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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

日本最東端 納沙布岬へ:2024年夏 道東旅行(3)

2024-08-04 09:05:46 | 旅行 日本

根室駅を降りて、その閑散とした駅前には驚きは隠せませんでしたが、まずは腹ごしらえ。

釧路出身の友人から「根室行ったらエスカロップを食べてみてください」とお勧めされたので、紹介された駅前の昭和の喫茶店風のニューモンブランという店に入りました。店内もソファや照明器具など昭和のレトロな雰囲気が満載です。さっそくエスカロップを頼みます。

名前の由来を初め、エスカロップが根室の名物なのかは全く分からないのですが(その友人によると、根室は漁港として栄えたので寄港する外国人が多く西洋料理が盛んになったとのこと)、出てきた一品は、昭和のデパートの最上階のお好み食堂を思い出させる一皿料理。日の丸の旗を立ててもいいかも。バターライスの上にポークカツが乗っかり、さらにデミグラスソースがかかっています。さてさて、どんなお味かと食してみたら、バターの香りが漂いつつ、思いのほかさっぱりしていて、ポークカツやソースとの相性も良く、とっても美味しい。「根室と言えば漁港だから海鮮料理だろ」という私の思い込みを完全払しょくしてくれるものでした。

【納沙布岬】

お腹一杯になったところで、車を借りて、4時間の根室観光をスタート。まずは、日本最東端の岬、納沙布岬を目指します。根室駅から約20キロ。20分程度で到着。朝出た釧路の曇り、雨の天気が信じられない様な青天でのドライブは爽快そのものです。

天気が良いので、持参した双眼鏡を覗くと、北方領土の歯舞群島が良く見えます。3.7km先に貝殻灯台という灯台が海上に立っているのが見えますが、そこはロシアの経済水域とのこと。更に奥に見える島(貝殻島?)にはロシアの建物・設備もはっきりと見えます。領土問題のまさにフロントであることを実感し、長閑な天気や環境とは真逆の緊張感も感じざるをえません。

岬には、北方領土返還を求める多くの碑が設置されています。また、独立行政法人北方領土問題対策協会が運営している「北方館」・「望郷の家」や「根室市北方領土資料館」などがあり、資料を通じて北方領土の歴史的経緯が学べるようになっています。ちょっと政治色が強いところもあり、苦手な人はいるかもしれませんが。


(根室市北方領土資料館では「最東端出発・訪問・到達証明書」が貰えます)

 

【チャシ跡(アイヌ民族の砦跡)群】

1時間ほど、滞在した後は、続いて根室半島チャシ跡群へ。海岸の見通しの良い場所にアイヌの城跡で根室市内には32ヶ所現存していているとのこと。根室市内のチャシ跡が築かれた正確な年代は不明なものの、16~18世紀頃とされてるようです(根室市観光協会HP)。国指定史跡でもあり、日本百名城の一つです。

ヲンネモトチャシ跡とノツカマフ1・2号チャシ跡を見学。跡そのものは大きなものでないですが、ここに砦を築いたアイヌの人たちの社会や生活を自由に想像するのは何とも楽しいです。


(ヲンネモトチャシ跡)


(ノツカマフ1・2号チャシ跡)


(ノツカマフ1・2号チャシ跡)

(ノツカマフ1・2号チャシ跡)


(ノツカマフ1・2号チャシ跡)

目前に青い海が広がり、抜けるような青空、そして風になびく草原。まさに場所は違えど、

「夏草や兵どもが夢の跡」

(つづく)

 


憧れの花咲線に乗る:2024年夏 道東旅行(2)

2024-08-02 07:32:24 | 旅行 日本

いよいよ、今回の主要目的のひとつ花咲線の鉄旅です。

日本最東路線のこの列車に乗るのは、鉄道好きの私(いわゆる「鉄」には程遠いですが)には憧れの一つ。この日の釧路~根室の片道2時間半、往復5時間の乗車体験を楽しみにしてきました。胸躍らせて、8時21分発に乗るべく釧路駅へ。

なんと1両編成。しかも、列車の側面には「ルパン三世」のキャラクターたちがプリントされています。どうやら、路線途中の浜中駅が「ルパン三世」の原作者モンキーパンチの故郷と言うことで、ルパンを使った村おこしの一環のようです。いいじゃないですか~。

 

【往路:釧路~根室】

社内の座席は8割ほど一杯で、ぱっと見、観光客が7割弱といったところでしょうか。本格的なビデオ器具とマイク一式を持った若者もいます。北海道旅行中とお見受けするシニアご夫婦やアジアからの若者旅行者など、いろんな取り合わせ。私のようなソロ旅行者の方が多いですね。

海側となる進行方向右サイドの席はすでに埋まっていたので、左サイドの窓側席を確保。有難かったのは、シートが思いのほか大きくてクッションもよく効いていること。中央本線の各駅停車のボックス席シートよりも格段に心地よいです。

釧路の市街地を抜けると林の中を走ります。時折、昨夕の列車と同様、汽笛が鳴りスピードが急に落ちるので、鹿がウロウロしているようです。窓側座席は確保しているものの、運転手さんの斜め背後から、どこまでも続く線路と前方景色を見ながら乗っているのが楽しく、童心に返って景色を追いました。この日、朝から小雨模様なのが残念です。

厚岸(あっけし)に近づくと、いよいよ海が右手に見えてきました。浜辺では多くの人が出て、昆布干しのため昆布を広げる作業をしていました。潮の香りと昆布の匂いが車内にも強烈に入り込んできます。

厚岸駅で団体旅行と思しきシニア層のグループが乗車。どうも観光バスと鉄道旅行を組み合わせた道東周遊プランの様子。駅を発って彼らが乗ってきた理由が分かりました。右手に海と別寒辺牛湿原が見渡せる絶景ポイントに入るのです。運転手さんもここが見せ場とばかりに列車のスピードを落として、お客さんサービス。小雨の暗めの空なのでいささか残念ですが、湿原の脇を走る鉄道に乗っているのは、さながら湿原の上を走っているような感覚です。

東へ東へと向かいながら、段々と雲が薄くなり、薄日も差すようになってきました。陽の光を受け始めると、風景の表情が瞬く間に変わって、輝きを増していくのが驚きです。落石海岸沿いでは、風力発電用の大きな風車が所々立っていているのは、単に旅行目的の観点からすると、ちょっと周囲の風景と不釣り合いでやや興ざめなところはありますが、これは我儘と言うものでしょう。。




根室に近づくにつれて、人や家の気配がしてきます。そして、2時間半の鉄旅もあっという間に終了し、終点。到着は10時53分。フォームに降りて、駅を見渡します。この先は線路無し、本当の意味でのターミナル駅に何とも風情を感じるのは私だけでしょうか。「日本最東端有人の駅」とあるプレートを見て首を傾げていたのですが、最東端の駅は手前の東根室ということを知りました。

さあ、戻りの列車を16時8分発に定め、5時間の根室観光にでます。

(根室観光については次エントリーで)

 

【復路:根室~釧路】

復路は往路のリベンジで海側シートをゲット。この晴天なら午前中よりも更に良い車窓が期待できます。レンタカーを返却したので、もう車に乗ることも無いので復路は呑み鉄です。



さあ、復路のスタート。まずは、隣駅の東釧路で最東端の印を確認。

駅名は忘れましたが、根室駅の近隣の駅でも駅周辺に蝦夷鹿が普通にいます。奈良のようです。

快晴だった根室でしたが、復路も西に向かうにつれ、雲が暑さを増し、厚岸では小雨となりました。まあ、それでもビールをちびちびやりながら車窓を追うのは最高です。ホテルから鞄に文庫本を2冊忍ばせてましたが、結局1冊も触ることすらありませんでした。




復路でのアクシデントと言えば、厚岸付近と上尾幌近辺で列車が鹿と2回衝突したこと。都度、運転手さんが車両を止め、衝突した鹿の除去、車両確認をしたうえで、出発となります。各回10分は止まっていますので、必然的に列車の運行も遅れます。幸運にも、私は衝突の現場には立ち会わずに済みましたが、車両の直前を横切る鹿を何頭か目撃しましたので、動きの予測がつきにくく、集団で異動している鹿を避けるのがいかに難しいかが実感として理解できました。鹿も可哀そうですが、運転手さんの技術もメンタルも本当に大変なことで、頭が下がります。

20分近く遅れて、釧路には19時前に到着。最後、若い運転手さんに「おつかれさまでした」と一声かけてましたが、やはり同じことを思ったご婦人も「大変ですね。ありがとうございました」と声をかけていらっしゃいました。


(19時前の釧路川)

林、海岸、湿原、平原と次々に表情を変える車窓、ディーゼル車独特の乗車感覚、のんびりとした空間。これらを味わえる花咲線の鉄旅は強くお勧めできます。

(2日目)


釧網本線に乗って夕刻の釧路湿原を楽しむ:2024年夏 道東旅行(1)

2024-07-30 07:30:07 | 旅行 日本


(北海道上空)

今年の夏は長期休みは取らず、週末に1,2日の休みをくっつけて、短い連休をいくつか楽しむつもりです。第1弾は釧路湿原マラソンへの参加とJR花咲線の鉄旅をメインにした道東旅行を敢行。

初日は、お昼過ぎに釧路たんちょう空港に着陸したので、ウォーミングアップがてら夕刻の釧網本線釧路湿原の巡りを計画しました。

空港を出て最初の感想は、「涼しい。いや、寒い」。35℃前後の灼熱地獄の首都圏と20℃前後の釧路とは別世界。首都圏にいると、気温の感覚が麻痺していて、「釧路20℃」と天気予報サイトにあっても、その情報を解釈できなくなってました。涼しいとか寒いというのがどういうものか分からなくて、今回持参した長袖衣類はシャツは1枚。これから大丈夫か少々不安に。

空港バスで市内に向かい、遅い昼食を取って、ホテルにチェックイン。釧路湿原の列車観光と言えば、観光列車ノロッコ号が有名ですが、日に2便しかないので、この日は間に合いませんでしたので、ローカル線に乗っての湿原巡りです。

 

【釧路駅から塘路駅へ】

16時29分の網走行きに乗車。2両編成です。ノロッコ号ではありませんが、ノロッコ号の終点が塘路駅なので、そこまで約30分の短い汽車旅としました。


(昭和を感じる駅舎)

釧路の街を抜け、次の東釧路駅では下校したての高校生たちが乗ってきます。車両は満席で、床に座ったり、立ってスマフォ弄ったり。座っている生徒たちは、単語帳開いて勉強したり、あっという間に完睡してたり。この生徒達の家はどこにあるのだろう?1日に4本しかない電車での通学なんて 大変だ。

まもなく、列車は釧路湿原の林を走ります。夕刻になるにつれて曇りから薄日が差し込み、湿原や林の緑が美しく反射していました。夕陽なのに、朝日のような瑞々しい光です。

塘路駅で折り返しのため下車。逆方向の釧路行き列車まで1時間あるので近くを散策することにしました 若干湿り気はあるものの気温は23°c。東京の暑さとは桁違いの別世界です。そよ風が気持ちいい。車窓からも何匹か見ましたが、蝦夷鹿が普通にうろうろしてます。塘路は湿原のカヌーツアーの基地になっているようですが、そのカヌー業者さん以外のお店類は何もないですが、こういう何もないところに、特段あてもなくうろうろしているというのも、非日常で楽しい。


(塘路駅出た左手にある簡易展望台からの眺め)


(鹿がそこらにウロウロしてます)


(塘路湖)

 

【塘路駅から釧路湿原駅へ 細岡展望所】

塘路駅18:11発の釧路行きに乗り、釧路湿原駅に向かいます。列車に乗っていて一つ気が付きました。運転手が汽笛を鳴らす時や スピードを急に落とした時は大抵、運転手が鹿を検知した時なのです。列車先頭から前方をを見ていると、何度も線路の上や脇にいる鹿を見かけます。急にスピードを抑えますが、運転手さんもヒヤヒヤものでしょう。線路を横切ってそのまま、前(列車の横)に逃げればいいものをなぜか 線路に沿って逃げる鹿もいて、これでは追いかけっこになってしまいます。こういうのは大抵、小鹿で、列車に慣れてないのか、危なっかしい。いつかは衝突間違いないので、とても見てられなくなり 先頭で車窓を追うのは諦め、自席から車窓を追った方が良い。衝突した鹿は運転手さんが線路や脇から運び出す作業がある。運転手さんは大変だ。


(車両後方から 線路右側に鹿)

釧路高原駅で途中下車し、日没が見られるのではというかすかな希望をもって、細岡展望台に行きます。 だが、残念ながら、夕日が沈む西方面は完全に雲がかかっていました。北方向は雲が切れていますうが、夕陽を見るとか夕焼けになるには雲が厚く、少々がっかり。

それにしても釧路湿原は広いです。日本ではなかなかお目にかかれない。ロンドンの郊外のリッチモンドヒルからの景色や南イングランドにも似たような景色は無いことは無いですが、このスケール感には及ぼないかな。日没の鑑賞はできませんでしたが、夕暮れ時の湿原見学をたっぷり楽しみました。30分ほどで私以外に訪れたのは小さいお子さん2人を連れた4人家族1組と若いカップル1組だけ。ほぼ独り占めでした。

前回、この展望台を訪れた3年前、蚊の集団に襲われ、その傷の治療に1月以上かかったので、今回は蚊対策(露出肌を最小化し、虫よけスプレーをかけるぐらいだが)を万全にして出かけました。何とか凌ぎましたが、それでも後でホテルに戻ったら数か所刺されてました。 

釧路湿原駅に戻り、釧路駅行き最終列車(19時41分)を待ちます。小さな山小屋のような狭い駅舎は、うす暗い白熱灯がついていますが、本を読めないほどの暗さ。フォームに出ても外は真っ暗。聞こえる音は水が流れる音と虫の鳴き声だけ。こんな完全な静寂は久しぶりです。たまにはこういう時間もいいものです。(ただ女性の一人旅にはこの時間帯のお移動は全くお勧めできません)


(これ逃がすと明日迄で列車無し)

 

(道東旅編 つづく)


札幌もろもろ スナップ

2024-07-04 07:40:46 | 旅行 日本

今回の札幌出張のスナップ。写真だけだと、何しに行ってるのかと怒られそうですが、もちろん、しっかり仕事はしてきました。

【飛行機】

今回コスト抑制のためLCC利用。羽田ー新千歳が11000円と青や赤の飛行機の半値以下。サービスも運航も全く不満なしでした。この値段で行けるんだったら、プライベートでも北海道ってもっと手近なのかも。

朝7時の首都圏上空。

8時過ぎには北の大地上空ㇸ。

【車窓から】

空港から札幌市内までの列車からの風景も、東京のそれと大きく異なり、広い大地におおらかな空気を感じさせ、北海道道を実感します。

 

【お食事】

ご紹介済のラーメン以外のスナップ。

夜のビジネス宴会の刺身盛り合わせ。とにかく見た目、超豪華なのですが、仕事飲みでは話に集中するので、とても味わって食べる余裕なく、味については全く記憶に残らず。

お昼に、営業所のスタッフが出張者に気を遣ってジンギスカンランチに連れて行ってくれました。とっても美味しいんですが、ビール飲めないのは拷問。

【その他】

これまたスタッフが気を遣っておつまみにご賞味くださいと、頂いた北海道おつまみセット(左上のトウキビアイスだけホテル横のコンビニで自己購入)

上のおつまみは帰りの便でSAPPORO CLASSIC と一緒にいただきました。ドンピシャです。

やっぱり北海道、プライベートでゆっくり廻りたい。

 

2024年6月4−5日


よさこいソーラン祭・前夜祭チラ見 @札幌

2024-07-02 18:00:50 | 旅行 日本

訪問先のオフィスの直ぐ近くの大通り公園で、よさこいソーラン祭の前夜祭をやっていると聞き及び、札幌駅に戻りがてら立ち寄ってみた。

子供が小学生の頃、地元のよさこいチームに入っていて、地元のイベントはもちろん、原宿やお台場のよさこい祭りにも時折参加していたので、とっても懐かしいイベント。しかも札幌のよさこいと言えば、よさこいブームの走りであったはず。できれば本祭を見物したかったが、前夜祭をチラ見できるだけでもラッキー。

数時間前まで冷たい雨が降っていたのだが、開演時には雨は止んだ。学生さん主催で始まったイベントに相応しく、前夜祭の踊りは学生さんたち総出の演舞だ。ステージいっぱいに広がる躍り手の威容と若さがほとばしるエネルギーに見ている私たちも圧倒される。能登半島沖地震被災者へのエールも交え、雨上がりの肌寒い空気を一気に熱く化学反応が起こっているような感覚だった。

30分ほどの短い鑑賞体験だったが、出張おまけとしては最高。

(まだ時間早いので人はまばらだが、ご当地グルメ屋台コーナーあり)

2024年6月5日


「札幌ラーメン」ではない美味しい札幌駅横のラーメン屋さん:らぁ麺 月輪

2024-07-01 17:45:48 | 旅行 日本

先月、年度初めのパートナー会社との気合合わせや自社営業所のメンバーとの業務課題議論で1泊2日の札幌出張。札幌駅近のビジネスホテルに泊まったのですが、ホテルのロビーに置いてあった自家製の周辺地図に紹介されてたラーメン屋さんに飛び込み。

なんか外見はどう見てもガード下の飲み屋さん。中に入っても、一升瓶が並んでたり、壁に貼ってあるお品書きもおつまみばかりで、「あれ、店間違えたかな?」。まだ時間も18時前後で客は誰もおらず、カウンター内で仕込みをしている女将さんに、「この店、ラーメンやってますよね?」とおそるおそる確認。「やってますよ、ハイ」と言われて、手渡されたメニューには5種類ほどのラーメンがあったので、鶏玉醤油ラーメンなるものを注文。

こんな時間帯に、ラーメン単品注文は迷惑だったかな?と多少罪悪感を感じつつ、店内を見回す余裕もできてきた。席はカウンダ―だけの10席程度のこじんまりしたお店。山小屋風に木目調の内装なので、とっても気分が落ち着く。こんな空間があると知っていれば、ラーメンも良いが、むしろウイスキーや日本酒をちびちびやりたくなる気分。

ラーメンは思いのほか早く5分ぐらいで出てきた。いわゆる東京人が勝手に想像する札幌ラーメン(豚骨と野菜の出汁スープ、やや太めのちぢれ麵)とはかなり様子が違っていて、東京にありそうな鶏ガラをベースにしたちぢれ細麺。透き通るようなスープ。それが、実に美味かつ私好み。とっても丁寧に作られているのが食べていてよく分かる。

スープ含めて完食して、お箸を置いて、心の底から「おいしゅうございました。ごちそうさまでした」。

らぁ麺 月輪 - さっぽろ(札幌市営)/ラーメン | 食べログ (tabelog.com)

2024年6月5日


週末奈良・京都弾丸旅行(最終回):東寺

2024-06-03 07:30:42 | 旅行 日本

時系列が逆転しますが、前日は東京から京都で途中下車し、2.5時間の東寺観光一本勝負。「空海展」を訪れる前のウオーミングアップです。東寺には15:15到着。訪問は2018年以来。

(南大門)

まずは、東寺の本丸とも言える講堂の立体曼荼羅や金堂の薬師如来と脇侍の日光菩薩・月光菩薩達とゆっくり対話。オーバーツーリズム影響を心配しましたが、思いのほか参拝者は少なく、落ち着いて対話できました。




今回、ラッキーだったのは、春の特別公開ということで、五重塔の初層(1階)に入室できたこと。入ってみると、55メートルもある塔の1階部分としては、意外に狭い。その密空間は、色落ちこそしているものの壁には彩色の跡が残り、中央には高さ60センチ程の大日如来を正面に四体の如来、八体の菩薩が囲んでいます。密教世界の特別な「気」に溢れています。




閉門時間まで1時間を切り、慌てて宝物館を訪問。こちらも年間通じて開館しているわけではなく、今回は春の特別公開期間と言うことで私は初めて。「南北朝時代の東寺」というテーマで展示がありました。南北朝時代の東寺は、天皇の御座所や足利氏の陣所として使われたことから、争乱の舞台になった」(パンフレット)とか。

南北朝争乱期に足利尊氏が本拠とした食堂(じきどう)の本尊であったという千手観音立像(重要文化財)を鑑賞。5メートル84.6センチの立派で威厳あるお姿です。興味深かったのは、光厳上皇の院宣の展示。高校時代に「太平記」を結構一生懸命読んだので、当時の世相に思いを馳せます。

最後の残り時間20分は観智院を訪問。「鎌倉時代、後宇多法皇によって東寺の寺僧の住房が計画され、南北朝時代の延文4年、1359年頃に杲宝が創建しました。杲宝の弟子、賢宝は、本尊の五大虚空蔵菩薩を安置しました。」(東寺HP)という場所です。落ち着いた家屋は駆け足で訪問するにはちょっと勿体ないぐらい。国宝の客殿内部には、宮本武蔵筆の「竹林の図」が描かれている上段の間があります。



16:30を過ぎると順番に東寺の周囲の門が次々と閉まっていくので、名残惜しいですが境内から退去。無数の名所がある京都ですが、意外と当時は灯台下暗しかもしれません。お見逃しなく。

(5月24日)


週末奈良・京都弾丸旅行(4):奈良で真昼間の飲んだくれ

2024-05-31 08:01:11 | 旅行 日本

「空海展」で2時間弱ほど過ごした後は、ならまち方面へ足を向けます。メインイベントは終わったので、裏メインの呑みへ。

向かった先は、奈良の日本酒専門店で立ち飲みで試飲(有料)提供してくれる<なら泉勇斎>。5年ぶりの再訪です。まだお昼前だというのに、8名ほどで一杯になる試飲カウンターはほぼ満員状態。無理やり割り込むように詰めて頂き、日本酒発祥の地である奈良の地酒を3杯ほど頂きました。

外国人観光客の来店も多いです。アメリカのボストンから来たというアメリカ人カップル、「日本酒旅」をテーマに何度も日本に来ているという台湾人、そして北欧系っぽく見える西洋人夫婦など、入れ替わり立ち代わりに来店し、数杯頂いていきました。店主さんによると、「外国人のお客さんで多くなったよね~。毎日盛況で、午後になれば一杯で並ばないと入れないよ」とのこと。日本でもファンの多い油長酒造の「風の森」とかは、海外でも相当に有名らしいです。「日本酒旅」の台湾人男性は、お店にあった5種類の「風の森」を一気に全部頼んで、呑んでました。少しお話ししましたが、奈良を始めとして、長野や山形のお酒が好きだそうです。「風の森」は台湾ではなかなか手に入らないとか。日本酒の知識は明らかに私以上でした。

あんまり長居するのは回転率さげてお店に迷惑なので、3杯飲んだ後は、「風の森」を一本お土産に買って退散。

  

飲み足りないので、酔いが廻り始めた体でふらふらと街を徘徊。どこも観光客で溢れてます。最高のビール日和なので、次は、地元のクラフトビールを提供してくれるビール屋さんへ突入。ここもお客さんの7割は外国人観光客でした。店で醸造してますので、フレッシュな生まれたてのビールを味わいました。うま~い。


(観光客で一杯の蓬餅実演販売のお店)


(YAMATO Craft Beer Table 近鉄奈良駅前店)

 

真昼間から良い気分。旅行は良いなあ~。

1時間ちょっとゆっくりして、ホテルで荷物ピックし、帰路に。実質、奈良観光は半日ですが、それでも満足感はたっぷり。

2024年5月25日


週末弾丸奈良・京都旅(3):圧巻の「空海展」@奈良国立博物館

2024-05-30 08:49:42 | 旅行 日本

奈良は9時を境に表情が大きく変わる。

外国人観光客・修学旅行生・一般観光客などなど、様々な人々が寺社をバックに写真を撮り、鹿と戯れ、一大観光地の本領が発揮され始める。これはこれで、(オーバーツーリズムにならない限り)悪いことではないし、有名観光地を楽しむ観光客を眺めるのも私はとっても好きだ。昔の話になるが、ロンドン駐在時に通勤路で毎日タワーブリッジを渡っていたのだが、訪れる観光客の顔がすべからく本当に楽しそうなのを見て、自分まで嬉しくなった。橋と言う建造物一つに、こんなに人々を明るい笑顔にする力があるなんて、なんて素晴らしい事だろう。と心から思った。奈良公園を闊歩する観光客も嬉しい顔であふれている。

本題からずれたが、いよいよ今旅行のハイライトである「空海展」である。開館が9時半なので10分前に到着したら、既に長蛇の列ができていて焦った。X(旧ツイッター)には「空いている」というポストが多かったからだ。入場券を持っている列と持ってない列に分かれ、夫々が50m近い長さになっていたので、あわててスマフォで入場券を購入し列に並ぶ。幸い、開館時間になると順次入場となり、10分程度で会場入りできた。

噂には聞いていたが、素晴らしい量と質の展示である。曼荼羅の世界、空海の生涯、空海ゆかりの寺社について、これでもかというばかりにお宝のオンパレードだ。開館とともに、多数の訪問者が一気に入場したので、落ち着いて鑑賞どころではなくなるのを恐れたが、会場広く、導線も緩く設計されていたので、思いのほか人の多さは気にならない。

圧倒されっ放しの展示だったのだが、私が特に印象的だったのは、曼荼羅の世界が詳しく、最大限わかりやすく説明されていたことだった。空海は、「密教は奥深く文筆で表し尽くすことが難しい。そこで図や絵を使って悟らない者に開き示すのだ」と述べたと解説されていたが、それでも難しい。今回、訪問に当たって、空海の『三教指帰』も読んでみたが、文章そのものは平易な物語調であるが、どこまで理解できたかは全く自信なかった。そんな空海の思想や教えを、展示は少しでも鑑賞者がこの世界を近づけられる工夫がされている。

特に感心したのは、曼荼羅の「絵解き」図。曼荼羅の夫々の絵のパートが何を書いているのかが解説してある。この「絵解き図」とリアル曼荼羅図を比べながら、まじまじと見つめた。今まで、さほど気に留めてなかったが、実にいろんな仏様達が描かれているのだ。


(曼荼羅の解説図。「空海」展のWebより転載)

京都・安祥寺の五智如来坐像(国宝)が堂々と第1会場の中央に座して、立体曼荼羅を形成していたのも存在感抜群だった。大日如来を中心に4人の仏さまが周りを固める。私になじみがある阿弥陀如来さまは大日如来の真後ろが定位置であることを確認。


(上の写真のパネルに映っているのが、京都・安祥寺の五智如来坐像)

もう一つ、本展で良かったのは、人間・空海により近づけた気になれたこと。以前、司馬遼太郎の『空海の風景』を読んで、小説ではあるが、空海の生涯について知った。今回、様々な空海ゆかりの品々はよりリアリティをもって、空海と私との距離を縮めてくれるものだった。例えば、遣唐使の一員として唐に渡った空海の帰朝報告である「弘法大師請来目録」。経典の数々を始めとして、唐から持ち帰ったものとかが自筆で記されている。当時の遣唐使は現代人が月に行くよりも危険度高いと思われるが、当地での師・恵果との出会いを通じて、密教の教えを持ち帰った空海が、今そこにいるような気になる。


(一級文物 文殊菩薩坐像 中国・唐(8世紀)中国・西安碑林博物館。なぜか、本品だけ撮影可)

展示の最後に空海像が展示してある。多くの訪問者がそこで手を合わせて祈りを捧げているのも印象的だった。空海は密教の難しい教えを世界を曼荼羅を通じて人々に紹介し、国家権力との関係もしっかり築きつつ、影響力を拡大したことに加えて、弘法大師として死後も多くの人から慕われていた。非常に不思議な魅力を持った人物だ。

奈良まで来た甲斐あったと十分に思わせてくれる、重量級の特別展であった。


〈構成〉
第1章 密教とは ― 空海の伝えたマンダラ世界
第2章 密教の源流 ― 陸と海のシルクロード
第3章 空海入唐 ― 恵果との出会いと胎蔵界・金剛界の融合
第4章 神護寺と東寺 ― 密教流布と護国
第5章 金剛峯寺と弘法大師信仰


週末弾丸奈良・京都旅(2):朝のゴールデンタイムの二月堂・法華堂

2024-05-28 07:30:28 | 旅行 日本

朝ランから戻ってシャワーで汗を流したら、ホテルに荷物を預けて7時半にさっさとチェックアウト。朝のゴールデンタイムの東大寺界隈の散策に出ました。

この近辺で私が最も好きなエリアである二月堂と三月堂(法華堂)を目指して歩きます。時間の関係で今回は大仏殿もパス。境内は朝から鹿さんたちが闊歩してます。


(南大門前の参道の鹿さん。「引っついてくるんじゃないよ」と言われているよう)

5月の奈良は過去に何度か訪れてますが、ここまでの快晴の奈良はあまり記憶がない程。大仏殿の奥から裏参道を上って二月堂へ。本堂の舞台から奈良盆地を見渡します。真っ青の空の下、澄んだ空気は透明度高く、濁りを一切感じません。風景を見ながらぼーっとしていると、お寺の焼香の匂いが鼻をくすぐり、ウグイスのさえずりが聞こえます。更に耳をすますと、水の流れる音、参拝者が鳴らす鈴の音、お賽銭箱に吸い込まれる硬貨の音、音の風景も楽しめます。


(二月堂裏参道)


(二月堂の本堂の舞台から奈良盆地を見下ろす)


(二月堂本堂)

続いて、隣の三月堂(法華堂)へ。天平五年(733)年の創建とされ、東大寺の中でも一番古い建物として知られています。私は多くの仏像が鎮座されている堂内が最高に好きな空間です。ご本尊の不空羂索観音立像を中心に梵天と帝釈天が脇を固め、前方には金剛力士のペアや増長天、持国天が立ち、背後は広目天、執金剛神(秘仏)、多聞天が守ります。10体すべてが奈良時代に作られたもので、国宝です。これ以上の布陣は無いと言っても良いでしょう。


(法華堂。中は撮影禁止)

そして、仏像の歴史的・文化的価値を差し置いても、この空間に一歩入り込んだ途端にその緊迫した雰囲気に打たれない人はいないのではないかと思います。完璧な静寂のお堂内なのですが、それぞれの仏像が今にも動き出さんばかりの躍動感を持っていて、その静と動の混在から生み出だされる空気の荘厳さが凄まじい。

開門は8時30分からのはずなのですが、到着した8時20分にはもう入れるようになっていて、先客もいらっしゃいました。このお堂有難いのは、内陣に向かって小上がりがあって、そこに腰かけて仏様達と会話ができるのです。御尊顔を見つめたり、その作りの全体を眺めたり、踏みつけられている邪鬼の気持ちを察したり、30分程があっという間に過ぎてしまいます。5人程の参拝客が小上がりに座って、夫々の思いで、黙って仏様と会話しています。考えてることは夫々違うでしょうか、この静寂の中で感じるものはきっと同じ感覚なのだろうと思ったりしました。

9時を回ったところで退出し、今回の旅のハイライト「空海展」を観に奈良国立博物館を目指して、山を下り始めました。


(鐘楼(国宝)と鹿さん)


(梵鐘(こちらも国宝。重さ26.3t・・・と言ってもどのくらい重いのか良く分かりませんが・・・)


(朝日に新緑が映えます。鹿も嬉しそう)

5月25日7時40分~9時20分

 


週末弾丸奈良・京都旅 (1):旅ラン・平城宮跡

2024-05-26 07:52:06 | 旅行 日本

金曜日午後からお休みを頂いて、現地滞在時間24時間の弾丸で奈良・京都に行って行きました。多少、順番前後しますが、模様です。

宿泊は近鉄奈良駅近くのビジネスホテル。前夜のアルコールが残る中、奈良旅恒例の早朝ランへ。今回はいつもの奈良公園周辺とは逆方向の平城宮跡へ。爽やかで気持ちよい朝です。

ルートはひたすら大宮通を西に向かうのですが、途中、ボーリング場となっているエンタメ・ビルの前に長屋王のお屋敷跡の碑を発見。

平城京跡までは片道4キロ弱なので、丁度良い距離です。広大な平地は気持ちよい。

まずは朱雀門。

朱雀門を超えると、近鉄奈良線が横切る広大な原っぱへ。野鳥のさえずりがうるさいほどに聞こえてきます。

先に見えるのは、現在復元中の第一次大極殿院南門。朝日が眩しいです。

そして、第一次大極殿です。

大極殿の北側に出ると、平城天皇陵とか木々に囲まれた神社など雰囲気がガラッと変わります。細い道に住宅が並んでいたりして、(ジョギングで無くて)散策であれば、もっといろいろ発見があるかも。下の写真は貯水池とその後ろの森には釣殿神社や圓福寺。



往復9キロ程度で、最高の気持ち良さ。朝の奈良公園の静寂や神々しさと異なった爽やかさで、奈良でのもう一つの旅ランとしてお勧めコースです。

(付録)帰りの近鉄奈良線の車窓から撮った平城宮跡(14時頃)

 

(2024年5月25日)


2024ゴールデンウィーク 新緑眩しい山中湖

2024-05-09 07:30:53 | 旅行 日本

連休後半もだらだらしに山中湖へ。この時季、日本のどこを訪れても美しさ一杯だと思でしょうが、今年はお天気にも恵まれ、新緑眩しい素晴らしい環境でした。

恒例の早朝湖畔一周ランのスナップから。朝5時45分~7時頃の様子です(2日間、順不同)。


(早朝の「夕焼けの渚」展望台から)


(八重桜と富士山 @山中湖交流プラザきらら)


(「きらら」から)


(朝日に照らされる釣り船 @平野地区)


(湖畔の林から朝日が漏れてきます)


(ママの森横のサイクリングロードから)

 

今回は3月に遭遇した鹿の群れには会えませんでした。

2024年5月4、5日


2024ゴールデンウイーク前半戦:新緑眩しい箱根でだらだら

2024-05-02 07:30:33 | 旅行 日本

今年の連休は近場で、日頃擦り減った心身の回復を最優先。前半戦は箱根の温泉へ。

混雑避けて、往復の列車乗る以外は、混雑怖く外出なし。宿で温泉つかって、マッサージ機使い倒して、ビール飲んで寝る、というある意味究極のだらだらでした。

なので大した写真も無いけど、記録用に残しておきます。

(往路はロマンスカーで鶏弁当)

(ロマンスカーはGSEの先頭車両座席をゲット。先頭にかぶりつく少年の気持ちわかるわ~)

(復路の箱根登山鉄道も先頭座席をゲット)

(スイッチバックが楽しい)

(早朝ラン。強羅〜宮の下を往復約7キロ。箱根はどこ行っても坂なのでジョッギングには全く持って不向き)

(復路は小田原に立ち寄って昼食。八起さんでお刺身定食)


山中湖の鹿

2024-03-24 21:04:11 | 旅行 日本

まだ冬の寒さ残る山中湖を訪れました。

恒例の朝ランの風景です。

今回のサプライズはこの鹿たち。私が走る道を、7頭の鹿が横切り、道路左の林から右の林へ。立ち止まって、じーっと私のことを見つめます。

小鹿は可愛いのですが、親鹿は結構大きいし、怖いです。


ランチは忍野村のうどん屋さんで鍋焼きうどん。まだまだ寒さが残るこの地域では、暖かいうどんが美味しい。

2024年3月24日


インディアンサマー in 忍野・山中湖

2023-11-06 07:29:43 | 旅行 日本

マイ毎年恒例、この時期の山中湖の紅葉狩り。9月まで続いた夏の猛暑の名残のような、落ち着かない程、暑いぐらいの暖かい気候です。何十年も前に米国に居住していた際、このような晩秋から初冬に空けての汗ばむような天候をインディアンサマーと言うのだと教わりました。(日本語だと「小春日和」という言い方がありますが、勝手な私の感覚では、この日は小春日和というよりずっと暖かく/暑く、「春」でなく「夏」であるインディアンサマーでした)。

そんなの好天の中、紅葉を目一杯楽しみました。


昼食を頂いた忍野の定食屋「車や」さんに隣接した湧き水の池。ちょっとした散策ができるようになっています。

夕刻は山中湖紅葉祭りを訪れます。夕暮れ時の富士山、湖面、ライトアップされた紅葉が美しいです。

翌日は朝から自転車借りて、湖畔を一周。汗ばむほどの陽気です。





<山中湖の鎮守さま 山中浅間神社の境内>

目の覚めるような色の祭典。心のお洗濯にぴったりです。

2023年11月3-4日