バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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休日2~村田vs柴田&田口vs井上~

2013-08-26 | ボクシング

夜はテレビでボクシング中継を。フジテレビが社運を賭けて売り出し中の『怪物井上尚弥』選手の日本タイトル挑戦試合。井上選手、わかってはいたけどホント才能豊かな選手だ。平素からのボクシングファンとしては日本チャンピオンの田口良一選手を応援したいところだったのですが、序盤は「こりゃ勝負にならんかも」 という感じ。でも、ボクシングって才能や個人の実力だけじゃないのだ。相手あってのモノ。展開や勝負のアヤ。試合が長引くにつれ田口選手のパンチも当たり始める。ほんの少し井上選手を苛つかせる展開に持ち込み、勇気ある立ち位置からの踏み込みでボクサーとして能力の差を埋めにかかる。中盤から終盤はボクシン グファンとしては見所がいろいろある熱戦だった。それでも井上選手の優位は動かず。僅か4戦目での日本タイトル獲得となった。
「田口選手の気持ちは強かった、自分はまだまだです」と謙虚に語る20歳の若者。26歳の元チャンピオンとなったボクサーは6歳年少の相手を「井上くん」とは呼ばずに「井上選手」と 呼び「強かった」と素直に称えた。井上選手だけではなく彼にも「先」はあるのだ。

もう1試合はオリンピックミドル級金メダリスト村田諒太選手のプロデヴュー戦。相手は日本タイトルを制し、東洋チャンピオンの座にも君臨する日本ミドル級の第一人者柴田明雄選手。柴田選手圧倒的不利と言われながらも、 彼の奮起を期待する声は大きかった。しかし2RKOで村田選手の予想以上の圧勝。
日本と世界の差がとてつもなく大きいといわれるミドル級。そのクラスのオリンピック チャンピオンはやはり凄いのだ。キャリアの全てと誇りを賭けて戦った柴田選手をまったくよせつけなかった。あまりに残酷といえば残酷な結末。でもこれがボ クシング。レフェリーは妥当なタイミングの、良いストップだったと思う。日本人のミドル級オリンピックチャンピオン、なんとも現実感のない響き。それほど規格外の存在が村田選手なのだ。
相手が弱かった、と思った人がいたとしたらそれは間違っている。これまで(の歴史で)アメリカ等で金メダリストからプロデヴューしたスター候補選手のほとんどは戦績の良くないキャリアの浅い選手相手に戦い、ゆっくりとプロに順応していく形をとっていたものだ。プロで6階級制覇を達成したスーパースター、オスカー・デラホーヤも無名の選手と戦い、キャリア初期にはタイミングで軽いダウンを奪われたりもしていた。実力差はあったとはいえ、あれだけ必死で向かってきた東洋チャンピオンとの試合を一方的に距離を支配し、圧倒したのは本当に凄いこと。

果たして、日本人選手がミドル級以上の階級で世界を穫るだけでなくトップスターとして活躍する日がくるのか!?

正直それは昨日の試合では、まだ判らないんですねこれが。
でもフジテレビ、なかなか良いボクシング中継だったと思います。●BSさんとは雲泥の差。


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