味がかかっているが、遠くになるにしたがって真っ白に見える。そこに、英国海峡の波が岸壁に荒荒らしく打ち付けられ、その音がすさまじい。「そうか、写真集の写真では音がわからないのだなあ」と、当たり前のことに気づく。そして、空中からは何の障害物に邪魔されない風が、波と一緒に壁と私にぶつかってくる。この岸壁は、まさにこの風と波とこの土地の地質による自然の芸術品なのだと得心し、しばし見とれていた。生憎、天気が回復傾向にはあるものの、曇り空だったので、色彩のコントラストはややぼやけたところがあったが、これが晴天であったら、さぞ素晴らしい色合いを見せてくれるのだろう。

 
 

 続いて、今度は岸壁沿いにWalk Pathがあったので、そこを歩くことにした。イギリスらしく、Walk Pathが自然のままで整備されているので、沿って歩くのだが、すぐ2,3m横には100M近くはあると思われる絶壁がある。吹き飛ばされそうな強風の中を歩くのは、かなりのスリルだ。日本なら間違いなく、岸壁側は杭と鉄条で立ち入り禁止区域になっているのだろうが、そのまま放ってあるのがイギリスらしい。自然のままで、危険は個人の判断で、ということなのだろう。

  

※これでは高さが全く分かりませんが、下は100m以上の絶壁です
 

 曇り空を反射しているのか、海は灰色に染まり、空と海の境界もわからず、波しぶきととともに、曖昧な灰色の色合いはターナーの絵そのもの。こうした風景を見ると、ターナーの絵がこういうイギリスの風土に根差したところから生まれているというのも良くわかる。



 このWalkingの素晴らしさは、海側だけでなく、海とは逆側の牧草地の雄大さが味わえることだ。ロンドンから1時間半来ただけで、こんな雄大な見通しと大らかでのんびりした雰囲気を味わえるのは素晴らしい。

 このWalk Pathはどこまでどう続いているのか?がわからず、だんだん日没の時間も迫って来て、暗くなり始め、かつシーズンオフということで人もまばらに見かける程度なので「引き返した方がいいのか、それともこのまままっすぐ進み続けるか?」、かなり不安になった。1時間半ほど歩いたところで、パブを見つけた時は、すっかり「注文の多い料理店」を見つけた猟師の気分だった。このパブはなかなかいかしていて(また別にご報告)、ビール一杯飲んでちょっと休憩。そして、パブ横にあった案内板で位置、方向を確認して再出発。結局、イーストボーンまで歩いた。総歩行時間2時間ちょっと、きっと距離にして8Kmぐらい。夕焼けに照らされる岸壁と牧草地の美しさは、いつまでも私の記憶に残ると思う。

 


※B&Bのパソコンでその日のルートを再確認。すると、私が歩いたところはセブン・シスターズではなく、ビーチーヘッドというところであることが判明。どうりで、「写真集の景色と若干違うなあ」と思った。ということで、翌日の午前中は読書から、セブン・シスターズ再挑戦となった。


ライ (Rye)日帰り旅行

2011-01-05 20:48:48 | 旅行 海外
 もう随分前のことのように感じてしまうのですが、5日前の大晦日に、中世の息吹きが残る街として有名なライ(Rye)に出かけました。年末・年始に訪ねてくれた家族との日帰りドライブです。

 一時の寒さこそ峠を越えた感じがあるイングランドでしたが、年末年始はずーっと曇り空続きで、ロンドンから2時間弱のドライブも、靄がかかったような見通しの悪い天候で、爽快なドライブには程遠いものでした。

 街自体は端から端まで500mにも満たないようなこじんまりしたところですが、落ち着いた風情の中に、チューダー様式の家々や石畳の道があったり、小さなアンティークの店が軒を並べているのは、いかにもイギリスの雰囲気が満載で、手軽で楽しい街歩きが楽しめます。

※Westストリート


※Mermaidストリート


 ただ、この日はちょっとブラブラするには寒かったこともあって、我々はもっぱらTea RoomとPubで時間を過ごしました。そのTea RoomとPubがとても素敵なものでした。

 最初に立ち寄ったのはセント・メアリー教会の前にある Tea Room “SIMON THE PIEMAN”(お店のHPではないですが、ご紹介HPはこちら→)。中は、2-4掛けのテーブルが6,7つほどある小さな部屋ですが、暖炉があって、店頭売りもしているケーキやティーパックではない葉っぱ入りのポット紅茶を出してくれます(イギリスのティールームでもティーパックの紅茶が出てくるところって結構あるんです)。

 暖炉で薪が燃える音と虫除け(?)の電光灯のモーターの音以外はひっそりと静かなTea Roomはとても気持ちを落ち着きます。時間がいつもの1/2速で流れているような感じになります。本や雑誌を持ち込んで、1日ゆっくりしたい気がしました。(何故か、写真をとってないので、あとでがっかり。)

 お茶のあとは、教会やアンティーク店をふらつきました。日本人の若い2人組の女性観光客がいらして、「かわいい~」としきりにウインドウを覗きながら言いあっておりましたが、その気持ちはとっても分かります。

※正面がセント・メアリー教会。右手がティールームです。セント・メアリー教会の時計は現在動いている世界最古の時計ということでしたが、本当?残念ながらハイストリートの写真も撮ってません。
 

 その後に、昼食をとりにマーメイドイン(HPはこちら→)という旅籠兼レストラン兼パブへ入りました。レストランも併設されていますが、気楽な食事をしたかったので、Pubにしました。



 このパブもとってもこじんまりしたスペースでしたが、暖炉で火が燃え、煙が噴出している部屋は、とても落ち着きます。一家でムール貝の白ワイン蒸し、牛のステーキ、フィッシュパイを食べましたが、どれもパブ料理とは思えないおいしさでした。入れ替わり立ち代り、地元の人や観光客が出入りしますが、皆、このパブの小部屋の風景の中に溶け込んでしまうような雰囲気にあふれています。暖炉の火が心地よく、暖炉付近に席取った私たちには、足に根が生えてしまい、動けなくなるほどです。暖炉の火って、どうしてこんなに心地よく暖かいのでしょう。

 

 結局、街には殆ど飲み物と食事をしただけなのですが、4時間ほど滞在しました。当初は、Ryeの後、近くの街Hastingや古戦場で有名なBattleとかにも立ち寄る予定だったのですが、このライの雰囲気があまりにも良かったので、そのまま真っ直ぐロンドンに帰ることにしました。

 是非、再訪したい町です。



(後日談)

Ryeから戻って、このブログとRyeに関連して2つもびっくりがありました。

1つめ、

Ryeから戻った夜に、本ブログを覗くと、普段コメントをいただいているsonyさんから新しいコメントを頂いていました。今までお互いRyeについては触れたことはないのですが、sonyさんは今年英国旅行を計画中で、Ryeには是非再訪したいとのこと。まるで、この日、私がRyeに行っていたのを見ていたかのようなタイミングのコメントで、こんな偶然もあるのだなあ、とびっくり。

2つめの、さらなるビックリは

これはまさに一昨日のこと。本ブログに何度かコメントを頂いているYoshioさんから、Mousetrapの記事へのコメントを頂いていました。そう言えば「年末年始にスペイン・イギリスを旅行されるのだったなあ。もう帰られたのかな。」と思い、Yoshioさんのブログを開いてみると、スペイン・イギリス旅行記がアップ済み。

すると、読んでびっくり。何と、同じ12月31日にRyeを訪問されているではないですか。それも同じぐらいの時間帯に、同じTea Roomに行っている。「もしかして・・・・あの日本人っぽい二人組の一人がYoshioさんだったのか・・・」。どうも、そのとおりだったようです。バーチャルな世界でのお知り合いなので、会っても通りすぎるだけの二人なのですが、偶然といえども、あまりの偶然ぶりに、心拍数が急上昇するのが、自分でも良くわかりました。

こんなことってあるのですね。まさに、ライに惹きつけられたご縁でした。


ブダペスト旅行 (最終回) 国会議事堂ほか

2010-12-17 00:09:23 | 旅行 海外
 ブダペスト旅行のご紹介も、今回で最後にします。今回は、訪れたいくつかの観光名所をご案内します。

※国会議事堂
 いろんなガイドブックに「行くべし」と書いてある国会議事堂ツアー。たしかに川向うから眺める国会議事堂はまことに美しい。



 「名所に面白いとこなし」というのは自分が勝手に今こじつけたが、正直、行くかどうか迷いました。でも、行ってみて正解でした。豪華絢爛、この上なしです。



 初代イシュトヴァーン載冠の1000年から最後の王カーロイ退位1948年まで約950年にわたって王から王へ受け継がれてきた王冠です。
 

 議事場内も目がくらみそう。こんなんで、まともな議論を戦わせるのが出来るのだろうか?とも思います。
 

 議事堂の廊下にまつわるエピソードなどを解説してくれる公式ガイドさん。


 国会議事堂の見学は、団体または地元のガイドツアーのみです。今回、私は、12:00からの英語のツアー参加したくて、11:20頃に言ったところ、12:15の割り当てをもらいました。ただ、私の次後ろに並んだ人は最終回の14:00のツアーでした。そして、1200頃にはこの日のツアーは完売でした。早く行くか、旅行会社のツアーに参加した方がいいようです。

※マーチャーシュー教会
 王宮の丘にある、ランドマーク的な教会。由緒も、ハンガリーの歴史をそのまま引き継いだような教会です。13世紀に建てられ、1541年からのトルコ占領記にはモスクに改装され、その後、ハプスブルグ家による解放によりカトリック教会に戻っています。

 

教会自体はさほど大きくありませんが、キリスト教にモスリムの柄が交じるなど、ブダペストならではの特徴があっていて面白いです。

 

マーチャーシュー教会の廻りは広場になっていて、観光客のたまり場になっています。
 

最後に、ブダペストと言えば、ドナウ川とくさり橋ですね。
  

夜も圧巻でした。
 

とっても印象深い旅行でした。

(おわり)

ブダペスト旅行 (その3) 美術館・博物館

2010-12-15 00:24:40 | 旅行 海外
 ロンドンにも美術館/博物館はたくさんありますが、ブダペストの博物館の多さにも驚かされます。国立美術館、西洋美術館、現代美術館、歴史博物館、民族博物館、地下鉄博物館、交通博物館、農業博物館国立民族博物館、国立博物館、電話博物館、音楽史博物館、軍事歴史博物館、切手博物館、郵便博物館・・・・。今回は時間が限られた中であったので、3つの美術/博物館に足を運びました。

*西洋美術館(ホームページはこちら→)
 英雄広場に向かって左手にあります。王宮にある国立美術館がハンガリー人画家の作品を展示してのに対し、こちらはハンガリー人以外の西洋美術館になってます。つい先日まで、この美術館の特別展がロンドンの王立美術院で開催され、目玉作品はロンドンに来ていました(こちら→)。その美術展がとっても良かったので、本家本元にも素晴らしい絵がたくさんあるに違いないと思い、出かけました。そしたら、期待通り。イタリア、スペイン、ドイツ、ネザーランド、フランス等、ルネッサンス以降の主要な作品が展示されており、手軽に美術史が概観できるようになっています。ただ、確かに目玉作品は遠征中なので、これらを目当てに来た人はちょっとがっかりしたかもしれません。





*恐怖の館(ホームページはこちら→)
 ちょと名前がお化け屋敷見たいですが、とっても良くできた博物館です。この建物は、第2次大戦中は極右政党「矢十字党」の本部として、そして戦後は共産主義の秘密警察が本部として使った建物です。第2次大戦中からそれ以降の、ナチスによる占領、ソビエトによる占領、ハンガリーの共産等独裁、そして解放に至るまでのハンガリーの苦難の現代史が、当時のナマ史料をもとに、とてもよくわかりやすく展示されています。ハンガリー人も第2次大戦後ソビエトにシベリア強制労働に駆り出されていたともはじめて知りました。



 正直、非常に重い気分になりました。政治犯として収容された人、共産政権から生命を奪われた人のことに思いを寄せると、現実の絶望と将来の希望の狭間の中で、この人たちは何を求め、何に生きていたのか?仮に自分が、思想・信念と生活・生命との選択を迫られた時、どういう行動を取るだろうか?自由を失い、命を奪われることが間近であったこの時代の生きたハンガリー人と比べれば、今、先進国と言われるなかで生活できる自分達はなんと幸せなことだろうか。空気のようにしか感じていない「平和」や「自由」は今の生活の大前提であることを、今更のように確認させられます。それを忘れてはいけないし、それを後世に残す努力も怠ってはいけないと思いました。

(戦車の後ろにある縦長のパネルには、ナチ、ソ連、ハンガリー共産党に犠牲になった人たちの顔写真が掲載されています)


*国立博物館 (http://www.mnm.hu/en/fooldal/mainPage.phpホームページはこちら→)
 ここは、石器時代から現代に至るまでのハンガリーの歴史を年代順に遺跡、遺品、史料を通じて、展示するというものです。これも、素晴らしくよくできた展示でした。正直、国としてのハンガリーのことは、これまであまり知らなかったのですが、ハンガリーというのがいかに「侵略される側」の国であったことが良くわかります。ハンガリーの歴史とは、紀元直後の昔から、ローマ、トルコ、ハプスブルグ、ドイツ、ソ連と、隣国の強国からいつも蹂躙されてきた歴史なのです。

 島国日本の歴史とのあまりの違いに驚かざるおえません。このような被侵略の歴史を持つ人々に日本的な平和主義を唱えても、正直全く理解されないでしょう。まさに、国は防衛があって初めてめて成り立ち、戦争がないところに初めて国民の自由も正常な経済活動もあるのだという世界史ではあたりまえのことに改めて気づかされます。




 蛇足ですが、ブダペストの博物館は写真撮影はできるのですが、写真撮影には入場料の3倍近くの写真撮影代金を払わなければいけません。これは、なかなか良く出来た仕組みで、「代金を払えば撮影してもいいですよ」と言われると、かえって撮影もしないものですね。

ブダペスト旅行 (その2) 街並み、クリスマスマーケット他

2010-12-14 00:11:18 | 旅行 海外
 ブタペストは素朴で、美しい街です。私は、日本の長野や松本などの地方都市を訪れた時と似た空気を感じました。

 たとえば、このバス。『3丁目の夕日』に出てくる日本の昭和30年代のようなバスです。
 

 更に地下鉄の駅と車両。3両編成。まあ、ロンドンの地下鉄も古いですが、いい勝負です。
 

 もう一つ。路面電車。欧州の都市にはこの路面電車があるところが好きです。


 乗り物図鑑になってしまうので、美しい風景の写真をいくつか。

 ブダ側の王宮から見たドナウ川とくさり橋です。ケーブルカーで王宮に昇ります。
 

 王宮とくさり橋から見る王宮
 

 そして、この季節と言えば、クリスマスマーケット。雪の降る中、余計なBGMなど何もない、静かで、人のささやき声や、話し声だけが聞こえてきます。静けさの中にも活気のあるマーケットです。
   

 夕刻は更に賑わいます。
   

 圧巻は屋台メシ。お昼のロールキャベツと夕食のグヤーシュ。おかげで、今回は1回もレストランに入らずじまい。
 

 ロールキャベツの鍋。


 (つづく)



 

ブダペスト旅行 (その1) ハンガリーと言えば・・・温泉!!!

2010-12-12 22:35:14 | 旅行 海外
 先ほど、ブダペストから帰ってきました。2日間の週末旅行ですが、非常に充実した時間を過ごせました。 (冒頭の写真は昨夜の王宮をバックにした鎖橋。息をのむ美しさでした。写真をクリックすると大きくなります)

 いろいろご紹介したいことがあるのですが、まずは今日はこちらから。

 ハンガリーと言えば温泉。行ってきました、ブダペストの温泉。たまたま今回泊まったホテルの裏が、キラーイ温泉という1570年に造られたという温泉で、トルコ式ながら湯船につかれる温泉です。ガイドブックによるとゲッレールト温泉というところがブダペストのイチオシ温泉のようですが、ちょっと遠いし、ホテルの裏ということで今回はこちらにしました。



 正直、外観はとっても古くて朽ちた感じ。日本の温泉にも確かにこういう感じの公衆温泉がありますが・・・、ちょっと恐る恐る入館





 入り口で代金を払い2200Ft(約1100円?)入館。受付の横には、日本と同様に、温泉の成分分析表が掲示してありました。ハンガリー語なので読めませんが、化学記号は同じだからだいたいわかります。phが気になったがそこだけは読み取れませんでした。源泉はきっと54度のようです。

 続いて、脱衣所へ。脱衣所は、シャワールームぐらいの大きさの個人別更衣室になっていて、そこに脱衣したら荷物も置きっぱなしにします。持参したカイパンに着替えて、更衣室を出ると係りのおばさんが2重に鍵をかけて片方の鍵を渡してくれます。さあ、いよいよ、浴場へ参上。

 感動しました!!!大きな円形の湯船にお湯がたっぷり。そして、仄かな硫黄の臭いが。もちろん雰囲気は多少異なりますが、日本の温泉そのものです。中央の大浴槽は温度は30度ちょっとなので、ぬるく温水プールぐらいの熱さです。そしてその大浴槽の横と奥に、一つづつ小浴槽があって、そのひとつは38-39度設定。この湯船に使ったときの満ち足りた気持ちは、ちょっと言葉にできません。涙が出そうになりました。

 ドーム式の浴場で天井に空いたいくつかの穴から光が漏れてくるのが、湯船からの湯気に反射してとても神秘的です。朝一番(9時ごろ)行ったためか、まだ西洋人の老夫婦二人が入っているだけでほぼ独占状態。なんという贅沢なのでしょう。 (中ではカメラを持ち込めないので、写真はグーグル等からの拝借です。)

 

 さらにもうひとつの感動。この浴場には高温サウナと低温サウナの乾式サウナが併設されています。高温サウナでも60~70度なので日本のサウナに比べるとまだ低温ですが、日本では月に2回は近くの銭湯サウナに通ってたサウナ党の自分には堪りません。日本に居た時と同様、約8分を3セットこなし、もう顔はテカテカ、すべすべ。

 もう決めました。これからブダペストには時間と金があるかぎり通うと。。。。

※ 温泉のホームページはこちら(湯船の様子のVideoがあります)→

オックスフォード大学 アシュモリアン博物館

2010-11-15 22:21:56 | 旅行 海外
 「ラファエロ前派とイタリア」展をきっかけに初めて訪れたアシュモリアン博物館でしたが、その常設展の素晴らしさにもたまげました。ローマ・ギリシャ、エジプト(エジプトの部屋は一部閉鎖中)から始まり、中東、中国、インドも含めた古代の遺物の展示、東洋と西洋が出会う近世、近代以降の展示など、網羅的にしかもとても分かりやすく展示されています。さしづめ大英博物館の短縮版です。日本に関する展示も江戸時代以降から武具、浮世絵、水墨画、茶室等、とても充実したものでした。

 更に、ルネッサンス以前のイタリア絵画から始まって、ルネッサンス絵画、オランダ、フランドル絵画、印象派、20世紀絵画に至るまで西洋美術の展示も一通りそろっていて、西洋絵画史が俯瞰できるようになっています。このあたりは、ナショナルギャラリーの短縮版です。ピサロの部屋、ラファエロ前派の部屋などもあります。

 大学付属の博物館だからか、展示の方法も非常に興味が引くように構成されています。特に、地下一階は、時代区分によらず、通史的に、「人間のイメージはどう記録されてきたか?」「保存・記録の方法」「貨幣の歴史」といったテーマ別の展示になっており、「なるほど、ふむふむ」とうなずきながらの鑑賞で、大変勉強になります。

 もう20年以上も前ですが、アメリカボストンのハーバード大学の美術館を訪ねた時もその充実ぶりに肝を抜かれましたが、この博物館も素晴らしいです。さすが、だてに1683年設立の英国最初の公共博物館を売り文句にしているだけあります。しかも、入館無料!!!

 オックスフォードに出かけたら、映画「ハリー・ポッター」のモデルとなったクライスト・チャーチも良いですが、ここもお忘れなく。

(正面玄関)


(最近、「ローマ人の物語」を読んでいるせいか、どうしてもローマ関連の展示に目がいきます。なんと、文庫本、「ローマ人の物語」の表紙で使われている歴代皇帝のコインも展示してあり、感動!!)




(ローマ帝国時代の有名人たちがそろい踏み。左からキケロ、リヴィア)

 

(人間の表現のいろいろ)


(館内の様子。地下を含めて5フロアーに渡って展示してあります)


(ラファエロ前派、ミレイの絵)


 2010年11月14日訪問

The Pre-Raphaelites and Italy (ラファエロ前派とイタリア) at Ashmolean Museum

2010-11-14 18:08:09 | 旅行 海外
 オックスフォード大学アシュモリアン博物館で開催中の特別展「ラファエロ前派の画家たちとイタリア」展に行ってきました。ラファエロ前派のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハントやアーサー・ヒューズ、そして彼らの支援者でもあったバーン=ジョーンズやジョン・ラスキンたちが、イタリアの歴史、文学、風景や建築物などにどう影響を受けたのかを彼らの習作、水彩画、油彩画を通じて探求するという企画です。

 例えば、ロセッティの絵はイタリアのダンテの『神曲』(英語名がDivine Comedyであることを初めて知りました)や『新生』(Vita Nuova)かたとったものが多いようですし、パトロンであったラスキンは同派の画家をイタリアに送って、風景画や建築物の絵を描かせています。

(ロセッティ Dante Drawing on Angel on the Anniversary of Beatrice's Death)


(ジョン・ブレット Florence from Bellosguardo)


 もともと、その繊細な画風や美しい色合いに魅かれて、好きになったラファエロ前派の絵ですが、イタリアとの関連性という切り口で鑑賞するのは、私に新しい見方を教えてくれるものでした。

 ラファエロ前派の中では特に好きな、ミレエの絵がなかったのは残念でしたが、彼はイタリアにはあまり関係が無いのでしょうか?それとも、絵が集まらなかったのか?

 12月5日までオックスフォードアシュモリアン博物館で開催しています(ホームページはこちら→)。興味のある方は是非、お出かけください。

(館内の垂れ幕)


(展示の様子)




 2010年11月14日訪問

※11月15日追記
 ラファエロ前派好きの方は、常設展にもラファエロ前派ルームがあり、たくさんのコレクションが展示されていますので、お見逃しなく。

晩秋の湖水地方 (3/3)

2010-11-08 23:13:33 | 旅行 海外

 湖水地方、2日目。ホテルから近くのオレスト・ヘッド(Orrest Head)という名の展望台を目指して歩きます。たった20分の登山です。


 素晴らしい展望でした。山が低くて、なだらかだからか、広く雄大に見えます。いろんな色に染まった山々の風景は、タぺストリーを見ているようです。厚く立ち込める雲、湖面の上にふんわり浮かんだ雲とも霧ともつかない靄。柿色の木々、緑の芝、濃いグレーの水面に雲から漏れる陽を反射して銀色に輝く湖面、糸を引くように流れるボートが作る波線、冷たい風が耳横をさざ波のような音を立てて通りすぎる。遠くからは鳥の鳴き声。これを詩的風景といわず何というのでしょうか。湖の反対側には低い山々、草を食らう羊たちが広がっています。静かすぎて、遠くにある幹線道路から車の音らしき音までが聞こえてくるのは難点ですが、360度の景観は素晴らしいものでした。





(ここから360度の連続写真です。パソコンの画面いっぱいにページを拡大してもらえると、2枚はつながって見えると思います)


 風の吹く中30分ほど、あまりの美しい展望に見とれていたら体が冷えてきたので、下山しました。夕方前の列車までは少し時間があったので、ピーター・ラビットで有名なポッター女史のアトラクションに足を運びました。まあ、意地悪く言えば、東京にあるキティちゃんのサンリオピューロランドのピーター・ラビットミニチュア版とでも言えなくもありませんが、ピーター・ラビットはもちろん知っているものの、本は読んだことないし、ポッターさんのことも全然知らない私には、意外と楽しめました。いかに彼女の作品が、湖水地方の自然と綿密に結びついているかということが良く分かります。







 最後に泊ったホテルをご紹介。ホテルは、ウンダミア駅近くのCidar Manor Hotelというところに泊りました(一週間前に急に思い立って予約したので、一人用の部屋があるホテルがあまりなかった)。7,8つの部屋があるだけのこじんまりとしたホテルです。ご主人がとっても良い方ですし、部屋が綺麗で丁度品もしっかりしていて、何故かとっても落ち着きます。正直、1泊100ポンドというのは、私としては破格の値段でしたが、とても満足でした。なので、チェックアウトぎりぎりまで部屋やラウンジで本や雑誌を読んで、ゆったりした贅沢な時間を過ごすことができました。レストランも併設しているのですが、なかなか評判のようです。







 今回は、紅葉の晩秋に訪れましたが、自分の期待をはるかに上回る満足感でした。ただ、一泊では駆け足で廻ったというせわしさがあるのは否めません。是非、今度は新緑の季節にもう少しゆっくりと訪れてみたいです。

 2010年10月31日


ローマ旅行 その1 初日

2010-11-07 21:38:18 | 旅行 海外
 4:30 フラット出発。タクシーにてビクトリアへ(£25。5:02ビクトリア発の列車に乗る。少し遅れたか、6時ちょっと前に到着。相変わらずセキュリティが劇混み。6:50発、6:20ゲートクローズだったので結構あせったが、6:15にセキュリティ通過、まじダッシュで6:20ギリギリゲート到着。次回から早朝のガトイック便は少し考えないといけない。

 飛行機は順調、10時20分ごろ到着。ローマは暑い。正直、ハイネックのシャツやコーディロイのジーパン、冬物ブレザーも全部場違いだった。

 列車で30分弱でローマテルミア駅へ到着。馬鹿でかい駅である。ホームが全部で30以上もある。帰りの際、迷うわないように、気をつけねば。

 ホテルへは12時前に到着。駅から徒歩10分かからないのがうれしい。

 ホテルは部屋は狭いが、レセプションの愛想がいいので驚いた。日本語でしゃべろうともする。こんなちょっとのことで好感度は随分変わるものだ。

 荷物を置いて、出発。飛行機の中で、チョコレートマフィンを食べただけなのでお腹が減ったので、まず腹ごしらえ。ホテル近くのピザリアに入る。ピザのセットメニューが10ユーロだったのでそれを頼む。飲み物(水)、フランスパンにトマト乗せ、ピザで10ユーロはまずまず。追加で頼んだ赤のハウスワインが全然駄目だったので、これは失敗したか?と一瞬後悔の念にとらわれたが、ピザは滅茶苦茶上手かった。アツアツの台に、程よく溶けたモツレラチーズ、それにトマトソースとバジルとアンチョビがトッピング。これが目茶旨いのである。これだからイタリア旅行は止められない。



 ほろ酔い気分で、まず最初の観光地、コロセウムに行く。行列がすごいという情報で、結構恐れていたが、20分弱の行列で入ることが出来た。13:30 2000年前にこの競技場があったというのは俄かに信じがたい。基本的な構造は今のサッカー場や陸上競技場となんら変わることが無いからである。中に入るとどの競技場と同じ、ウキウキの興奮気分に浸れる。ここで、どんな競技が行われ、どんな歓声が競技場内にこだましていたのか?そんな考えをめぐらすだけで楽しい。まだ、日本が弥生時代だった同時代に既にリクレーションの分野でこれだけの実績を残すとはどんな民族なのだろうか?ローマ人とは。すごいとしか言いようが無い。


















 続いてフォーラマへ。15:00入場。これもすごい。個々でシーザーが、あそこでキケロが演説をしていたのか、住んでいたのかと思うとかんがいもひとしおだ。「ローマ人の物語」を読んでいるおかげで、ローマの英雄達の姿、形が自分の頭の中でイメージできるのがうれしい。遺跡の中に自分の空想の建物が追加され、色がつく。そんな思いを駆け巡らせながら歩いた。すると、いつの間にかパラティーノの丘へ。そこからの望みが素晴らしかった。フォアローマが上から鳥瞰できる。ベンチ座っていると、ボーっとあっという間に時間が過ぎる。結局閉館時間の17:00に追い出しを食うまで、楽しんだ。



















 その後は路線バスを使ってローマの一部を観光。1900年代頭に作られたバロック調の巨大建物、スペイン階段(丁度日暮れ時で美しかった)を廻る。そして今日の最後の訪問先国立古典絵画館 バルベリーニ宮殿美術館へ。







 これが圧巻だった。2階にも展示室があるのに気がつかず、あやうくラファエロやカッパーチーノ、エルグリコを見逃すところだったが、ルネッサンス期の美術を中心に非常に見やすく、系統だってうだって展示してある。非常にレベルの高い展示品と展示の仕方だった。お供と貴族の館なのか、どの部屋にも素晴らしい天井画が描かれている。雰囲気も素晴らしいものだった。一度、近代絵画以前の絵画史を自分で整理必要があるな。







 大満足で後にする。晩飯は地球の歩き方紹介のテルミア駅近くの定食屋(レストランテ)。異様に安い。前菜の盛り合わせ(生ハム、ハム、オリーブ、なすのオリーブ焼き)、サイドサラダ、スパゲティミートソース、ハウスワイン500MLで13.5ユーロ。味はまずくは無いが正直、旨くはない。値段を考えるとしょうがないが、明日はもう少し奮発していいもの食べよう。それでも、フィッシュアンドチップスよりはずっといい。

 初日のローマの印象。個々のアトラクションはローマならでは素晴らしい。ただ、町全体としては、ちょっといいまいち。車と人が多く、落ち着かない。なんか落ち着かない街なのである。その点はフィレンチェ、べネティアのほうがずっと良い。明日はバチカンへ向かう。印象が変わるだろうか?

晩秋の湖水地方 (2/3)

2010-11-07 20:31:00 | 旅行 海外
(ミニバスツアーの続き)

 更なる感動は、湖以外のところにありました。ヴァレー(Valley)という山と山の間にある谷です。日本よりも山と山の間隔が離れているせいか、日本語の谷というよりも広い空間が形成されています。丁度 風の通り道になっているのか、湖で吹いていた風とは全く異なる強い風が体を吹き抜けます。周りには羊が草を食んでいるだけで、全く人間の手の入っていない風景には、むき出しの自然を感じます。欧州に来てからはどちらかと言うと、自然よりも人間の手が加わった文化を中心に観光してきたので、こうした体験は新鮮で、違った感動がありました。今までに見た経験のない風景でした。

(Borrowdale Valley)




(Newlands Valley)



 湖、バレーの外にも、4000年前に建てられたという巨石郡キャスルリング・ストーン・サークルやウィリアム・ワーズワースが住み、最盛期の多くの作品を残した家ダヴ・コテージを見学して解散しました。半日でしたが、湖水地方のハイライトを効率的に見て廻る充実したツアーでした。

(キャスルリング・ストーン・サークル)


(ストーン・サークルの前には羊が・・・)


(Thirimere Water)


(ワーズワースが住んでいたダヴ・コテージ)
 

※付録 夜、パブで食べたローストビーフ。すごいボリューム


 2010年10月30日

晩秋の湖水地方 (1/3)

2010-11-06 21:49:21 | 旅行 海外
 先週末に、一度は訪れてみたいと思っていた湖水地方に行ってきました。生憎の天気ではあったものの、雄大な風景に紅葉との組合せが素晴らしく、充実した週末を過ごすことができました。

 朝6:05 EUSTON発グラスゴー行きの列車に乗って、まだ周囲は真っ暗な中での出発です。この列車はロンドンから北西の方向を疾走するせいか、ロンドンより遅めの8時ごろになってやっと日の出を迎えます。紅葉した木々が朝日に照らされるイングランドの村並みが黄金色に輝き、美しいです。

(Virgin Train)


(朝8時。日の出です)


(朝陽に照らされるイングランドの田舎)


 しかし、しょっぱなから、ありがちなアクシデント。いつもどおり(?)、列車が途中で意味不明の停車をしたりで、結局、乗換駅への到着は20分遅れ。接続列車を逃し、事前予約していた湖水地方湖めぐりの1日ツアーはパー。もう全く驚かないし、腹もたたないですし、むしろ、やっぱり予定通りことが進む前提でスケジュールを組んだ俺がアホダッタと自己反省。

 まあ、結局予想到着時刻に1時間ほど遅れて10時半に湖水地方の玄関口ウンダミアへ到着。まずは、周辺を散策。街中は思いのほか車が多いですが、少し入ると喧騒から離れて静かなFOOTPATHにでます。小川が流れ、湖があり、湖を山が囲む風景や雰囲気は、日本の奥日光、山中湖、洞爺湖とかに似てなくもないと思いました。最盛期は過ぎたと思う紅葉が未だ美しく、日本にいるような感覚に襲われます。

(軽井沢?と言われればそう思うかも)


(奥日光?と言われればそう思うかも)


(ウンダミア湖畔から)
 

 路線バスと徒歩では行けるところが限られるので、ホテルに荷物を置いて、午後からの半日ミニバスツアーに参加することにしました。家族経営のアットホームなミニバスツアーで、助手席には小学4年生ぐらいの娘さんが添乗してくれます。ガイドのおじいさんも面白く良い人で、インド人3名、台湾人2人との一緒にバンに乗ってのツアーに出発。紅葉の道を進み、車窓から次々と現れる美しい湖の風景は、日本に比べて取り囲む山々が低く、なだらかなためか、日本の湖よりも優しい風景に見えます。紅葉に染まってた林の中の道を走り抜けるのも気分が良く、車のコマーシャルに出てきてもいいような映像です。

(CMになる絵です)


(湖はとっても穏やか)


 湖をいくつかめぐって、エリア全体が日本の湖の観光地ほど商業化されていなにのに驚きます。国立公園として、湖畔だけでなくエリア全体の建物建築、商業活動、湖上での活動に相当厳しい規制があると言うことでした。やっぱり風景も日本とは似ているようで違います。木のある山や無い山もあり、一様ではないです。湖は全体に静かで、佇んでいるという感じ。途中、市民の足兼観光用の路線ボートに乗りましたがこれが楽しい。雨が降ったり、止んだかと思えば、太陽が差したりで、相変わらずの全く安定しない天気ですが、こうした自然に育まれて形成された景観と思えば、それはそれで趣があります。

(ボート。手前のお嬢さんがツアーの添乗員です)


(雨が降ったり、晴れたりでいつもながら難しい天気です)




(虹が・・・)


(絵本に出てきそうな風景です)


 2010年10月30日