前回に引き続き、1月末には到着していたのに紹介し損ねていた盤を。
ザディコ/ケイジャン界の若大将?(貴公子か!)、セドリック・ワトソンの新作『ライジング・サン』です。ザディコです!
実はこの新作、発売は昨年、アメリカでは『Le Soleil est leve』のタイトルでまったく違うジャケットでリリースされていました。
ただアマゾン等のネット上では配信オンリー、試聴して盛り上がりつつも「やっぱり盤じゃなきゃなあ」と購入を躊躇していたのでした(配信って購入って感じがしないんですよね…)。
その後、しばらくして本人のサイトからは盤で購入できることを発見したのですが…同じ頃!日本中のザデイコファンを驚かせるニュースが届きました。なんと本作がPヴァインから国内盤として2012年早々にリリースされるとのこと。「おお!」と驚きつつも来年の話、「早くワトソンくんところに注文しよ」は変わりませんでした…が!日本国内でザディコのCDが発売されるのは本当に久しぶり(20年近く?)との報を聞いて気持ちが変わりました。1枚でも多く国内盤が売れて、ゆくゆくはアノ人も
この人も
この人も
この人も
そしてこの人も!
の来日公演に繋がって欲しい…。という想いが高まり?年明けまで待っていたのでした。
※ZKックスのYタケくんには「両方買いますよね?」と言われました…。
で、本作。素晴らしいですよそりゃ~。僕が彼を知ったのはケイジャンバンド『Pine Leaf Boys』のメンバーとして。その後Corey Ledetとの共演盤『Goin Down to Louisiana』だったでしょうか。
そのころはフィドル(ヴァイオリン)を弾いている印象が強く、ケイジャンいやブルース色も濃かったのでクレオール(フランス語文化)ミュージック全般をカヴァーするミュージシャンという印象でした。それがやがてザディコ界の貴公子となり(笑)すっかり大物感も漂ってきました。
彼は伝統的な色の濃いザディコミュージシャンだと思います。でも決してオールドファッションというわけでなく、ビート感や音ヅラでヒップホップやロック色の強い最近の若手とはひと味違い、伝統的な中に様々なルーツミュージックの要素を練り込み自らの独自性を出しているように感じます。
その上で古いスタイルを大切にしているためザディコでありつつその周辺に滲み出るかのごとく音楽性の幅を広げている印象です。今作では若干後退しているものの、アフリカ的要素を感じさせるのも特徴です。
そして多くの方のイメージするように明るく楽しい、思わず身体の動き出す音楽が目一杯詰まった良盤です。その独特の切ないような陽気さは汎ルイジアナ的、いやそれを飛び越えて汎カリブ的ですらあります。でもやっぱりザデイコ!
聴き込めば聴き込むほどに煮込まれたスパイス多さがわかります。皆様是非ご購入を!お薦めします。
うーんPヴァインのまわし者みたいだ(笑)