バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

藤井裕さんさようなら。

2014-10-24 | ある日の出来事

今日は天気が良い。ここのところ東京は雨、曇り、肌寒い日が続いていてずいぶん久しぶりの太陽のような気がする。
自分はごくごくあたりまえの人間なので、自室のある2階の窓から青い空を見ているとなんとなく心落ち着く。
1週間前、突然届いた藤井裕さんの訃報。もちろん闘病中だということは知っていたけれど、まったく心構えができていなかったのでとても驚き動揺してしまいました。
裕さんの病気の為、延期されたサウスのLIVEの振替公演のチケットがすぐに発売されたこともあって、なんとなく漠然と「大丈夫だろう」と思っていましたし、思いたかった。強靭なベースプレイ。裕さんなら大丈夫では、と思っていました。
極々身近な人以外は皆そうだったのでは、と思う。
バイユーの周囲でも多くの方が動揺し、静かに悲しんでいました。自分なんかよりずっと親しかったYウジくんなんかは語るべき言葉もないんだろうなと思う。

バイユー開店前からの友人であるヒロナリくんがニューオーリンズから帰国し、日本での活動を再開するときに(「声をかけてくれた」)パートナーとして組み。それによってバイユーにやって来た裕さん。『Tribe ユー&ヒロナリ』伝説的ミュージシャンの突然の登場でしたが。凄味を漂わせつつも気さくな人柄に触れ、バイユーに集う多くの人が改めて新たにファンになってゆきました。

サウストゥサウスで、キヨシローのラフィータフィーでその他多くの伝説的バンドを激しくドライヴさせてきた裕さんのエレキベース。音量が特別大きいというわけでもないのに振動が扉を閉めたバイユーの廊下にまで響き渡るもの凄いアタックの指弾きプレイ。
そして清志郎さんとの深い親交から生まれた歌の数々を時に激しく時に訥々と歌う、その「歌」の説得力。とにかくステージに立つ様がどうにもソウルフルでロック的でした。
近寄り難いムードで演奏する姿、親しみやすい笑顔でマイクに向かう姿。この狭いバイユーゲイトで演奏して下さった様々な瞬間が大切な記憶です。
昨年、高知を訪れ僕の高校時代からのバンド仲間たちと共演し打ち上げの場からの電話口に現れた裕さん。「なんや、これ有さんの友達ばっかりか?」。裕さん、有さんと紛らわしい会話が懐かしい。

バイユーで何度も演奏してくれたことを心より感謝いたします。さようなら、くらいしか浮かびません。

Photo

裕さん、長いキャリアで1枚のみのソロアルバム
『フジーユー/藤井裕』
名盤です。
音楽は残る。多くの方に聴いていただきたいと思います。


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