バイク業界に入った最初は、某カスタムショップで、当時、YSP等のメーカーディーラーでは、表立ってカスタムは行っていない時代でした。ワイズギアも無く、車検も厳しかったです。現在でも、旧車は人気があり、専門ショップがたくさんありますが、Vmaxは、ショップがほとんどなく、オーナーの方が修理に困る状況です。理由を考えてみたのですが、旧車の域に入っているVmaxは、中古車しかないので、仕入れても修理が必要なことが多いですが、旧車の中で、プレミア価格もほぼ無く、販売価格が他車種と比べて低いので、旧車販売業者や、中古車販売店としてうまみがないからかと思います。当店の成り立ちは、付き合いの長いお客さんが多く、その方たちのメンテナンスをメインに考えていましたので、現在もメンテナンスと修理のみです。
コンディションレベルチェックパックでお預かりですが、現在エンジンが始動でき無い状態でしたので、レッカー入庫です。かなり昔に旧勤務先で見たことがある車両でしたが、現状が不明なので、点検から始めます。長期不動車では無いです。エンジンオイルは、点検のみで交換無しです。
前後ヘッドカバーガスケットからオイル漏れ有。特に前側が酷く、クランクケースにまで垂れてきています。
ラジエター下側のパイプよりクーラント漏れ有(応急処置で、バンドを締め直して対応)、ウォーターポンプ下側の穴から漏れた跡有。
クーラント漏れにより、リザーブタンク空です。ラジエターキャップを外してもクーラントが見えず、とりあえずクーラントを足して、エンジンを始動してみます。
各ゴム類も劣化が見られます。とりあえず、キャブレター内のガソリンを抜きます。
1番気筒のキャブレターのチョークレバーのボルトがないので、装着です。いままで1番はチョークが機能していない状態でした。ガソリンタンクの錆は無いようです。
エアクリーナーは、純正で使えそうです。ダイヤフラムは劣化がありますが、回転や作動不良は無いので、今回は、そのままです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、サビもあるので、今回は、新品交換です。バッテリー脱着時に、リアバンクのプラグコードを外してしまうと接触不良の原因になります。今回も腐食していました。
トップキャップに錆もあり、空気圧が0でした。
前後空気圧は、規定値の約半分ぐらいで、タイヤの製造日は、8年前です。
リアサスは、オーリンズで、オイル漏れは無いですが、スプリングが錆びています。
前後キャリパーは、パッド残量はありますが、サビと汚れで状態が良くないです。
レギュレーターは、ホンダ純正部品の流用だと思います。
現状オイル漏れは無いですが、ダストシール劣化とインナーチューブに点錆があります。
フルードは、要交換です。
ワイズギアのウインカーですが、経年劣化で、ステーが割れています。このタイプは、ステーが販売されていないので、折れるとアセンブリ交換になります。
装着されていたバッテリーですが、容量がないので、要交換です。
とりあえず点検のため、別のバッテリーを外から接続し、点火火花の点検とエンジン始動です。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。
点検が終わったので、バッテリーを新品交換です。今回交換した部品です。
バッテリー交換後のエンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。
最終チェックと試乗です。とりあえず、コンディションレベルチェックパックを行いましたので、劣化している部分は、後日あらためて修理予定です。無事納車になりました。
2022.02.26 作業担当 ヤダ(矢田)